見出し画像

【実録】事件のあらまし7月23日【備忘録】

前回の記事はコチラ

前日の検事調べを受けて10日間の拘留が決まったようだ。覚悟をしていたのでどうという事もないが、頭痛と眩暈で少し死を近くに意識した。今日は外の世界では「海の日」。

妻は子供たちを海に連れて行ってくれているだろうか?外の状況は全く分からない。まだ家族にも会えない状態だし、そもそも土日祝は面会を実施していないようだった。

しかし、ここに入って2日もいると多くのことが分かってきた。常備薬があってバッファリンが処方されることがわかったのだ。内心、何度も頭痛いって訴えているんだから教えてくれよ!って思ったけど、ここにはそういった習慣はないようだ。

OK。そういうの慣れているから大丈夫。OJTなんていらない。

早速、処方いただいたが流石にほぼ効き目無し。放置し過ぎたかな。眩暈で気持ち悪いが、この日から少しずつ弁当を食べ始めた。仕出し弁当でコンビニのモノよりボリュームがあっておいしそうだ。

こういう弁当の宿命で揚げ物が多く、個人的にはあまり口に入れたくはないもののオンパレード。しかし、一般的には十分だと思う。

むしろ、自宅だと家族のご飯を用意して後片付けや整理整頓などあって小忙しいのだが、ここでは至れり尽くせりで有難い。新聞なども配布されて浦島太郎に陥ることもないし、官本も用意されていてそれなりに時間を有効的に使える。

部屋は4畳半程度でトイレ付。跨ぐタイプで痔の私には少しショックだったが、食べ物をあまり食べていないのもあって、逮捕されてからこの方、便秘となっている。

枕はビニール製で加齢臭が染みついており、私は使えなかった。そもそも時代劇に出てくるような高さのある枕であれでは首が痛くなりそうだ。布団はシーツを変えたりしないようで拘留期間中はずっと使うようだ。

ベトナムとかの安宿だと、シーツにびっしり何かの虫が住んでいるのだが、ここはそれなり清潔。シーツの洗い替えがないのは不快感があるのだが、快適過ぎても良くはない。税金で運営されているのだし。

人権はそこそこに守られているのだが、一番きついと感じたのは風呂が週に月曜日と木曜日2回であるということ。何でだろう?ロシアで仕事をしていた時なんかは週に1回しかお湯が出ない世界だったので、その時よりはマシだったが被疑者というレベルでこの扱いは酷いと感じざる得なかった。

良いと思う点はここでは全てがシングルタスクで進んでいく。弁当を食べながら本を読んだりは出来ない。普段でもしない方がいいのだが、私は一つに集中して取り組む余裕がなくて、いつも「ながら族」だ。

このように普段はマルチタスクであれやってこれやってと忙しい毎日だが、ここに入って良かったところは時間の使い方に関して考えを俯瞰の目で見つめ直して「まとめれた」ことだ。これまでの日常に対して、大いに反省すべき点だったな。

考えてみれば、活字中毒気味の私には天国かもしれない。取り調べ以外は活字を読むか書くかしかない。パソコンを使えないので修正など気軽にできないので熟考した上でアウトプットを心がける必要があり、これまでの手法を改善するヒントを得ることもできた。

家族と会えない以外は大きな不満はない。大きな不安はあるが…スケジュールが知らされていないので、いつ取り調べが入るか刑事さんの都合次第なので、ベルが鳴ると「ドキッと」する。

しかし、誰かと話しをするなら取り調べの時間すらホッとするものなのかもしれない。私は人好きではないので誰と話さなくても全然平気だが、話好きの人には地獄かもしれない。

留置場とはそんな場所だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?