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未来の主人公が大人になった歌? ランニングハイ

前回noteに書いた未来に歌詞がリンクしていると考えているランニングハイについて書きます。Mr.Childrenの曲の中でもアップテンポな部類であり、ライブで演奏されるととても盛り上がります。

内面の自分と戦う一番

甲「理論武装で攻め勝ったと思うな バカタレ!」
乙「分かってる 仕方ないだろう他に打つ手立て無くて」
甲「威勢がいいわりにちっとも前に進めてないぜっ」
乙「黙ってろ!この荷物の重さ 知らないくせして」

批判家の甲と、何やらもがいている乙のやりとりからこの曲は始まります。
甲から一歩も前に進めていないと批判されている事から、乙は何かと理由をつけて何も行動していない様に読み取れます。

向こう側にいる内面とドッヂボール
威嚇して 逃げ回り 受け止めて 弾き返す

キャッチボールではなくドッチボールと表現しています。
ドッチボールの場合、相手のボール(発言)に対し受け止める事が出来ない・または避けれなかったら負けのため、甲と乙の会話は勝ち負けが存在する口論である事が読み取れます。

この流れで続く歌詞はこちら。

「もう疲れた誰か助けてよ!」
そんな合図出したって
誰も観ていない ましてタイムを告げる笛は鳴らねぇ
なら 息絶えるまで駆けてみよう 恥をまき散らして
胸に纏う玉虫色の衣装をはためかせていこう

未来の時は誰かの助けを膝を抱えて待っていましたが、ランニングハイの場合は誰も助けにこないと悟っています。

そして、誰も助けにこないなら死ぬまで走り続けてやるというアグレッシブな結論にたどり着いています。

個人的に凄く好きなサビです。助けがこないと悟る事は誰にでも出来ますが、そこから恥をかく事を恐れず走り続ける選択をする事は素晴らしい事だと思います。

結局は欲望に左右される2番

苛々して仕方ない日は
疲れた体を
都合のいい恋にあずけて
終われば 寝た振りして

この部分を読むと、「未来」に出てくる主人公と同じ人種だし、ひょっとしたら大人になった時期を描いているのかな?と邪推します。

自分が助かったら・満足したら寝たふりするのは相変わらず。この後に続く歌詞がこちら。

あれっ 俺ッ 何してんだろう?
忘れた 分からねぇ
太陽が照りつけるとやけに後ろめたくて

必死に忘れようとするも、昼間太陽のもとに出ると自分の行いに責められる。一番のフレッシュな歌詞と比べると随分憂鬱な歌詞が続きます。

この二番を締めくくるサビもまた、哀愁が漂っているんですよ。

亡霊が出るというお屋敷を
キャタピラが踏みつぶして
来春ごろにマンションに変わると代理人が告げる
また僕を育ててくれた景色が 呆気なく金になった
少しだけ感傷に浸った後 「まぁ それもそうだなぁ」

未来の歌詞に、「名前のない路上」と言う表現がありますが、ひょっとしたらそこは開発が進み、金になっているのかもしれません。

過去を思い出させてくれる思い出の場所って、言い換えれば何十年も発展のしない、さびれていく一方の場所という訳で。

思い出の場所が誰の思い出にもならない所よりは、むしろ金になった方が良い。そう悟ったサビなのかもしれません。

櫻井さんからのメッセージ

時代とか 社会とか
無理にでも敵に仕立てないと
味方を探せない 愉快に暮らせないよ

愉快に暮らす≒未来に期待して生きる事だとすると、倒すべき宿敵が居た方がメリハリがつくというメッセージです。

争いが嫌いな人が増えた昨今ですが、幸せに生きるには何かしらの競争に勝ち抜く事が重要で。

争いをしない→未来は今と変わらない→恥をまき散らしても競争して生きよう!!

という意識の高い人の心情を見事にうたい上げた名曲ですね。

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