上見ても下見てもキリはないが
「自分より優れた人を見て妬む」
「自分より劣る人を見て見下す」
これらは良くないこととされていて、大筋では同意します。
しかし、昨今「他人と比べること」そのものが良くないという言説をよく見かけますが、それには疑問です。
私は、むしろ必要なことだと思っています。
受けたテストが 68 点だったとしましょう。
この点数がいいか悪いかと聞かれたら、私は「わからない」と答えるでしょう。
なぜなら平均点 ( 中央値 ) がわからない以上、比べようがないからです。
仮に、平均点が 50 点だったら、悪い点数とは言い切れませんし、テスト自体が難しすぎた可能性があります。
逆に、平均点が 80 点だったら、残念ながら悪い点数ということになります。
この後の文でも、テストを例に出していきますが、社会人に置き換えるならば、「自身の市場価値」ということになるでしょうか。
社会人は学生と違って、テストのような目に見える点数で評価されることが減るから難しいですね。
資格の試験ぐらいですかね。
前項のように、周りと比べれば優劣はハッキリします。
68 点は 70 点より高い点数だと言う人は限りなく 0 に近いでしょう。
と、言っても、これはあくまでそのテストに限った話であって、絶対的な優劣の話ではありません。
点数が良かったなら、努力の方向が間違ってないであろうことを示唆します。
点数が悪かったなら、改善ポイントのヒントを得たことになると思います。
概ねこのどちらかの結果になるとは思いますが、その現実から目を背けるのは良くないです。
別に点数が悪くても死ぬわけではありません。
改善すればいいだけです。
1 番良くないのは、「 ( 点数は悪いのに ) それでもがんばった!」と、自分を誤魔化すことです。
点数が悪かったのは、やった努力が無駄なのではなく、やり方や方向が間違っていただけなので、修正すればいいのになぜ誤魔化すのか……
「他人と比べるのは良くない!」みたいな論調は、その誤魔化しを助長しているようで怖いのです。
臭いモノに蓋をしても部屋からなくなるわけではありません。
いつか部屋が臭いモノでいっぱいになってしまいますよ。
昨今「人と比べるのは良くない!」と言われるのは、大きく分けて以下の 2 つの観点からでしょう。
① 自分を追い詰めないため
② 他人への礼儀みたいなもの
まず ① に関してですが、他人と比べるから追い詰められるのではなく、掘り下げが甘いのが原因だと思います。
数学のテストの点数が悪かったとしましょう。
苦手教科なら対策をする……勉強の仕方から見直す必要があることもあるでしょう。
あるいは、「数学がどうにもならないから英語を頑張る」といった代替案を出すのも有りでしょう。
もしくは、そもそも進路を見直すというのも有りかも知れません。
要するに、正しい努力あるいは自分に合った努力の方法を知らないからツラいし解決しないのです。
② についてです。
「見下すのは失礼」とか「妬むのは良くない」とか、そういったものですね。
こんなもの、表に出さなければなんの問題もありません。
隣の芝が青く見えてるのに、「いーや!黄色だ!」と思い込もうとするほうが、よっぽど精神衛生上良くないと思います。
自分のとこの芝も青くすりゃいいんですよ。
また、表に出そうと出すまいと、どう捉えられるかなんていうのは、相手次第です。
どうやってもコントロールできないことなのです。
見下してるのを表に出していれば、そりゃあ嫌な印象になるのは当たり前ですが。
( 平均 50 点?!なら 私は 68点だから、まあマシか……ああ、良かった! )と内心思ってるだけなら、なんの問題もありません。
結局のところ、他人と比べることが悪いのではなく、効果がない or 逆効果な比較をするのが悪いんです。
自分の現在地の確認のために、上も下も見たほうがいいのではないでしょうか?
私はそう思います。
以上
本日はこの辺で。
ありがとうございました!
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