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四月一日に生まれて

思い返せば、昨日のように感じます。些細な出来事だって覚えていたりするものだから不思議なものです。
いつだって、今がいいと思っています。あの頃がよかったなんて、言いたくはないです。
けれども、写真のファイルを整理していたら、懐かしさ半分、過ぎた時間の重さを感じて怖くもなりました。
20年程の時間は、あっという間と表現するには長く、かといって何を成し遂げたかと語るには短くも感じます。

奇しくも、今日は4月1日。

僕が大学生になった日です。
あの日ほど、新しい生活に胸をときめかせた日は他にはありませんでした。
もしかしたら、思い出が補正されて、全てが美化されているのかもしれません。
振りかえるほど、懐かしさにつぶされそうになります。

せめてこの日は、誰にとっても、新しい生活を感じる日であってほしい。何よりも僕自身がそう思いたいのです。
桜の季節は、誰にとっても始まりを告げる日だと僕は自分にいい聞かせたい。

僕はまだまだこれからの人間です。

成し遂げたいことの半分どころか、何も始まってもいない所にいます。
躊躇い、恐れることばかり。そして怠惰な生活。
それでも未来を信じる事だけは、この20年諦めていません。

大事な人が年をとって、残された時間が長くないとしたら、こんな所で管を巻いている場合じゃないのです。


それでも、冷やした呉春の大吟醸をミネラルウォーターを飲むようにガブ飲みしたくなる季節です。

20年前のような呑み方をして、この世を謳歌しているつもりにもなりたいものです。

一日延ばしは時の盗人、明日は明日…… あっ、ありがとうございます!