マタタビの小説(1)

小説、始めます(笑)。

なんのこっちゃですが、いきなり。
あるTwitterのフォロワーさんからのリクエストで、医療系の小説を書いてみます。もちろん、HENTAI故に内容は、そういうことです(笑)。
暇な時間に読んでみてください。(*´Д`)ハアハアしないでね。

今回は、登場人物のひとりの紹介になります。
まだ(*´Д`)ハアハアしませんからね(笑)

追記:3/21 更新しました。

麗良(れいら)

 麗良は某病院に勤務する看護師。もう10年を過ぎ、自分に自信を持ち始めた時期である。しかし、何か仕事に対する違和感を感じていた。感染症騒動で厳しい院内ルールにうんざり。昼の黙食を強いられ、同僚とのコミュニケーションも十分に取ることもできず、ただ業務に没頭する日々を過ごしていた。
 麗良はひとつの楽しみがあった。SNSだ。顔も見た事もない人間が、自分を肯定してくれる、賛同してくれる。いつしか眺める時間が増えていた。SNSの表(表)では強気でおちゃらけたな自分を見せてはいたが、実は繊細な心の持ち主であった。リプの中に含まれる誹謗中傷には心を痛めていた。相手は生身の人間であるとはいえ、全く知らない他人であるのに。なぜそれを気にするのか、自分でも分からなかった。
 そう、彼女は疲れていたのだ。日々の仕事に、SNSでの活動に。プライベートを充実させてはみるものの、どこか満たされない日々を過ごしていた。
 そんなある日、変わったことがあった。いつものSNSで交流しいていると、ある人物からダイレクトメッセージが届いた。それはフォロワーの男性からであり、共通の女性フォロワーを心配する内容だった。何か理由を知らないかという質問メールであったが、麗良はそれを知るはずもなく、「さあ?」と答えるに過ぎなかった。男性はもちろん、麗良自身もその共通のフォロワーには会った事もないわけだから。

「そんなこと、本人に確認したらいいじゃんか。なんで私なんかに…」

そう考えるのも無理もない。そもそもその男性とはなにかしらの時期に相互フォローになっていただけで、これまでまともな交流もほとんどしていなかったからだ。もちろんDMなど初めてのことでもあり、しかも内容が共通のフォロワーのことでもあったこともあり、麗良は不思議を通り越して一種の嫌悪を感じたほどでもあった。

「なんか、無神経な人だな…いきなり、他人の相談なんか持ちかけてきて。」

それ以来、その男性からの連絡はしばらくなかった。もちろん、麗良はこの事を気に留める様子でもなかった。いつもの仕事の日々が続いていた。
作業ともいえる、過酷な労働の日々を。


拓望(たくみ)

 拓望は地方でしがない開業医をしていた。1日に10人くらい患者を診察し、午後からは訪問診療にも向かう、典型的な田舎の開業医だった。生活は決して豊かではなかったが、彼は自分の仕事を誇らしげに日々を送っていた。週末になると愛車に乗ってドライブに向かう。どこに行くでもなく、ただ車を走らせる。それが楽しいのだ、彼にとって。それで満たされていた。
そんな、どこにでも居るような普通の中年男性であった。医師であるということを除いては。

 ある日、昔勤務していた病院に赴いた。いわゆるバイトである。愛車が最近言うことを訊かなくなってきたこともあり、そろそろ買い替えなければいけなくなったからだ。もともとこの内科病棟で勤務していた拓望は、なじみのある内視鏡室へ向かった。かつては多くの急性期疾患と戦っていたその場所へ。今は始業前でもあり、ひっそりとしていた。
 馴染みの医師が現れ、一言二言思い出話を交わす。彼が退職してから、この病院の内視鏡室は、明らかに規模を縮小せざるを得ないこととなった。その医師はとても悔しがっていた。部屋の奥に、彼が愛用した電子スコープはまだそのまま残されていた。まるで、ショーウインドウに展示されているかのようにひっそりと。少し埃を被っているようにも見受けられた。

 地方の病院とはこのように人員の増減で診療体制が大きく変わってしまう。たった1人が抜けてしまっても、である。内視鏡検査は個々の技量によるところが大きいが、実は手術のように複数の人員を要さなければ実施できない手技もある。それは意外と知られていない事実でもある。

 久し振りではあったものの、慣れた手つきでスコープを操り、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)をこなしていく。バイトを始めた当時は、いわゆる”作業”と割り切っていた。これも車のため、と。
 ただ、繰り返しバイトを行っているうちに、この病院でかつて行っていた診療を思い出すようになっていた。寝る間も惜しんで診療を行っていた当時を。それはおそらく、あの埃を纏ったスコープを目にしてしまったからなのかもしれない。

 彼の心は、次第に揺らぐようになった。今のままがいいのか、それとも…。そもそも、多忙な勤務故に疲弊してしまったことで現在の開業を選んだからだ。体力的な衰えには勝てなかったのだ。

 バイトが始まって半年は過ぎたであろうある日、予定の内視鏡検査を終え、帰路につく時、誰かが声を掛けてきた。

「拓望先生、ですよね?」

 振り返った先にいたのは、見覚えのないこの病院の看護師であった。なぜ自分の名前を知っているのか、拓望にはわからなかった。

「あの、はじめまして。驚いた顔をしておられますね、無理もないですよね…」

 彼女は話し始めた。しかも、なぜか嬉しそうに笑顔で。
なぜ初対面の相手にこれだけ笑顔で話ができるのか、拓望は困惑していた。
しかし、その看護師のネームプレートを見たとき、すべてを思い出した。


というわけで、今回は麗良と拓望の冒頭になります。
突如現れたこの看護師はいったい…?
ご期待ください(笑)。


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