ODEN〜還元祭!〜 台本

※これは8月に公演を予定していた「ODEN〜夏祭りの陣〜」が緊急事態宣言により延期になったため、急遽行われた代替えイベント【はらみか還元祭】用に書いた台本です。


脚本 益永あずみ
演出 はらみか

■登場人物

はらみか
モリマリコ
中井杏奈
ゲスト  ※役名はご本人のお名前のままで。(台本は初日ゲストの【緒方ありさ】さんの名前を使用)

                             

都内にある稽古場。

これから配信イベントが行われるところ。
はら、中井、モリ、台本をみて信仰の確認をしている。

モリ 「てかこの確認、ありさちゃんいないとやっても意味なくない?」
中井 「もう30分も遅刻ですね」
モリ 「ライン既読になった?」
中井 「ならないです」
はら 「あいつ舐めてんな」
モリ 「まあO D E Nだからね。そりゃ舐めるよ」
はら 「なんでよ!」

と、話しているところで、ありさ登場。

ありさ 「おはようございまーす」
はら  「来た。おせーよ!」
モリ  「何してんたんだ、ラインも見ないで」
ありさ 「ごめんごめん、ちょっとこれを買っててさ」

と、お菓子(例えばシュークリーム)を出す。
※台本シュークリームで進めます。

中井  「シュークリーム!」
ありさ 「あんちゃん大好きでしょ!」
中井  「え。知ってて買ってきてくれたんですか?」
ありさ 「そうなの。どうしても差し入れしたくて。ここのすごく美味しいんだよ」
モリ  「私も好きなんだけど」
ありさ 「それももちろん知ってる」
はら  「私嫌いなんだけど」
中井  「嫌いなんですか?」
はら  「え、これ言ったことなかったっけ?」
モリ  「昔食べたシュークリームが腐ってたんだっけ?」
はら  「そう。なんかクリームに黒いブツブツがあって、でもバニラビーンズかなぁと思って食べたら(オェッ)……」
中井  「え、カビってこと?!」
モリ  「気持ちわる」
ありさ 「(爆笑)」 
はら  「笑いすぎだろお前」
ありさ 「その話、何度聞いてもウケる」
はら  「おい、知ってて買ってくるってコイツやばいわ」
モリ  「じゃあはらみかの分食べるね」
中井  「ずるーい。私も2個食べたい」
ありさ 「あ。じゃあ私の食べていいよ。私、昨日も食べたから」
中井  「そんな、いいですよ」
ありさ 「いいのいいの。あんちゃん食べて」
はら  「いいから(台本の確認)やるよ」
モリ  「え、食べたい」
はら  「後にしてよ」
ありさ 「いいじゃん、食べながらやれば」
モリ  「ほら」
ありさ 「むしろ早く食べた方がいいかも。クリーム腐っちゃうといけないから」
はら  「え。じゃあもう、食べながらでもいいいよ。でもちゃんと集中して」
モリ  「やったー。いただきます」
中井  「いただきます!」

と、二人、シュークリームを食べる。
食べながら台本の確認をしていると、突然、

モリ  「う…」
はら  「ん?」
モリ  「う……(苦しい)」
はら  「なに、どうしたの?」
中井  「う…」

急に苦しいともがきだすモリと中井。

はら  「ちょっとどうしたの?!」
ありさ 「大丈夫?!」
はら  「救急車」
ありさ 「私呼ぶ」

ありさ、携帯で救急車を呼ぶ。
もがき苦しむモリと中井。
動揺しまくりのはら。

ありさ 「もしもし救急車お願いします。ここは、えっとどこだ?」
はら  「(住所を伝える)」
ありさ 「×××です。女性が二人、シュークリームを食べた途端にもがきだして…。今、すっごく苦しそうです。うぅうぅ唸ってます。あ、静かになりました。あ、二人とも…」

中井、モリ、死ぬ。

ありさ 「死にました」
はら  「ちょっとまだ死んでないわよ!」
ありさ 「(携帯を耳から離し)いや、死んだと思うよ」
はら  「え?」
ありさ 「毒、入れといたから」
はら  「毒?!?! どうしてそんなことを」
ありさ 「だって、二人いらなくない? 今日のイベントに来るの、私のお客さんじゃん。私のお客さんに二人がカツアゲするのはどうかと思うというか。あ、みかちゃんはいいよ、主催者だから。むしろいっぱい儲けた方がいいと思う」
はら  「ちょっと何言ってるの?」
ありさ 「てゆーかさぁ、みかちゃんどうしてこんなポンコツ二人を下部(しもべ)に選んだの?私と二人でやった方が絶対儲かるよ」
はら 「二人はポンコツなんかじゃない!」
ありさ 「ポンコツだよ。だってあんちゃんは×××(ポンコツな理由)だし、モリマリは×××じゃん」
はら 「ありさは何もわかってない。確かにあんちゃんは×××だけど、でも〇〇○(良いところ)。モリマリも×××だけど、でも〇〇○(良いところ)。それに、さっきから『儲け儲け』言ってるけど、O D E Nは別に儲けるためにやってるわけじゃないから」
ありさ 「別名カツアゲイベントなのに?」
はら 「あんた、モテないでしょ」
ありさ 「は?」
はら 「モテる女は相手に言い訳を作ってあげるんだよ!」

と、はら、動き、スマホを取る。
ありさも同時に動き、包丁か拳銃を出し、

ありさ 「警察に通報するならあんたも殺す」
はら  「……」
ありさ 「うちら女優なんだからさ、二人は自殺だって口裏合わせようよ。で、その映像を配信するの。稽古場で女優二人がまさかの自殺! 映像はちょっとグロいけど、大勢の人が観にくること間違いなし。そして私たちは一気にスターダムへ!」
はら 「あんた、本当に何も分かってない。O D E Nで一番大事なのはお客さんの数じゃない。いや、数ももちろん大事だけど。そんなことよりみんなが、みんなっていうのは、お客さんも、演者も、スタッフも、本当にみんなが一緒に楽しめることなの。心の底から笑える場所を提供することなの!(※など、はらみかの思いを伝えてもらえれば)」
ありさ 「ふん。そんな綺麗事」
はら 「それにあんた、一つ大事なことを忘れてるわ」

と、はら、スマホのボタンを一つ押す。
マイケルジャクソンのスリラーが流れ始める。(流しっぱで)

ありさ 「ん? どうしたの急に。マイケルジャクソン?」

モリ、中井の手足、ビクビクっと動き出す。

ありさ 「え?……」

モリ、中井、まるでゾンビのように立ち上がる。

ありさ 「なぜ?!」
はら  「ふっ。中止になった『O D E N祭りの陣』。私の役は博士。そして二人は」
中井・モリ 「アンドロイド」(ここから二人はロボット強めのアンドロイド役)
ありさ 「はっ!」
はら  「アンドロイド1号2号、このポンコツゲストに『祭りの陣』のあらすじを説明してやって」
中井・モリ 「博士、承知しました」

中井  「そこは今より少し近未来」
モリ  「飛行機事故で愛娘を亡くした博士は娘のアンドロイドを作ろうと、取り出した娘の脳みそを使って数々の実験を行なっていた」
中井  「しかし実験は失敗続き。いよいよ諦めかけたその時、娘と同じ行動パターンや考え方を持つアンドロイドを作ることに成功」
モリ  「しかし記憶の再現まではできなくて、博士は不完全な娘のアンドロイドたちに冷たく当たっていた。そんなある日、アンドロイドの製作発表会があり・・・」
中井  「家族を失い、正気でいられなくなった博士が見つけていく」
中井・モリ 「未来と奇跡のドタバタハートフルコメディー」

はら  「お見事。さすがだわ。この話、11月にやるから覚えておきなさい」
ありさ 「チクショー…」
はら 「さあアンドロイド1号2号、このポンコツゲストをやっつけておしまい!」

中井、モリ、ありさを攻撃。
ありさ「ごめんなさい! 許して! ごめんなさい!」と逃げ回る。

ありさ 「はらみか、わかったからもうやめて!」
はら  「人を殺そうとしたくせに。いいO D E Nていうのはね、ゲストでも容赦しないんだから。アンドロイド1号、3号のスイッチ起動」
モリ 「了解、3号スイッチ起動」

と、モリ、ありさの首の後ろ辺りを押す。

ありさ 「なに?!」
はら  「もしかしてこれも忘れてた? 祭りの陣でのあなたの役」
モリ・中井「アンドロイド3号です」
ありさ 「なんですって?!」

はら、スマホで何やら操作。
ありさ、手足が急にロボットのような動きに。アンドロイドになる。

ありさ 「体が、勝手に…」
はら  「さあ、アンドロイドたち、レッツダンシングタイムよ! スタート!」

はら、スマホを押す。
中井、モリ、スリラーを踊る。
ありさも勝手に体が踊ってしまう。

ありさ 「なにこれ、助けて」
はら 「まだまだ、機能をチェックするわよ」

と、はら、スマホを操作。

はら 「カツアゲモード1!」
ありさ 「『お金ください!』なにこれ『お金ください!』『お金ください!』」
はら 「続いて、カツアゲモード2!」
ありさ 「『あれぇ、ありさの飲むお酒、なくなっちゃった』くそ『あれぇ、ありさの飲むお酒、なくなっちゃった』」
モリ 「『そこのお兄さん、ありさちゃんがお酒、、ないって言ってる』」
はら 「連動したわね」
中井 「『5000はらみか、綴りでどうぞ。5000はらみか、綴りでどうぞ』(※【5,000はらみか】とは?→現金チケット。1はらみか=1円、500はらみかから購入可能)」
ありさ 「なんなのよ一体これは」
はら 「モード3!」
ありさ 「『チェキ買ってくれてありがとう』」
モリ 「『完売しないと泣いちゃう』」
中井 「『ちゃんと全部持ち帰ってね』」
ありさ 「『チェキ買ってくれてありがとう』」
モリ 「『完売しないと泣いちゃう』」
中井 「『ちゃんと全部持ち帰ってね』」
はら 「モード4!」

モード5!」と続いていき、カオスな状態に。
曲の終わり「♪ダン」となったところで、
アンドロイドたちパッと電源offになる。

はら 「(曲のラストの声と一緒に)わーっはっはっはっはっはっ。わーははははは、あはははははははは」

アップで映し出されるはらみかの口の中。
画面真っ暗になり、暗転。

                            (完)



※こんな台本ではございますが、無断で使用、転載することを一切禁止させていただきます。ご了承ください。



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