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婚活者の必読書『マッチング・アプリ症候群 婚活沼に棲む人々』の学びが深い

今回は婚活中のみなさんの必読書を紹介します。それはズバリこちら。速水由紀子『マッチング・アプリ症候群 婚活沼に棲む人々』(朝日新聞出版、2023年6月刊行)です。

マッチング・アプリ症候群とは

著者の速水由紀子さんは次のように定義します。

 マッチングした相手をどんどん乗り換え続けることで生きる糧を得ている人々、離婚や失恋でトラウマを抱え、婚活と名乗りつつセフレ的な付き合いしかできなくなった人々、等身大な自分を見失って500の「いいね!」をコレクションし、自己肯定感の上昇のみを求める人々。
 こうしたマッチング・アプリの婚活沼に依存するディープな住人たちを、「マッチング・アプリ症候群」と名付けた。

マッチング・アプリは中毒性が強いことから「アプリを触っていないと気持ちが落ち着かない」「マッチングし続けないと不安になる」という方も多いのではないでしょうか。

本書でも、次のような発言をするマッチング・アプリユーザーが登場します。

「アプリに登録した頃から誰かと付き合ってても、朝起きると習慣でアプリをチェックして、1日に何回も見ちゃうんだよね。なんというか精神安定剤?」

「自分にも当てはまるかも…」とドキっとした方もいらっしゃるのではないでしょうか?

日本におけるマッチング市場の構造

本書の優れている点は、個人の体験談のみならず、日本におけるマッチング市場の構造に関する俯瞰的な記述も見られることです(著者の速水由紀子さんが新聞記者出身のジャーナリストとのこと)。例えばマッチング・アプリごとの年齢層と特徴について次のような記載があります。

ペアーズ 20歳から45歳 誰もが一度は入る最大手。人数が多いので玉石混淆
ウィズ 18歳から29歳 独自の相性テストが人気
タップル 18歳から35歳 ミッションクリアで無料に

また、日本において典型的なマッチングの3類型として、著者は以下3つを挙げています。

  • 同世代の女性たちに本命視されにくい非正規20代、30代男性はマクロン夫婦型の年上女性を探す(引用者注 : マクロン夫婦型とは24歳年上の女性と結婚したフランスのマクロン大統領に由来するもの)

  • ミソジニー文化に疲弊した妻に見捨てられた熟年男性は夢を叶えたいと20歳年下女性を求める(引用者注 : ミソジニーとは女性嫌悪のこと)

  • 困窮する若いシングルマザーはサポーターを買って出る中年男性とマッチングする

いかがでしょうか?あくまで著者の方の経験と、取材に基づいた上で導き出された3類型のため、必ずしも全体像を示しているものではないかもしれませんが、かなり納得感のある類型化とも言えそうです。

地雷に注意せよ

ここまでの紹介から「あれ?物凄くアカデミックな本?実際の婚活には全然役に立たないのでは?」と思った人も多いのではないでしょうか。たしかに社会学的な考察にも感じられる記述も多く見られる一方で、婚活にすぐに役立つノウハウが複数紹介されているのも本書の強みです。例えば、マッチング・アプリのプロフィール文の要注意ポイント。著者によれば、プロフィール文は字面通りに受け取ってはならないということです。

  • 「周りに裏表がないと言われる」= KYで気を使えない

  • 「経営者」= 月商10万に充たないネット通販ショップなどの経営

みなさんも地雷には注意しましょう。
また著者は、プロフィール文は5つの類型が存在するとし(テンプレ型、自信に満ちたオレオレ型、役所の書類型、ステマ広告型、等身大型)、最後の等身大型以外は「すべて邪道」とバッサリ切り捨てています。

ちなみに等身大型は「ネガティブに捉えられるリスクも含めて率直に書く正直タイプ」とのこと。このタイプのプロフィール文は「彼女と別れた」「離婚した」「人付き合いが苦手」「オタク」といったことが素直に書かれており「地味だがそれなりに個性も伝えようとしている」ことが特徴であるとしています。仕事の実績、充実したプライベートなどキラキラで良いことばかり書かれたプロフィール文に辟易している女性も多いのでしょう。みなさんのプロフィール文にも「ネガティブに捉えられる可能性のあるリスク」や「地味だけど自分を表現するには欠かせない個性」をあえて記載してみてはいかがでしょうか?

等身大型以外の類型のプロフィール文(著者が邪道と呼んでいるもの…!)がどんなものかは、ぜひ本書をチェックしてみて下さいね。

また、効果的なプロフィール文の書き方は以下の記事をぜひ参考にして下さい。

理想の結婚に向けて

著者の速水由紀子さんは「いいね!」10以下を狙え!と主張しています。いいね10以下の人にこそ、隠れたお宝、最高の出会いが待ち受けているというのです。マッチング・アプリでこそナンバーワンではなくオンリーワンの相手を探すべき、という示唆とも読み取れます。

いいねがたくさん付いている人(100いいね以上の人)は、多くのマッチング相手を同時にキープしています。仮にそのような人と一時的にメッセージのやり取りができたとしても、より望ましい相手が見つかってしまえば音信不通となり、ブロックされてしまうのが関の山です。

本書では、ホラー映画好きのアプリ内コミュニティに入って、同じ趣味の女性とマッチした男性の経験談が紹介されています。「100人の「いいね!」より1人の類友。これはアプリで結婚するための、一番のポイント」と著者は言い切ります。

そして婚活で大事なのはマッチングだけではなく、マッチングしたあとが勝負。LINEでのやり取りや電話、デートなどを通じた日々の試行錯誤が欠かせません。理想の結婚に向けた道のりは長いかもしれませんが、ぜひ本noteで今後もみなさんにとってヒントとなる情報を発信して参りたいと思います!

本記事を最後までお読み頂きありがとうございました。ぜひスキとアカウントフォローをよろしくお願いします!


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