個人が簡単に死ぬ事は許されない

生きる事が最も大事な価値観だとされている。
生きていれば、いい事がある
生きていれば、そのうち チャンスがある
そういう、いい事とか、チャンスは、生きていれば、個人的にはあるかもしれない。しかしながら、全体で考えたら、人間が生きる事は本当にいい事なのかなと思う。

生きる人間が多すぎていないかと思う。
八十億人ぐらいが、地球にいて、僕達は毎日、何かを食べる為に行動している。
僕らは色々なものを食べる。
逆に、食べられる事は稀で、他の生き物に捕食される危険は、少なくとも僕は今は感じない。
それに、僕は飢えた事が無い。おそらく、これからの数年も飢えないだろう。
今の日本にいる限り、食べる事に関しては「何とかなる」と平気で僕はそう思っている。
安心している。

僕達が増えた理由はなんだ?
子供を作る事で、僕らは増えた。
子供に幸せになって欲しいから? 
なんで、人間はこんなに増えた?
ちょっと調べたら、一九五〇年は世界の人口は二十五億人だったのが、七十年経って八十億人って、五十五億人が増えるスピードがハンパない。
増えた人間の数だけ、僕らは何かを食べてきた。
食べられもせずに、ただ食べてきた。

このまま僕らが増えれば、食べるものに困るだろう。
そう考えると、僕らが増えている事は、未来の子供達にとって本当に幸せなのかなと思う。
生きる事が、最も大事だとされてきたけれど、
生きて増える事を僕らは拒否するようになるのだろう。
個人が簡単に死ぬ事は許されない。
僕らは、強くても、弱くても生きなければならない。
そのかわり、僕達は今度はゆっくり減っていくのではないかと思う。それは、僕達の意志ではなく、そう仕向けられているのだろう。

少子化対策って、水の中から濡れずに陸に上がる事と同じくらい、意味のない事じゃないかなって思う。
それなら、今、生きている人間を大事にして、減っていく人口をぼんやり眺めればいい。
そんなに頑張らなくていいんじゃないかなって思う。
減ったら、また増える。

なんでこんな事考えたんだろ。

一日延ばしは時の盗人、明日は明日…… あっ、ありがとうございます!