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暮らすこと、食べること、生きること。映画『土を喰らう12カ月』

映画に出てくる、土井善晴先生の料理が話題。気になってた。年末年始慌ただしく、家族で順に陽性となり寝込み、ようやく鑑賞。

さっと水にとった、茹でたほうれん草の美しさ。かまどで炊いたごはん。ちょっと失敗したおこげも美味しそう。梅干し、おつけもん、お味噌。自分でも仕込む、ふつうのもん。だが、映画で観るそれらは、生き生きしていた。

最近楽しみに観てるNetflixドラマ『舞妓さんちのまかないさん』のきよちゃんと、ツトムさんが重なる。

生命力に溢れた自然。料理。料理は美味しそうに食べてもろたら、作り手はなお嬉しい。無邪気に美味しそうにツトムの料理を頬張る、えらい歳の離れたツトムの担当編集者で恋人の、真知子。山村でツトムに美味しいもん食べさせてもらうのは至福だが、仕事も手放せない。

好きなひとと食べるごはんはおいしいと言いながら、ツトムはひとりで生きることを選ぶ。
妻とその母の遺骨を家の中に置き、死を身近に感じながらも、突然死神が自分のところに来たら、死ぬのはこわいと言い続ける。

生きること、死ぬこと。
二人でいたい、ひとりでいたい。
一緒にいること、離れること。
矛盾するふたつは、いつも同時に存在している。

メガネに質素な服装。
ある作家と結婚することをツトムに告げにきたマチコは、真っ赤なスーツに黒のロングブーツ。なめたけがとれる山には不似合い。そして、ツトムとも不似合い。赤いスーツの世界を選んだいうことやなぁと、彼女を観ていて思った。

「料理は好き嫌いではない」と私の友人が言った。

ひとが暮らすこと、生きることを
好き嫌いで括れないように。

映画はぐるっと1年をまわる。
同じなようで、同じではない、新しい1年がまたやってきた。


Filmarksという映画サイトに書いた感想。これはnoteにも残しとこうと思い、そのまま転載。

映画観た帰り、本屋へ寄って。迷って買わず、やっぱり買うたこちらの書籍も読み始めている。


美味しいはしあわせ「うまうまごはん研究家」わたなべますみです。毎日食べても食べ飽きないおばんざい、おかんのごはん、季節の野菜をつかったごはん、そしてスパイスを使ったカレーやインド料理を日々作りつつ、さらなるうまうまを目指しております。