見果てぬ夢 Groups Day 3|2021 Mid-Season Invitational|DFM vs DK


 夢を見ていた。


 見果てぬ夢だったC9を撃破し、夢を現実のものとした翌日。

 一つの、途轍もなく巨大な壁を乗り越えたDFMに立ち塞がるは昨年Wolrdsの優勝チーム、DAMWON KIA GAMING。

 天上の存在。このチームを何と形容するかと問われれば、そう答えるだろう。"格"が違う。そう言い様がないチームだ。

 初日、悔しい敗北を喫したInfinity Esportsが、激闘の果てに打倒したCloud 9が、1個のタワーすら破壊できなかった完敗を喫した。日本よりも格上のチームでさえこれなのだ。


 勝つなどと"夢物語"。それほどまでの存在なのだ。

 

 せめてキルは取ってほしい、なんとか噛み付いてほしい。通常ならば、応援する立場が言えば咎められるであろう言葉だが、この対戦においては皆が同意するだろう。なんせ、世界最弱とまで嘲笑われる日本と、世界最強とまで讃えられる韓国の対決なのだから。


 ――夢を見ていた。


 序盤から最後まで奮戦し、有利を勝ち取り続け、他のチームが果たせなかったタワーを破壊し、果てにはバロンを3回も獲得し、トップ・ミッドのインヒビターを破壊し……ネクサスタワーをも破壊した。

 DAMWON KIA GAMINGのライバル達が集うLCKのチームでさえも、これを成し遂げたチームは数少ないというのに。


 "世界最弱"が、"世界最強"の喉元まで刃を突き付けんとしていたのだ。これを、夢と言わずして何というのだ。


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――夢を見ていた。


 Canyon。Eviの渾身のデスグラインダーが、Ghostに突き刺さり、勝利への栄光の道へ向かわんとしたところに、漆黒の盾が阻んだ。そして、あと一歩で掴み取れたはずの勝利をも。


 なんということだ。


 Cloud 9を打ち倒すという見果てぬ夢を現実のものとした後、また新たなる悪夢を見せつけられるとは。


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 だが、新たな夢ができた。

 世界最強のチームであるDAMWON KIA GAMINGに、打ち勝つという見果てぬ夢が。

 これを見果てぬ夢と言わずして何というのだろうか。


 世界最強に、あと一歩のところまでその脚を踏み入れたのだ。

 ならば、次は踏破するだけだ。



 私は、また見果てぬ夢を見る。



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