ユーレイ・パニック!
あー、まいった。
俺は怖いのがダメだ。
だのになんで深夜の旧校舎なんかにいるんだ?
今すぐ帰りたい。
「コータ!行くぞー!」
人の気持ちを全く無視して、ゲンキは俺の腕をグイグイ引っ張っていく。
いや、いい奴なんだよ。ただ超がつくホラー好きなだけで。俺を巻き込まなきゃ最高の親友なんだが。
ギシ。ギシ。
もはや自分の足音が怖い。ゲンキは楽しそうにくっちゃべってるが何も入ってこない。いっそ失神したい。
と、急にゲンキが立ち止まった。ひたすら俯いていた俺は頭からぶつかった。
「あ」
うっかり顔を上げた俺は見てしまった。古めかしい制服を着た青白い顔の女の子を。その足が…闇に溶けるように消えているのを。
「ギャアアアアア!」
…叫んだのは俺じゃない。ゲンキでもない。目の前の女の子だ。腰を抜かしている。足ないのに。
彼女はガタガタ震えながら俺達に叫んだ。
「なんで生きてる奴がいるの!?不吉!帰って!」
幽霊が怯えている。俺達を見て。
~続く~
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