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祝・三大アルザス○○攻略記念! ~フランス(アルザス)/ピノ・グリ~

世界三大○○!って、あるじゃないですか。
世界三大美女!とか、世界三大珍味!とか、世界三大夜景!とか。

▶ 記事を書く過程で調べたら、ざっと小一時間もどって来れなかったくらい興味深い、世界三大○○一覧。ますたや的には【世界三大スープ ※4種ある】が好きです、4種じゃん!(決められなかったそうです)

この「三大○○!」って、その他の例にもれずワインにもあるんですよね。

たとえば、wikipedia世界三大一覧にも載っている超有名三大○○のひとつ、三大貴腐ワイン(ソーテルヌ、トロッケンベーレンアウスレーゼ、トカイ・アスー)とか。

ブルゴーニュの三大白ワイン(ムルソー、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェ)とか。イタリアの三大赤ワイン(バローロ、バルバレスコ、ブルネッロディモンタルチーノ)とか。

「三大○○」って各地に散らばって存在していて、その真偽はともかくとして、「へ~、そんなに有名なんだなあ!」というわかりやすさと、コンプリートする楽しさをわれわれに与えてくれます。

そう。3つにまとめられると、コンプリートしたくなるのがオタクのサガ。

これが、30個だと、ちょっと気が重いんですよ。

「フランス30大赤ワイン!」だと、8番目くらいから「いったんいいかな…」とか思いはじめそうじゃないですか。かなり強い思いを持っていないと、途中でくじけそうじゃないですか。
だって19番目とか絶対「きみは24位くらいじゃない…?」みたいな、聞いたことないワインに出会ったりするわけですよ。17番と21番の違いなんか、私レベルにはもはやわからないですよきっと。

もちろん、ボルドー61シャトー全部制覇!みたいな、修行僧のようなストイックな飲み方をなさるパイセンがいらっしゃることも承知ですし、そのチャレンジ自体はちょう憧れなのですが、
それはその、なんていうか、こう、庶民にはなかなか登れない山だったりするわけじゃないですか、お財布的にも。

そういう意味で「三大○○!」は、われわれ人類、特にこっち側の人間(オタク)には、たいへんに親切なシステムなのであります。コンプリートしやすいから。


で、ですよ。今回飲んだ #3000円ワイン
なにを隠そう、我が家のなかでとある三大○○に認定されているドメーヌなのです。それが見事コンプリートとなりましたので、みなさんにご紹介することと相成ったのです!

わが家の、三大○○。

それが、三大アルザス黄色エチケット生産者!です!(ご、語感が悪い…!)


三大アルザス黄色エチケット生産者その1[トリンバック]

三大アルザス黄色エチケット生産者の1人目が、トリンバックです。

こちらをいただいたのは、2020年5月。当時はまさに、ワインへの課金をはじめたばかりの時期。ワインを常飲するようになり、ようやく品種と味が結びつきはじめ、エチケットからなんとなく味わいのイメージがつくようになってきた…という時期でした。

こちらのトリンバックリースリング、なんといっても酸の強さが特徴的。香水のような華やかな香りに、シャープなレモン感がみなぎります。強いミネラル感を含んだ複雑な味わいが、余韻となって漂っていくのです。うーん、いいワイン。

しかしこれが、当時の我が家としてはなかなかの曲者だったのでした。
「甘いリースリングはヨシわかった。じゃあ次は、ドライなリースリング、いってみよう!」の段階のわたしの舌にとって、この瑞々しい酸味は、少々面食らう情報量でした。

今飲んでみると、きっともっと違う感覚になるはず…っていうワインは、結構あるんですが、その代表格のひとつが、このトリンバックリースリングです。

でもとりあえず、飲んだぞと。三大アルザス黄色エチケット生産者その1、飲んだぞと。そのような気持ちで、次の三大アルザス黄色エチケット生産者との出会いを待ちわびていました。時よ、来たれ!


三大アルザス黄色エチケット生産者その2[ヒューゲル]

続いて出会った三大アルザス黄色エチケット生産者は、ヒューゲルでした。

こちらのワインの品種は、ゲヴェルツトラミネール。ぶどうで造ったお酒なのに、なぜかライチや白桃の香りがすると言われ、おいしい香水を飲んでるような気分になれる品種です。

ヒューゲルのゲヴェルツトラミネールは、まさにおいしい香水。いかにもゲヴェルツらしいライチやマスカットのような「ぶどうじゃない」フルーツの香りに、ときに「白バラ」とも呼ばれるような華やかな香りが混ざります。

なるほど、おいしい。トリンバックの酸味にちょっとビクついていたアルザス心が、すっ…と癒されていきます。

なるほどアルザス、美味しいな?と調子に乗った我が家は、同じくヒューゲルのシルヴァネルも飲んでみました。

うむ、美味しい。

品種的にはちょっと地味ですが、かつてはアルザスで隆盛を誇った、いわば初期メンのセンター品種、シルヴァネル。

この頃になると、だいぶワインとも知り合いに。むしろ「ちょっとマイナーな品種をおいしく飲めるアタシ」が、無性にカッコよく思えてくるから不思議です。

シルヴァネルを飲みながら「うんうん、アタックは柔らかくさらっとしているけれど、酸味もしっかりしていて輪郭があるね。意外にコクもあるから、マリアージュにソーセージなんて最高だね」とか言ってる自分、好きです


三大アルザス黄色エチケット生産者その3 [ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト]

しかしヒューゲルのシルヴァネル以降、われわれはしばらく三大アルザス黄色エチケット生産者探訪の旅から離れることとなりました。

アルザスワイン自体は飲んでいたんですが、むしろいろんな生産者や産地、ナチュラルワインなんかに浮気しているうち、黄色エチケットからは遠ざかってしまっていたんですね。

なんていうでしょう、RPGの最終ボスを倒す前にちょっと寄り道しちゃうみたいなのって、あるじゃないですか。

行けば終わるのはわかってるし、いつかこの旅は終わるし、いや、終わりを求めてここまで旅をしてきたんだけど、でもなんだかちょっと寂しいというか、これ、行っちゃうと、この旅が終わっちゃうんだな~…みたいな。

冒険の間は、いつもちょっと冒険のことを考えてるんですよ。電車に乗りながら今夜うちに帰ってこなすクエストをメモし、仕事の合間に攻略法を思いつき、就寝時間が1時間くらい押しちゃうんだけど、今だけ、今だけ…って言い聞かせて眠い目をこすりながら過ごした、このひと月。そんな日々が、終わるんだ…っていう。

で、それがちょっと寂しくって、ボス戦に挑む前に意味のないレベル上げをしたり、やり残したクエスト探してみたり、草原をただ馬でかけまわったり、そういうこと、やってみるんですよ。
そうやって無意味に終わりを引き延ばして、でも最後はやっぱり終わるんです。自分の手で、終わらせるしかない。その、大きな達成感と、すこしの切なさ。そう、人生って、そういうものです。

と、いうことで、われわれはなんとしても、三大アルザス黄色エチケット生産者探訪の旅にも、自ら終わりを見つけなければならないのです。


ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト ピノ・グリ テュルクハイム 2018[¥3300]

<ワインdata>
国:フランス(アルザス) 種類:白ワイン 品種:ピノ・グリ ヴィンテージ:2018 生産者:ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト インポーター:日本リカー

<バランス>
酸味★★★☆☆ 糖度:★★☆☆☆ 香り:★★★★★

はい、こちらが三大アルザス黄色エチケット生産者の最後の刺客、ドメーヌ・ツィント・フンブレヒトです言いにくい……!!!

言いにくいですが、でもこれがまた最後の刺客にふさわしい、大変に美味しいワインだったんですよ。よかったらボス戦、読んでってくださいまずは外観から!

じゃん!

いい色~~~~~っ!👏

ちょっと強めの黄色なの、わかります? そっとグラスをまわすと、ワインがグラスのなかをとろ…っと流れていくんですよ。あ~~~、いい。いい粘性。
粘性が高いワインは、あまいか、アルコールが高いか、それか美味しいか、に相場は決まってんですよ、わたしの中で。

そんなわけで香りです、はっはー、いい香りかよ。
まずはしっとりとした白いお花のような香りを楽しみます。それを十分に堪能したら、来ましたよこの、ハチミツ感!

ピノ・グリは表情の幅がとても広い品種です。味は甘口からドライまで、色味も白ワインからほとんど赤ワインのような色までカバーしています。
そのピノ・グリの魅力のひとつが、南国フルーツのような芳醇な香り

トリップしちゃうようなとろんとした香りに、思わず「あ~、いいわ…」と声が漏れます。こんな声が漏れるのなんか、冬に温泉浸かったときか、ばりばりに凝った肩をもまれたときか、そうじゃなきゃあドメーヌ・ツィント・フンブレヒトのピノ・グリを飲んだときくらいですよ言いにくいなあもう…!

このふんわりしっとり系の厚みは、香りだけでなくもちろん味わいにも感じられます。でも、一見豊満な味わいに思えるのに、ちょうどいい優等生の酸が乗っているから、上品に仕上がってるんですよね。うーむ、ボス、やるやん… やっぱ戦いに来てよかった…

味の途中経過にはミネラリーな塩感もあって、余韻にほんのりと苦みが残ります。この重層構造が、個性があるわりに意外といろんな食事に合わせに来てくれるんですよね。

シャルキュトリー風のソーセージとシュークルートを添えて、アルザス気分を堪能した夜。

「っぽい」って、大事!

ついに三大アルザス黄色エチケット生産者探訪の旅は終わり、そして勇者(※わたし)は、また新たなるワインを探す旅に出るのでした――


次はなんだろ… 三大フランス3000円ワインとかかな?(え…… 知りたい…

それでは、ここまでお読みいただいてありがとうございました!また次の #ワ活#3000円ワイン でお会いしましょう!3000円ワインをこよなく愛する3000円ワインの民、ますたやでした(^○^) 今日は休肝日なんですよねぇこんなにワインの話書いてるのに…っ!

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■ ますたやとは:

関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)。夫婦で1本を分けあって飲みます。3000円ワイン以外のワインについては、Vinicaにて夫が更新中。2021年、夫婦でJ.S.A.認定ワインエキスパート取得。夫はワイン検定講師もつとめています。これからもおいしいワイン、いっぱい飲むぞ~!

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