見出し画像

noteのお題企画「あの恋」にyouthful daysで挑戦する。

noteお題企画に「あの恋」という企画が投稿されました。
企画概要は以下です。

はじめての恋で経験したもどかしさや、実ることがなかった恋の思い出、今のパートナーと出会い恋に落ちたエピソードなど、あなたにとっての大事な「#あの恋」をnoteにつづってみませんか?

このお題を見た時、「Sign」と「youthful days」で悩みましたが、自分の中でSignは大学生の恋愛のイメージが強く、少し大人の内容な曲なので、よりみずみずしい曲である「youthful days」を選びました。

もし宜しければ「youthful days」を流しながら読んでいただけると幸いです。

憧れ始めた小学生時代

僕には小学校からの幼馴染がいる。
お互いの両親の仲が良く、1歳くらいの頃から一緒に遊んでいたみたいだけれど、僕がその子を幼馴染として意識しだしたのは小5の林間学校の時から。
だから、僕にとっては小5からの、忘れられない幼馴染。

小学生の頃はあの子の方が背が高くて明るくて。
たまに一緒になる帰り道で、恥ずかしがり屋の僕はいつもリードされっ放し。面白い話をする事なんて出来なかったけれど、あの子はいつも笑顔で話しをしてくれた。ただ二人で帰り道を歩く事で、それだけで楽しかった。

置いてかれた中学生時代

中学に入るとお互い部活動や新しく出来た友達で忙しくなり、自然と疎遠になっていった。

そんな中、あなたに彼氏が出来た事を人づてに聞いた。

背は僕の方が高くなったはずなのに、昔より大きく遠く届かない所にいったのだなぁ。もう二度と、一緒に帰る事が出来ない。
すっかり一緒に帰る事なんてなくなった癖に、なんだか妙に悲しくなった。

打ち込んでいた部活も引退し、周りは完全に受験勉強ムード。
図書館で勉強し、一人で帰る事も多くなった。

冬が始まりそうな11月の半ば、暗い帰り道を一人で歩いていたら後ろからあなたの声がした。

「ねぇ、志望校どこなの?」
「びっくりした!!!!え・・・〇高だけど・・・」
「お、同じじゃん!!受かったらまた一緒に帰れるかもね!!」

たったこれだけのやり取りで、
諦めで押し殺していた剥きだしの自分が出てきた。

連絡先を聞かれたけれど、僕は携帯を持っていなかった。
携帯買ったら教えると伝えて、短いやり取りは終わった。

携帯を持っていない事に対して、嫌になる事が多かったけれど、
また喋れると思ったらそれまでの苦しさが帳消しになった気がした。

乾いた心を濡らしてよ

無事僕とあの子の志望校に合格した僕は、卒業式から始めたメールをとぎらせない事だけに頭を使った。

1カ月くらいメールを続けて、やっと僕から誘えたお花見。
前日に雨が降ってしまった時はひやひやしたが、当日はきちんと晴れ、二人で自転車に乗って桜を見に行った。

公園に着くと、君は僕に初めて甘えた。
「ねえ、後ろ乗せてよ。」

あんまり覚えてないけれど、無我夢中でペダルを漕いだ。
ずっと乾きっぱなしだった心に、初めて水が注がれた気がした。
ずっと、二人でいれれば良かった。

終わりの入学式

入学式の日、僕は体育館で君を探した。
朝に送ったメールにはまだ返信がない。

仕方なく、クラス分けが張り出されたボードをしっかり確認した。
どれだけ探しても、君の名前は見つからなかった。

僕は、君の受験結果を聞いていなかった。

そう、君は僕とは別の学校に進学していた。

君からメールがか返ってくる事は、もう二度となかった。

10年ぶりに合った君

社会人になってから初めて開かれた同窓会に参加すると、あなたは楽しそうに友達と喋っていた。
左手の薬指にある指輪が妙に眩しかった。

あなたの前では臆病者になる癖は変わらず、結局あなたに話しかける事は出来なかった。

一次会が終わり、希望者は二次会へという流れになったが、僕は帰る事にした。

一人で地元の街を歩いていると、ついつい期待してしまう。
またあなたが、後ろから僕に話しかけてこないかと。

僕はただ、ずっと二人でいられたら良かった。
「繋いだ手を離さないで」なんて、わがままの一つでも言える僕だったら、
もう少し結果は変わっていたのかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?