心を守るために、時には鈍感に
もうすぐ36回目の誕生日を迎えます。
2年連続緊急事態宣言で世の中はしっかりお通夜モード。
いいもん……家でぼっち飲みを楽しむもん……。
そう思って安酒を漁るために近所のスーパーへ。
すると、お気に入りのいつものチリ産の白ワイン(400円ちょい)がないじゃあないですかぁ……!
安酒のも嫌われちまったぜ……。
がっくりして目線を落としたその先にルーマニア産のオレンジワイン(1,000円ちょい)が!
オレンジワインがこの価格? 日欧EPA、万歳だぜ!
そんなわけで即購入をしたわけですが、1つ問題が。
このおしゃれなワインにふさわしいグラスがねぇ……!
実は私、缶入りのアルコールはそのまま、瓶入りのものはプラスチック製のタンブラーで飲むという、本当にただアルコールを摂取したいだけの人間なのです。
でも誕生日だし、大人だし、世の中に合わせて雰囲気をおろそかにしてはいけない!
そこで実家に2つセットのグラスセットを置きっぱなしにしていることを思い出し、帰った際に回収してきました。
その際ですよ。母に、
「誰か来るの?」
と聞かれましてね。
彼女も私の母親を36年近くやってますから、私がお行儀よくグラスで飲む人間でないことは承知してるんですよ。
だから、それ相応の手間(というほどでもない)をかけるなら、自分一人で飲むのではなく、誰かがいるに違いない。
そう思ったのでしょう。
でも私は彼女の発言をもう一段深堀してしまうのです。
「誰か来るの?」=「彼氏できたのかな?」=「結婚するのかな?」=「待望の初孫かな?」
と思っているはずだ!
一段どころじゃなかった!
両親は私に対し、直接的に結婚しろという価値観を押し付けたりはしません。
でも時々、言葉の端々からそういった願望を感じ取れるのです。
ゆえに、今回の「誰か来るの?」といった何の変哲のない質問も私は必要以上に勘繰り、一人静かに「一人でいたいんじゃ~迷惑はかけないから放っておいてくれ~」と心の声を押し殺すのです。
いや待て、もしかしたらこれは私の被害妄想かもしれない。
私の想像から生まれた仮想苦痛なのだ!
そうだ、数年前に「これ……」と理由も告げず突如渡された、大人気恋愛スポットとして有名な東京大神宮のお守りも、ただの健康祈願だったに違いない!
きっと世にはびこる私の心の安寧を脅かす発言の数々は、私に由来するものなんでしょう。
想像力に欠けると、他人への配慮がなくなったり、危険をあらかじめ取り除くことができなかったりと、悪いことしかないものだと思っていました。
でも、悪い方向に働かせ過ぎるくらいなら、自分の心を守るためにも鈍感になる必要があるのかもしれません。
まぁ、両親が私の結婚や孫を望んでいるのは悪い妄想ではないのですが……。
孫を抱っこさせてあげられないのは申し訳ないけど、善良な人間であるようにするから許して~。
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