ー 氷の女神 ー 幻想物語
氷のように冷たくて澄んだ青いベールの中からみんなの顔が良く見える。
そのままでいてね。かわいいみんなが好きなの。
誰も私に触れられない。
きっと、触れてしまえば壊れてしまう。
どれだけ体を触っても、どれだけ手を押し付けても、氷のベールは鉄壁なの。
分からないまま、
知った気がして、
話しかけても、
届かない。
響かない透明なベールの中。
本当にそれを分かってくれる人はね、分かってるなんて言わないの。
自分にしかない世界の悲しさと温かさを知っているから。
例え同じものを共有していると思っても、
その優しさを知っているから。
なんにも言わずに抱きしめてくれるはずよ。
透明な壁の外から。
そうしてそっと抱きしめられた。
少し冷たくて固くてそして優しかった。
あなたはだぁれ?
…
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