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枯れない花

永遠に憧れながらも、実際にはその時間に耐えきれなくなる。

花は枯れるから美しいとは情緒的な表現だ。
しかし、その美しさを理解するには時間が必要だ。
枯れるときまでを観察しない事には、その花は永遠に咲く花である可能性がある。

人の一生も同じかもしれない。
死ぬから、必死で生きる人もいる。
死ぬことを知っているのは人間だけだろうか?
僕はそうではないと思う。
生物は死ぬから、命をつなげる。
花を咲かせて、実を結ぶ。
時にはトゲを身につけて身を守ろうとする。

自ら死を選ぶというテーマを表現するのは難しい。
花は自ら枯れる事で美しさを表現しているわけではない。
決して、死ぬことだけが美しい事だと僕は思わない。

ただ、その選択をした人を否定する事は僕はしたくない。
けれども、目の前の人がそれを実行しようとしていたら、僕は止める。

理由はわからない。
なんだか瞬発的にいけない事だと思ってしまうのだ。

「とりあえず、何かを食べに行こう。話はそれからだ」

田中角栄みたいな台詞を僕は言うかもしれない。何かを食べている時は少なからず、生きている実感がするから。

一時的にアッパーになっても、かならず下がる。
その時に、死にたくなるのかもしれない。

今週、有名な俳優さんが死んだ。
そんなニュースを一々気にするほどの余裕はないつもりだけど、やっぱり誰かが死ぬことは嫌なのだ。特にそういうやり方は。

お悔やみ申し上げます。

一日延ばしは時の盗人、明日は明日…… あっ、ありがとうございます!