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我が家のバッカスは、顧客満足度No.1〈カオール/マルベック〉

みなさんは、神を信じますか?

こんばんわ。年中無休で神のご加護を受付中、3000円ワインの民ますたやです。


実家のお墓参りに行くと、うちの父がよく言うんです。

「ます子、ええか。じいちゃんばあちゃんに、よーう頼んどきよ。病気せんと、健康で暮らせますように。はよう妹に、ええ人が現れますように。ます子に跡継ぎが生まれて、わしの田んぼを手伝ってくれますように」――――

じいちゃんばあちゃんって、そんなに万能なんだっけ?

そんな家に育ったから、かどうかはわかりませんが、わたしのなかでの神の取り扱いは、だいたい仏とおなじジャンルなんだな、くらいの実にあやしいものです。

神に謝れ。


さて、そんな、神仏に対して基本的に失礼なますたやですが、唯一「もしかして愛されてるんじゃないか」と、ひしひし感じている神様がいます。

酒神バッカスです。

――なぜか。

思い返せば、2020年5月。コロナ禍によって長引く自粛生活、暗いニュース、張り付くような緊張感と、それとは裏腹の変わり映えのない毎日。経験したこともないような手探り状態の日々のなかで、運命的に引き寄せられたのが、ワインの世界であり、ワインライフでした。

ワインを飲み、ワインを知り、そしてワインを愛していく。

そんな日々を繰り返しているうちに、ふと出会うことがあるんですよね。

ワインの懸賞に

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はい。まずこちら、なんとなく応募したカッシェロ・デル・ディアブロの、ワインとそのペアリングのおつまみの抽選。当選。

続いてはこちら。

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ワイン関連のイベントやコンテンツ、BYOを気軽に楽しめるレストラン情報が豊富にそろったWinomyさんのプレゼント企画、ワインクーラーとリーデルグラス12脚。当選。

南アフリカワイン協会さん主催の『ドリンク・シュナン』ハッシュタグキャンペーンでは、

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シュナンブランのワインを飲んで、シュナンブランが当たりました。まさにサステイナブル。

( ▶ サステイナブルの誤った使い方は、こちらの記事で生まれました )

そして、きわめつけはこちらです。いまや欲しいと思ってもなかなか手に入らない、

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ドメーヌ・タカヒコの、ピノノワール2017。


バッカス、甘やかしすぎじゃない???


神のご加護がありすぎて、沼にはまる一方の2020年。神ってこんなぐいぐい来るんだっけ? 自ジャンルへのお導きすごくない? オタクの友達でももっと控えめだよ??

おかげで課金が止まらないますたや。もはや自分は神の子なのかと勘違いするレベル。神の子は課金をしない

1年ですっかり神の子としての自信とワインへの偏愛を身につけたますたやは、おのれの神通力を試すべく、2021年7月某日、満を持してワインエキスパート試験へとのぞんだのでした。

さて、ここからは涙なしには語れない紆余曲折と、あまたの感動秘話があったのですが・・・それはまた別の機会。バッカスの話、もうすこし続きます。ついて来て。がんばって。


結論、ワインエキスパートの一次試験、一度目は不合格でした。

いやぁ、荒れましたね。正直、目の前が真っ暗になりました。ああこれからまた勉強しなおしか…と。おのれの記憶力との戦いはまだ続くのか…と。試験のシステム上、二度目の試験に落ちたらまた来年、です。

「二度と試験なんか受けない、二度とワインだって飲まない!」などと明日には破られそうな誓いをくちばしり、先に合格した夫にいわれのない悪態をつくなどしていたますたやが、神の子のはずがありません。

実はこのとき、ますたの脳裏には、とあるバッカスへの疑いが生まれていました。

さんざんわたしのことを甘やかし、ぐいぐい導き、積極的にワイン沼に引っ張りこんでおきながら、いざワインラバーとして独り立ちしようとすると、「まあそう焦らず」と押しとどめられる――

え、これ… 詐欺の手口じゃない?

あたし、神の子じゃなくない??

ただのカモじゃない???

バッカスに愛されていると思ったのは、もしかしてただの勘違いだったのだろうか。自分は招かれざる客だったのだろうか。いやむしろ、カモとして招き入れられただけなのだろうか、アルパカなのに・・・!


荒れた心と疑心暗鬼を引きずりながら、それでもわたしはワインをあきらめなかった。

向かった先は、こちら。

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名古屋を本拠地とするインポーター、株式会社稲葉さんの直営ワインショップです。

稲葉さんといえば、重い、濃い、めっちゃうまい の、素敵三拍子がそろう素敵インポーターさん。うちの近所のワインショップでは、ワインの銘柄よりもさきに「それ、稲葉さんだよ」と紹介されます。好き。

もはや恋心にちかい稲葉愛。しかし直営のショップは、名古屋に一店舗しかありません。

「エキスパートの一次試験に合格したら、稲葉でワインを買って祝杯をあげるんだ…!」

そんなまぶしい日々の思い出が、走馬灯のように駆け抜けていきます。泣ける…


さて、店内に足を踏み入れると、そこには一面の稲葉ワイン畑が広がっていました。略して、いなばたけ。はー 天国って名古屋にあったんだ。

どれを選んでも絶対うまいワインショップほど、困るところはありません。どうしたらいいんだ。どれ選んだってうまいんだよ。どれ選んだらいいんだよ。どれ選んでもうまいのに。

困ったますたやは、とにかく店内をつぶさに見てまわる草の根作戦に出ました。

まずは右まわりでぐるりとまわり、続いて左からまたぐるりとまわります。ドイツコーナーをひととおり確認し、ローヌコーナーでひとしきり足を止め、イタリアコーナーでたっぷりうんちくをたれます。楽しいかよ

ははー、これはこれは、またお会いしましたねぇ、先だってはあなたのご親戚の白ワイン様にお世話になりました。あら~、こちらの方は以前お世話になった方の上級キュベではありませんか、いやはや、お目にかかれて光栄です。まぁあなた、こちらにいらしたんですね。どんな方なのか気になってたんですよ、ちょっと今度、ご一緒しません?

いやー、もう、なに? どれも全部うまいやん。おかしい。こんなん目ぇつむってもおいしいのに当たるやん。スイカ割りのほうがむずかしいわ、もういっそ目隠しで選んでやろうか!

「あのー・・・」

「ああぁっすみませんすみません大丈夫ですずっとここに来たかったものでつい興奮してしまってすみませんっ(オタク特有の早口)」

「もしお時間あるようでしたら、お2階へどうぞ」

え? お2階??


不審者丸出しのますたに、お店の方は丁寧にご案内くださいました。なんとこの日稲葉さんの店舗にて、お得意様向けのアウトレットセールが開催されていたのです。もともと予約制とのことでしたが、たまたま空き枠があったようで、ますたやも飛び入り参加させていただけることになったのでした。

おお 神よ、バッカスよ、主はアルパカを見捨てなかった・・・!


このあとお2階では、大変に楽しい時間を過ごさせていただきました。

すっかり神に対しててのひらを返し、ご機嫌のますたや。試験のことなど忘れ、完全にるんるん気分。もう、カモだろうがアヒルだろうがアルパカだろうがなんだっていい。うまいワインが飲めれば、それでいい!


そんな神の采配によって出会ったのが、今回の3000円ワインだったのでした。前置きが長い(すみません)


Lamartine Cahors Cuvee Particuliere 2015 [¥3300 ]

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<ワインdata>

国:フランス(カオール) 種類:赤ワイン 品種:マルベック90% タナ10% ビンテージ:2015 生産者:シャトー ラマルティーヌ インポーター:株式会社稲葉

<バランス>

酸味★★★☆☆ 糖度:★★☆☆☆ タンニン:★★★★☆


エチケットのワインの染みは、アウトレットである所以です。

こちらのワインは、フランスの南西地方、カオールのワインです。カオールといえばマルベック。

グラスにそそぐと思わず「ふふ」と笑っちゃうような、見た目からしてずっしりの赤。これぞまさに稲葉さんの十八番ワイン。黒系果実の華やかな香りに、ヴァニラの風味がふわりと漂います。

よく見るとわずかにふちはオレンジがかっていますが、まだまだ生き生きとしている酸が、6年の年月を感じさせません。ずっしりどっしり重い系かと思いきや、アルコール度数も13.5%と意外にエレガント。最後まで飲みつかれることなく、するすると飲めてしまいました。

この日のペアリングは合いびき肉のハンバーグ。そこに市販のステーキソースをからめます。お醤油の酸は合いそうですが、デミグラスソースなんかよりは、ちょっとフルーツがかったお味のソースがぴったりかもしれません。

はー おいしいワインっておいしいなぁ・・・

なんでワインって飲んだらなくなってしまうんだろう・・・


これから先のワイン人生、ますます稲葉さんにはお世話になることでしょう。またいなばたけにも遊びに行きたい。どうかバッカス、そこんとこよろしく。(神頼み)

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ところで、余談ですが――

「そろそろセラーに寝かしてる、日本メルロー飲みたいよねぇ」

「じゃあ、すき焼きかなあ」「寒くなってきたしねぇ」

などと夫と話していたところ、

今朝、職場に行ったら、こんなものをいただきました。

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・・・バッカス、甘やかしすぎじゃない????


おお、怖い怖い。ワイン怖い。

俺は本当はねぇ、情けねぇ人間なんだ。みんなが好きな饅頭がこわくて、見ただけで心の臓が震えだすんだよ。―― 落語『まんじゅうこわい』より


それではみなさんも、素敵なバッカスとの出会いを! 次の3000円ワインで会いましょう。ますたやでした♪

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ますたやとは:

関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)。夫婦で1本を分けあって飲みます。3000円ワイン以外のワインについては、Vinicaにて夫が更新中。現在は夫婦そろって、2021年ワインエキスパートの二次試験に向けて勉強中です。はやくおいしいワインが飲みたい!

twitter:@3000wine_tami
Instagram:@3000wine_no_tami

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