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ドホナーニのブル9初聴き

自己紹介・この投稿のきっかけ

はじめまして、平均律金欠です。最近、クラシックのあれこれをつぶやいていこうと思ってTwitter/Xを開設しました。が、いざ始めてみると、何をやっていいのかよく分からない。はい、初心者感満載でございます。

そうやって分からないがままTLをスクロールしていたら、たまたま「#ブル9お気に入りの演奏を二つ挙げよ」というハッシュタグを見かけたんで、それを見てみたら、花田花太郎さんという方が、ジュリーニとドホナーニを挙げていたんです。

Twitter/Xアカウント開設間もなくの引用リツイート

「ドホナーニのブル9!」

そんなにたくさんの録音を聴いている人間ではないので、知ってる指揮者の知らない録音の存在を知ると、こんな風に沸いてしまいますね。それで引用リツイートで「聴きてえ」と書いたら、それにわざわざコメントをしてくれた花田さん。優しいTwitter/Xの世界……。ならば文章がお粗末でも感想文を書いてみなきゃ!ということで、この投稿に取り掛かっています。

とはいえですね……。私、ブルックナーの視聴歴が浅いんです、ぶっちゃけwそれでも、9番は他より聴いてる。うん。もともと重度のフルトヴェングラー信者でしたから(いつかこのことについても書こう)、1944年の9番は良く聴きますよね。そこから派生してジュリーニもヨッフムも。

数少ない海外でのコンサート経験の1つも、ウィーン楽友協会/ウィーン交響楽団のブル9だったりする(しかも指揮者はルイージですよ。あの彼が今やN響に……勝手に縁を感じてしまう)。

ウィーンで行ったコンサート、まだウィーン交響楽団の公式サイトに載ってた
(余談ですが、このコンサート、終わったら静かにしようとプログラムに書いてあったのですが、実際はみんなすぐ拍手しちゃってました。ルイージ、少しがっかりな顔してました)

やばい。前座が本題より長くなるパターンじゃんこれ。あーん、もう。下手だからしょうがない!それでは行きますよ、感想文!

「バランス・洗練・カラリスト」みずみずしいブル9

ドホナーニといえば、ウィーンフィルとの「火の鳥」とかの、弦から金管まで透き通っていながら、艶艶した長いフレーズと細かいリズミカルなアーティキュレーション……みたいなのを思い浮かべますが、ブル9でもそれを魅せてくれます。

弦が長めの音を鳴らしていたら、その隙間から管弦のフレーズが浮かび上がってきたり(またその逆もしかり)、他の録音では聴き逃していたダブリングや和音の"不調和"もしっかり聴こえたり。太い筆でダイナミックに描くというよりは、細い筆で繊細に色鮮やかに、といった具合でしょうか。

この傾向は曲のあらゆる場所でみられて、例を挙げたらきりがないので、スケルツォからわかりやすい部分をひとつ。

Aセクションが終わるとき、トランペットやトロンボーンやティンパニが「ジャン・ジャン・ジャン・ジャン・ジャン・ジャン」って3/4のリズムをこれでもかってくらい叩きつけるじゃないですか。あそこにオフビートにホルンがいたんですね!知らなかったよ。ありがとうドホナーニ!

オフビートのホルンさん、こんにちは(Bar 109-)

もうひとつ!同じくスケルツォ冒頭で、オーボエとトランペットは音を伸ばし続ける一方で、クラリネットはリズムを刻み始める部分。これもほかの録音を聴いていた時は気づきませんでした。

そっと変わる管楽器のオーケストレーション(Bar 21-)

細かいディテールが見える演奏……となると「味気ない?」「上品すぎる?」とか思うかもしれませんが、決してそんなことはなくて、とにかく聴いていて心地よい!そういう意味では、張り詰めたフレーズや暴力的なブラスは少なめかも。でも機械的ではない。音楽的だ。たとえ気に入らなかったとしてもいっぺん聴いとくといいと思う。

ブルックナーあるあるのパウゼはどうだろう。はじめて彼の作品を聴いた時は「なんでこんなにストップ&ゴーするん?」と戸惑った記憶があります。いい演奏は大体その休符も音楽にしますが、ドホナーニのそれは音楽的パウゼのラスボスかも。各セクションへの移行も川の流れ絵のよう。うん。気持ちいい。

そして来は"最終"楽章。すごくハマった。1、2楽章を聴いていた時は、ほんのちょっとだけ脳の片隅に「もしかしたらちょっと物足りないかも?」という念がかすかに残っていたのですが、3楽章では無くなりました。緊張感、神秘的な神聖な響き、必然性……。全部くれるねドホナーニ!最高かよドホナーニ!

最後に

いやー、しょっぱなからこんなに慌てて書くとは思わなかった!でもこの勢いが無かったら一生書いてない気がする。読み返すと「聴こえてなかったのが聴こえた!」くらいしか書いてないんですが、それでもちょこちょこ書き続けようと思えるようになりました。駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。ではまた!

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