歩き遍路の話32 この日はサラっと、明日に備えて
11月16日
6番札所・安楽寺~7番札所・十楽寺~8番札所・熊谷寺~9番札所・法輪寺~10番札所・切幡寺~11番札所・藤井寺~旅館吉野。
この日歩いた距離は、約28キロ。
この法輪寺の前にあるお茶屋さん、というか土産物屋さんなのか、昔ながらのお店の佇まいで、とてもあたたかな雰囲気だった。
店先を眺めていると店の奥さんがお接待にお茶と鳴門金時の焼き芋を出してくれた。
最近歩くペースがかなり早くなってしまって、あまり距離が長くない日だと、何も考えずに歩くと宿のチェックイン時刻よりかなり早く着いてしまうことがある。だからここで少し休んでいこうと、意識的にゆっくりすることにした。
ここの奥さんはどうやら話好きらしく、とてもにぎやかなマシンガントークで会話が盛り上がったのをうっすら覚えている。
お遍路さんと見るや否や、がんがん話しかけてくる人がたまにいる。基本的に終始ひとりで歩いているので、やはり人と会話するのは元気が出るのだが、あまりに長いと疲れてしまう。
どこだったか、真夏に高知を歩いていたときに、家の前でおばあさんにつかまり、炎天下で1時間くらい立ち話、それも同じ話を3ループくらいされたときは、さすがに参った。
でもそういう人たちって、普段の生活であまり人と交流してないんじゃないかなと思った。人と話すの、若い人と話すの、楽しいし嬉しいんだろうなぁ、と接していて感じることがしばしばあった。
自分のおじいちゃんおばあちゃんとも、もっと会話したほうがいいよなぁ。とも思いながら、あんまりしないんだよなぁ。おばあちゃんはするけど。
さて、この茶屋の奥さんはマシンガントークだったけれども、そこまで疲れる感じでもなく、私は出るときに自家製の干し芋を購入。道中のおやつ。
途中、ルーマニア人のお遍路さんと知り合って、お昼を一緒に食べた。年齢が少し下くらいの男性。同じ遍路なのに、お接待だと言って、おごってくれた。
そのあとは彼と一緒に歩く。いろんな会話をしながら。
その日の宿は、11番札所の近くにある旅館、次の12番札所・焼山寺のふもとにある。11番札所を打ってから、旅館にチェックインした。たしか宿もルーマニア人遍路と同じだった気がする。忘れたが。
明日は「遍路ころがし」と呼ばれる難所、焼山寺に登る!!
歩き遍路をスタートしたら、だいたい3日目に、12番札所・焼山寺に登ることになるのだが、焼山寺はそんなスタートしたばかりのお遍路さんたちを泣かせる「遍路ころがし」と呼ばれる難所。かなりキツイと聞く。
私はびびっていた。いくら、高知、愛媛、香川をずっと歩いてきたといっても、難所となると、果たしてどれだけツライのだろう…!と。
この日泊まる宿は焼山寺の登山口のすぐ手前にあるので、お遍路さんたちの定番の宿だ。ここに泊まれば、翌日の朝一から焼山寺にのぞめる。山道にはもちろんコンビニなどはないので、朝、旅館の人が昼ごはん用におにぎりを持たせてくれるのも有難い。
ここでゆっくり休んで、明日に備えます。
さて、次回はついに難所・焼山寺へ登ります!
ひとつ、私のトラウマになりそうなことが起こりました。(気にしすぎか?)
今回も読んでいただいてありがとうございました!
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