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福岡伸一著「動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか」

動的平衡


コロナ禍により(あまり変わらないけど)まとまった時間取れるようになったので、知識・アイデアのインプットも兼ね読書に充てる時間が増えました。

連日のニュース報道に触れ、生命について考える事も多くなりました。
Tooが絶対すきだよとおすすめしてくれていたのになかなか読み進められていなかったこの本のページをめくることにする。

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福岡伸一「動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか」

「動的平衡」とは…
大雑把に説明すると、変わらないために変わり続けること

宇宙には「エントロピー増大の法則」という大原則(形あるものは崩れ、光っているものは錆び「整った状態」は「乱雑な状態」の方向に動く)があり、それは生物にとっても同じ。
そのままの状態であれば酸化(=老化)などの脅威に晒されてしまう。できるだけ長く生きるためには絶え間なく変化をしていかなければならない。

生命体とは、生きるとは
生物と無生物の境界ってあるの?

健康食品・美容サプリのカラクリなど日常生活に近いものから、細菌とウイルスの決定的な違いについてなどいろいろな疑問についいてとても分かりやすく、興味深く教えてくれる一冊です。

特に、まぁ…こんなときだからだけれど
ウイルスについての記述は本当に役にたつと思うので、是非読んでみていただきたい。
平たくいうと、ウイルスってめっちゃ空気読めるヤツで、相手によって順応するスキルが半端なく高い。
でもって、元々人間の体にあった型であるから、宿主の人間と接触したときに人間の体の方もそれを受け入れてしまう。で、体内でどんどん増殖してしまう。。。
だから、接触はやめましょうねっていうことなんだ…と納得。
(詳細は是非、書籍で読んでください)

みんな、STAY HOMEだよ!

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こんな記事も見つけました
以下朝日新聞デジタルより抜粋
https://www.asahi.com/articles/ASN433CSLN3VUCVL033.html

「ウイルスは撲滅できない」福岡伸一さんが語る動的平衡
ウイルスとは電子顕微鏡でしか見ることのできない極小の粒子であり、生物と無生物のあいだに漂う奇妙な存在だ。生命を「自己複製を唯一無二の目的とするシステムである」と利己的遺伝子論的に定義すれば、自らのコピーを増やし続けるウイルスは、とりもなおさず生命体と呼べるだろう。
しかし生命をもうひとつ別の視点から定義すれば、そう簡単な話にはならない。それは生命を、絶えず自らを壊しつつ、常に作り替えて、あやうい一回性のバランスの上にたつ動的なシステムである、と定義する見方――つまり、動的平衡の生命観に立てば――、代謝も呼吸も自己破壊もないウイルスは生物とは呼べないことになる。
しかしウイルスは単なる無生物でもない。ウイルスの振る舞いをよく見ると、ウイルスは自己複製だけしている利己的な存在ではない。むしろウイルスは利他的な存在である。

今、世界中を混乱に陥れている新型コロナウイルスは、目に見えないテロリストのように恐れられているが、一方的に襲撃してくるのではない。まず、ウイルス表面のたんぱく質が、細胞側にある血圧の調整に関わるたんぱく質と強力に結合する。
これは偶然にも思えるが、ウイルスたんぱく質と宿主たんぱく質とにはもともと友だち関係があったとも解釈できる。それだけではない。さらに細胞膜に存在する宿主のたんぱく質分解酵素が、ウイルスたんぱく質に近づいてきて、これを特別な位置で切断する。
するとその断端が指先のようにするすると伸びて、ウイルスの殻と宿主の細胞膜とを巧みにたぐりよせて融合させ、ウイルスの内部の遺伝物質を細胞内に注入する。かくしてウイルスは宿主の細胞内に感染するわけだが、それは宿主側が極めて積極的に、ウイルスを招き入れているとさえいえる挙動をした結果である。

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……やばい、超エモい。
理系の本でこんなに魂揺さぶれたのは久しぶりで、うまく伝えられない感動に打ちひしがれています。
「動的平衡2・3」「生物と無生物のあいだに」等々読み進めていこうと思います。

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