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ジブリパークの中にでも来たかのようなノスタルジックな・・・

今日は愛知県豊田市にある鉱山に訪れた。この辺りは陶器自体のことを瀬戸物と呼ぶ程に焼き物が盛んな町なので、土を採掘する場所はたくさんある。ここで採れた土は焼き物だけでなく左官の土壁にも塗ることができる。今回は勇建工業の加村さんの案内で、土の工場を見学させていただいた。写真の機械はまるでジブリパークの中にでも来たかのようなノスタルジックな雰囲気がある。現代アートと言われればそうも見えてしまうよううなものだけど、これは土を細かく砕いて篩にかけ、袋詰めするための機械である。左下の方に見える糸巻きは最後に袋を縫うためのものだ。袋はいろんな種類のものが置かれていたが、まあ土が入ればなんでも良いのであろう。こういうルーズさが、パッケージラベルの美しさで商品価値を高めようと躍起になっている建材メーカと比べて心地よい。

それにしても土は本当にただの土である。これを篩にかけ細かくして藁と混ぜることによって、あんなにも味わい深い壁に変化するのだと考えると、昔ながらの土壁というものは本当に素晴らしいと感心せ得ざるを得ない。古い土壁は合成樹脂などの余計なものが混入していないので、丁寧に解体すればまた新しい壁に塗ることができる。もう一度人間の役に立つこともできれば、そうではなく元々のただの土に還ることだってできるのだ。そういう自然の素材だからこそ、土壁の部屋に入るとまるで森の中にいるような感覚を感じるものだ。それもそのはず、その空間を構成する要素は木と土だけなのだから。

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