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赤べこカレシ

女性の話をなんでも「ウンウン」と聞いてくれる男性はモテるらしいです。
私はちょっとそれどうなの?と思ってモヤモヤしてしまいます。
今回は、そんな私のモヤモヤをバッサリ解消してくれた友人 A くんのお話をご紹介します。

【 A くんの場合】

A くん。
彼は、板前の息子かつヤンチャしてた時期がある人で、悪く言えば前時代的な価値観…というか信念を持っています。
東北出身で、比較的口調も荒く聞こえますが、物事を筋道立てて考えられる人物です。
竹を割ったようなハッキリした性格で、私は人として好感を持っています。

今回のお話は、この A くんが現在の奥さんとの口論の中でのことです。

ちなみに、今までの経験談もそうなんですが、個人を特定できないように様々な箇所を脚色しています。

【赤べこ】

A くんの奥さんも、典型的な「黙ってウンウン話を聞いてほしい人」だったそうです。
A くんはその気持ちを汲んで、愚痴やオチのない話はウンウン聞いていました。
あるとき、奥さんの転職候補の職場について迷っていて、そのことを A くんに相談しました。
「相談」の時点で、ウンウン聞いてもらうのを期待するのが間違ってると思いますが…。
A くんは相談された候補の会社についてその場で調べ、求人票と照らし合わせてみたところ、どうもあまり良くなさそうでした。
私もさらっと聞いた感じ、いかにも怪しいというか…奥さんも世間知らずな一面があるのでしょう。
そこで、「慌てる気持ちはわかるけど、俺の稼ぎでも食ってくぐらいはできるから、もう少しじっくり探してみたら?」と言ったそうです。
おそらく奥さんの中では、そこに応募することを決めていたのでしょう。
ふてくされたそうです。
「少しは寄り添ってほしい」と。
個人的には、「初めから答え決まってるなら相談じゃないじゃん」としか思えません。

A くんはそれで堪忍袋の緒が切れました。

「いつも聞いてっぺ!そんなに肯定してもらいたいのか!だったら赤べこでも買ってきてやっから、それに話せばいいべ!そこに並べてやっから!大大中中小小小ってよぉ!」

彼の言葉の勢いを、そのまま文章にパッケージできないのが悔しいです。
大大中中小小小の語呂の良さ。
なぜ小だけ 3 つなのか。
赤べこに謝れ。
いろいろな考えが頭の中に湧いてきて、爆笑してしまいました。

▼ 赤べこ ▼

福島県会津地方の郷土玩具。
首がカクカク動きます。
ウンウンしてくれます。


【 A くんの真意】

それを聞いて、さすがの私も少し心配になったので、「それで奥さんとケンカにならなかったの?」と聞いてみました。

もちろん彼もちょっとしか鬼ではないので、真意をちゃんと伝えたそうです。

「なんでもかんでもウンウン言ってもらえたら嬉しいのはわかるよ?そりゃあ気持ちいいべ。
でもな、そうやってウンウンそうだねつらかったねヨシヨシなんてやってる男は、いざという時もつらかったねヨシヨシで終わらせて逃げっかんな!
そんな男に問題の解決なんかできねーぞ!」

奥さんはそれを聞いて納得し、無事別な職に就いたそうです。

東北訛りをそのまま書いているからキツく聞こえるし、偏見っぽいですが、その通りだなと思いました。
思い返すと、私の周りにいた「ウンウン聞いてあげる派の男性」って、どこか優柔不断だったりことなかれ主義だったりで、決断が苦手そうな印象の方ばかりでした。
A くんが言うようにいざとなったら責任から逃げるタイプだったし、私としては人としての魅力をあまり感じませんね。

確かに、ウンウン聞いてくれる男性って「いい人」っぽく見えますけど、「都合のいい人」なんだろうなと思います。
都合よく無責任な慰めの言葉をかけたり、逆に都合いいときだけすり寄られたり。

話を聞いてあげる / 聞いてもらうというのは大切ですが、やはり線引きは必要だと思うのです。
だから「女性は話を黙って聞いてもらいたいもの!」みたいな話を聞く度にモヤモヤしてたんでしょうね。
見えてる地雷を踏みそうな人に忠告するのと、地雷を踏んで下半身が吹っ飛んだ人に「ウンウン、痛かったねヨシヨシ」で済ませる人。
優しいのはどちらなのでしょう?


ちなみに

私と友人たちとの間で、そういった男性のことを「赤べこカレシ」と呼ぶようになったのは言うまでもありません。


以上
本日はこの辺で。

ありがとうございました!

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