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轟音の叛逆者たち
ギイ。
酒場の扉が開き、剣呑な視線が一斉に振り向く。
入ってきたのは小柄な若い女だ。
「お嬢ちゃん、ここは子供の来るとこじゃねえぞ」
髭面のスキンヘッド男がニヤニヤと笑った。女は無言でカウンターへ向かう。
「オイ!」無視され激高した男は立ち上がり、女の首を掴もうとした。
ギュイイイン!
輝く拳!強烈な爆音!次の瞬間には白目を剥いて床に転がるスキンヘッドの姿があった。
「"スラッシュ"のジェイが一撃だと!?」
「何モンなんだあのガキ…?」
ざわつく声を気にも留めず、女は握った拳を開いて倒れた男を見下ろした。
「腕っこきを集めてると聞いてたけど」
呆然としていたバーテンが、問われてはたと我に返る。
「そうとも。コイツは凶悪な"音"で何人もの敵を切り刻んだっていうぜ」
女はフーッと息を吐くと、よく通るドスの効いた声で叫んだ。
「アタシは"パワー"のリア!クソッタレ聖音教会の弾圧を鋼鉄の"音"で叩き潰すためにここに来た!」
【続く】
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