人間関係整理委員会備考【極秘】

森見登美彦の小説を読めば読むほど、その世界観に圧倒されてしまう。逆に私の世界は安定した治安のもと、平穏な生活を送っていると思っていた。

しかし、森見氏ほどではないが、私の周りもよくよく見れば、ロクな人間がいないことに気づいてしまった。

高校時代の友人は、現在哲学を極め、人生の真理にたどり着いたと言っており、もう1人の友人も台湾から脱走して、日本に逃げ込むことができたと言っている。

大学に入れば、その混沌さは一層際立つ。ロックを極め、やたらと指遣いがエロいベーシスト。雪に覆われた中山間地域に住み、アニメと煙を嗜むヤニカス。多数の女性を籠絡し、プロテインと筋トレに対する造詣が深いボディビルダー。考古学を探究するかたわら、ホワイトボードにあらゆる性器を図式化するデザイナー。最近、彼女と会えないのか、やたらと機嫌が悪く、邪気にみちた視線で研究室にいるもの全員を石化するメドゥーサ。などなど。

残念ながら、私の周りにもまともな人間はいなかったようだ。一方で、私自身はどうだろうか。拙著「下半身資本論」の売り上げはうなぎ上りで、今度トークイベントに出席する予定である。また童貞向けの「玩具」をプロデュースし、グッドデザイン賞を頂いた。極めて順風満帆。文句のない出世街道を闊歩している。

「人生にボッキしている100人」にも選出され、コンプレックスだった真性包茎を治すこともできた。あらゆる名誉を頂き、私自身、とても満足している。

今回の記事はいわゆる人間関係をプライベートに抵触しない限り、文字に起こして整理するものだ。あしからず。

ただ最近、我が友人のメドゥーサ君の調子が良くないせいか、彼は誤作動を起こしたが如く、人間関係を破綻させまくっている。

この懸案を解決へと導くため、本日「人間関係整理委員会」を設立することをここに誓う！

場所はベーシストの家でいいだろう。アイツは許してくれる。
持ち物は、悪口を言うための口臭予防として歯磨き粉、後は妄想と夢想と半額の冷凍餃子。

以上！解散！

#エッセイ #妄想