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【実録】事件のあらまし7月24日【備忘録】

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この日も引き続き頭痛薬を処方いただいた。午後になってようやく薬が効き始めたのか頭痛が治まってきた。眩暈は相変わらず酷いが何とか一山を超えたようだ。

両隣りの先輩は留置場の人と打ち解けて色々と話しているので、聞き耳を立てて情報を仕入れるのが日課になっている。私は外でもここでも誰かと打ち解けることはないだろう。

あまり人付き合いが得意のではないのだ。対人恐怖症とかあがり症というのではない。ビジネスの現場で誰も私をそのように思わないだろう。でもビジネスの現場の飲み会などはあまり好きではない。仕事の話ならいくらでもできるのだが、プライベートトークなんて1ミリもないのだ。

そんな世界をぶち破ってくれるのが、いつも妻である。偉大な存在だ。彼女の実家で兄弟が集まってBBQをするのだが、私はあまり話せないので心配をかけているようだ。自分でも改善したいと思っているのだが、難しいものだ。

一度、彼女の仕事仲間のBBQに呼ばれた時なんかは悪くいえば関係のない人たちだったので希薄な人間関係だと私は饒舌になるらしい。

同じような悩みを持っている人は多いと思うのだが、内向型の性格をしている人なりの人生設計があると思うので、無理に明るくふるまう必要なんてないし、必要に迫れれば「できる人」を割り切って演じればいい。

7月25日(土)と7月26日(日)は取り調べもお休みらしい。静かに本を読んで過ごした。ここで出会った本には「人生観に影響を与えた本」がたくさんあったので別のマガジンで紹介していきたいと思う。

余談ながら一番記憶に残ったのが本書である。留置場で本を読みながら泣いているおっさんをみて留置場の担当官はどんな風に思ったろうか。キモかったかもね笑

この日曜日は体調を崩し嘔吐が続いた。留置場は冷房が各部屋用に準備されており、本当に至れり尽くせりだが「過剰の欠乏」というのか、とにかく寒い。夏なのに分厚いスエット着てるのに震えるほど寒いのだ。

冷房は止めてもらえたりもするのだが、それでも寒い。他の部屋も土曜に寒気を訴えている人は多いが留置場の担当官は動き回っているので暑いのだろう。だからどうしても温度は彼らの好みになる。私たちに決定権はない。

夕方に体調が落ち着いてきて、久しぶりの便通があった。ほとんど食べていないので量も少ないし、硬いように見える。しかし、痔の方は逆に落ち着いたような気がする。

運動は留置場の担当官の都合でベランダのようなところで体操ができる。プライバシー保護の都合か空が少し見える程度だ。普段から家にこもりがちな私にとっては外に出ることに有難みはなかったが、少し身体を暖められるので体操はしないでボーっと立っていた。

まだ先は長い。22日に10日間拘留延長が決定したので、罪を認めない限りは7月31日まではここにいなければならない。刑事さんも仕事だから、あの手この手で私としては存在もしていない罪を認めさせようとする。

気持ちの弱い人であれば、やってもいない事を厳しく追及されて逃げたいが為に、うっかり認めてしまうのではないのだろうか?やはり冤罪はたくさん発生しているんだろうな。

ここでは弁護士と家族だけが頼りだ。私の場合、国選弁護人だったから、思った感じではなかったかな。これは感想ね。しっかりやってくれたとは思うんだけど、家族に伝えておいて欲しいことの半分も伝わっていなかったりして頼りなさは感じちゃったかな。

メッセンジャーではないので仕方ないのかもしれないけど、依頼人を安心させるのも仕事なのかなってこっちは思っちゃうじゃん。私選弁護人だったら対応は違うのかというとそれはわからない。

少なくともアメリカのドラマとかで取り調べの席に同席なんかは出来なさそう。自分の力で立ち向かうしかない。




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