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持続化給付金、「同意事項」を読みましたか?

昨日から開始された「持続化給付金」。
中小企業や個人事業主を対象にした「事業全般に広く使える給付金」です。
中小企業なら最大200万円、個人事業主なら最大100万円が給付されます。

非常にありがたい制度で、多くの企業や個人事業主が初日から申請し、アクセスが集中してつながらない、という声も多く聞かれました。
その一方で気になるのが、みなさん内容を理解して申請しているのか、ということです。
給付されるのだから申請すればいいのだ、というわけにはいきません。

本当にお金が振り込まれるのか、どこの口座に振り込まれるのか、どこを見てどうやって確認しますか?

仮登録画面に表示される同意事項

今回の持続化給付金の申請画面は非常にわかりやすく作られています。ドメインが「go.jp」でないことは気になるところではありますが、最近は政府系の補助金などでもこういうものは少なくありません。

問題なのは、このページにある「申請する」ボタンを押した先にあります。このボタンを押すと、仮登録情報入力画面に遷移します。
ここで事業形態とメールアドレスを入力するのですが、そこに「申請にあたっての同意事項」があります。
申請する人は、当然この文章を読んでいるはずですよね?

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この赤で囲ったところがポイントです。今回の給付金は「中小企業庁」→「事務局」→「中小企業・個人事業主」に振り込まれるようです。
ここで、「本申請要領第5章(3)⑩で提出した口座に振込を依頼します」とあります。では、「申請要領」を見てみましょう。

以下のダウンロード画面をみると、申請要領のファイルがあります。ところが、「申請要領」に第5章はありません

スクリーンショット 2020-05-02 11.47.06

他のファイルである「申請規程」をみると、こちらには「第5章」があります。例えば、個人事業主向けの申請規程には第5章(3)⑩に次の記載があります。

⑩申請者本人名義の振込先口座に関する情報

なるほど、これの誤植かな、と思いきや、中小企業向けの申請規程を見てみましょう。第5章(3)は次のように書かれています。

(10) 対象月
(11) 対象月の属する事業年度の直前の事業年度の事業収入
(12) 対象月の月間事業収入、2019 年の対象月と同月の月間事業収入
(13) 法人名義の振込先口座(法人の代表者名義も可。以下同じ。)に関する情報

そう、⑩は「対象月」で、口座情報とは関係ありません。実際は(13)だと思われます。

まとめ

初日から多くの方が申請し、「申請完了した!」とTwitterなどで投稿されていますが、そもそもどこに振り込まれるかわかって申請しているのでしょうか?
振込先についての「同意事項」の内容が正しくないにも関わらず同意してしまっている…
100万円、200万円という金額が動く可能性があるのに、同意事項すら読まずに同意して申請する、というのは問題だと思います。

もちろん、このような非常事態で経済産業省、中小企業庁の方々は非常に大変な思いをされている中ではありますが、「契約」や「同意」、「利用規約」などを読まずに進める、というのはリスクがあります。

普段から気を引き締めて、このような内容に必ず目を通し、チェックするようにしましょう。


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