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繰り上げPの音MADアイデア講座・音声編

RTAにも使える!効率的な音MAD制作のしかたについて解説します!
流行のタグに乗りたいけど、作るスピードが遅いというあなたに!
さっさと作って!うpしてから!それから考えよう!

そのための省力化技術や発想とかの講座です。例を使ってわかりやすく解説しますが、あくまである程度音MADを作ってきて一通りの作り方はわかるよって人向けです。

文字数も軽く7000文字は超えてますので太字だけ読んでも良いかもしれないです。

それじゃあ、はじめますよ!

■ まずさいしょに

そもそもお前誰やねん。ってなるので自己紹介から。

こんにちは!ニコニコ歴11年目に突入した”ますたー。”です。
たべるんご界隈の方なら「繰り上げP」と呼ばれてるRTA走者と言えばわかるでしょうか??

今、世の中ではメカPさんやバチさんやんギョPさんとかが人力VOCALOID講座を公開してますね!
その流れに乗ろうとしたわけですが、自分の得意分野はなんだ??ということになると音MAD主体な動画となるわけです。
すごい動画にはなかなか勝てないからネタと発想とスピードで勝負するしかないね。

たとえばこういうやつ↓

見事なゴリ押しです。でもしっかり3分も続いてるね!

人力VOCALOIDとかは上手い人がいっぱいいるからそっちに任せて、音MADに絞って解説していきます。(人力は必要とされたらそのうち書く)

■ 音MADにどんな要素があったらいい?

そんなこと言って論理的に考えるより、まずは「自分でこんなの作りたい!」っていう欲求に全面的に従いましょう。

あたまからっぽにして音MADつくりましょ。

でも行き詰まることなんてザラにありますよね。

そういうとき、自分はこういうことをしてます

・繰り返し部分を活かす
・ゴリ押し
・元素材を活かす
・課題曲をぶちこむ
・テンプレに従う

これだけじゃなんのこっちゃですね。なので1つ1つ説明していきます。

・繰り返し部分を活かす

繰り返しを活かす?どういうことだ?というあなた!

この項の要点は

・意外にコピペは使える!
・気に入らない!と思った部分は積極的に変える!
・統一感のあるリズムを崩さないように気をつける

です!

まずはこちらを御覧ください。

たーべるんごー たべるんごー
やまがたりんごをたべるんごー
おいしいりんごをたべるんごー
いっぱいたべるんごー(ンゴー)

たーべるんごー たべるんごー
やまがたりんごをたべるんごー
あーまいりんごをたべるんごー
もりもりたべるんごー(ンゴー)

こいつはりんごろう(ンゴー)

はい。なんの変哲もないたべるんごのうたですね。

ここから「繰り返しを活かせる部分」を太字にして抜粋します。

たーべるんごー たべるんごー
やまがたりんごをたべるんごー
おいしいりんごをたべるんごー
いっぱいたべるんごー(ンゴー)

たーべるんごー たべるんごー
やまがたりんごをたべるんごー
あーまいりんごをたべるんごー
もりもりたべるんごー(ンゴー)

こいつはりんごろう(ンゴー)

ほとんどじゃねぇか!ちくしょう!

実際コピペしてかるく音合わせするだけでも十分ですよね。特に素材が少ないとこうなりやすいですが…

コピペして足りないな、使える素材があるなって思ったときに変えれば良いのです。


これは後で説明する他の要素も混ざってますが、リズムを大事にしてコピペをしただけで動画が一本できます。たべるんごすごい!

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そしてこちらが上記の動画の出来上がったタイムラインの一部になります。
(REAPER v0.999いつまで使ってんだボケナス!っていう意見はなしで)

これじゃあわかりにくいので拡大します。

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「たべるんご たべるんご」という最初のフレーズだけでももうコピペされてます。

「べるんご」の部分を比較してみるとわかると思いますが、リズムさえ合ってれば多少コピペしたところで問題はないですよね?
「た」の音も長さをいじるだけで十分ですし。そんな気にするほど引き伸ばすわけでもないのですから。

何度も言いますが気に入らないなら変えれば良いのです。

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そして変えたのが顕著に現れているのがこちらです。(上記動画0:31~)

あかりんごは「んご」という語尾を多用します。つまりそれだけ「んご」という素材がいっぱいあるわけです。


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① たべるんごというたくさん繰り返されるフレーズの最後の部分
② ンゴーという少しだけ(数回)繰り返されるフレーズ
③ 1回しかないイレギュラー、動画の一番最後のンゴー

それぞれ波形が違いますね。こういうのは耳で聞いて耳障りの良いものを合わせる必要があります。
そもそもキャラや人の言葉というのは、元のセリフのテンション、そもそも前に繋がっている言葉、込められた感情…なんていろいろな要素が入り込みます。

文字面は同じ「んご」でもこんなに波形が違いますから、これらを耳で選択するんです。

そして①、②とも繰り返しに含まれる部分ですが、全く同じだとつまらないので別にしました。

③は動画の最後、オチの部分となるわけですから、ちょっと変えてかわいいボイスを入れました。まああかりんごぜんぶかわいいんだけどね

ここで変える際にはもともとの統一感のあるリズムを崩さないように気をつけることが重要です。せっかくコピペしたんですから、その特性を活かしましょう。


・・・・・・BB配布すればもう1周繰り返せるな!


・ゴリ押し

でたよ。とりあえずさっきのこの動画より。

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そしてこれがその動画のタイムラインだけど、元曲ってところと赤で塗りつぶした部分以外はほぼ同じ素材しか使ってないです。やばいですね☆

で、こういうゴリ押しには何が重要なのかと言うと

・素材をよく聞く
・素材を加工する(必須)
・リズムをしっかりあわせる
・素材を刻む
・音合わせをする
・音を重ねてうるさくする
・カオスゾーンを作る

実はこれだけでできます。まあこれだけだと息切れするんですが、それの対策は後で説明するので後回し。

それでは1つ1つ解説していきますね。


ーーー 素材をよく聞く

まず、素材をよく聞くこと。わずかな素材をよーく見て聞いて

・セリフとかなら、音素はどれくらい入っているのか
・音の高さはどのように変遷するのか(上がるのか、下がるのか、そこまで変化しないのかなど)
・音の減衰はどのようになされるのか(される、されないだけじゃなくて、どのタイミングで減衰が始まるのかなども)
・他の素材が紛れ込むときはどんな特性の音になるのか

を解析します。できれば引き伸ばし耐性が高いかどうか(音を引き伸ばして音が割れたりパッツパツになったりしないか)もこの時点で試せると良いですね。

SoundEngineやVocalShifterなどの助けも借りながら、使う素材の特徴を捉えたら制作に移ります。

まあそんなことあんまり考えなくていい「2nd_sideの最初の部分」っていう便利な素材もありますがリズムにちょっと使いにくいので工夫しましょう。


ーーー 貴重な素材はしっかり加工

貴重な素材は使う際に少しだけ加工します。これは必須です。

まず音を徐々に減衰をさせます。と言ってもREAPERならこうするだけですね。(※実際こんな長い減衰は不要。数十ms程度でOK)

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SoundEngineでも最後の方をフェードアウトさせることができます。まあ最悪Aviutlでもできるな!

この作業がなんで必須なのかと言うと、クリックノイズが入りやすくなってしまうためです。
音がガビガビになろうと変な音になろうと、クリックノイズが入ると台無しです。必ずしましょう。


ーーー リズムをしっかりあわせる

1にも2にもリズムをしっかりあわせることが重要です。音合わせはしなくても許されることがありますが、リズムだけは合わせたほうが良いでしょう。

・音符(ノート)に合わせる
・ドラムに合わせる
・表拍に合わせる
・裏拍に合わせる

これらをうまく使って並べると良いです。

合わせる際には「このトラックはリズムに合わせるから、音の高さをいじらない!」とか逆に「音符に合わせるから音の高さをいじるトラック」とか、「ベースの音に合わせるだけだから2オクターブ下げるトラック」だとかを決めましょう。それに固執するのは良くないとは思いますが、思考の方向性に一定の成約を生じさせて作りやすくできます。

何度も言いますが、気に入らなくなったのなら後で変えれば良いのです。

リズム音源にしようとしたトラックも、

・1~2オクターブ上げる
・そのまま使う
・引き伸ばしてながーく使う
・短縮してアタックがかかったようにする
・1~2オクターブ下げる
・左右に振る

などによってバリエーションができますね。ピッチを半音階分上げ下げするだけでも連続して使えば結構変わります。うまく活用しましょう。


ーーー 素材を刻む

えっ、貴重な短い素材なのに刻んじゃうの!?

→ そうです。刻んじゃいます。

素材を刻んで引き伸ばすと少し音が変わるんですよね。一部分だけ抜き出してるから当然です。

・アタックがよくかかる部分
・減衰がほとんどない部分
・音が極端に変わる部分

などを刻むと良いでしょう。たまに面白い音ができあがります。

もちろんフェードアウト処理をお忘れなく。

実運用上ではREAPERなら簡単にできるのでそっち使ってます…


ーーー 音合わせをする

音高を合わせることはめちゃくちゃ重要です。といってもどこのメロディに合わせれば良いのかわからないと言うときは、

・ボーカルに合わせる(メインにします)
・コーラスに合わせる(音を-2~-8dBくらいするとなおよし)
・ベースに合わせる(わりとゴンゴンなってても気にならない)
・伴奏に合わせる(あまり鳴らすとボーカルに合わせた音合わせに影響するので注意)

を基本としてやると非常に楽です。ボーカルがない曲は主旋律を使いましょう。

そして、合わせる時は耳コピするか譜面を持ってくるか、midiをどっかから調達するかして音高を特定して合わせてください。素材の音高はVocalShifterでわかりますから。

また、素材が足りなくなったり、引き伸ばしすぎておかしくなるときは人力VOCALOIDの流儀に従ってVocalShifterやMelodyneみたいのでいじってください。省力化に反しますが作れないよりはマシです。


ここで来そうな質問を先に答えときます。

Q:耳コピの仕方を教えて下さい!

A:わからないです。チューナーやシンセを使って合わせる方法もあるにはありますが、真面目にやるなら音階や音程の理論を勉強しないと結構難しいと思います。

ソルフェージュの一部に入りますが、耳コピ(旋律聴音・複旋律聴音・和声聴音とか)だけで音大の入試の科目になるくらいにはキツイ内容ですし、音MADに活かそうとすると新曲視唱とか視奏とかの要素も入ってくるので解説できないです。

やるなら専門書買うかちゃんとした音楽の先生に頼って頑張ってください。自分は7~8年くらい勉強しましたが一切理論が理解できなくて諦めました。直覚でやったほうが楽だし。

一応昔お世話になった先生の専門書をダイマしときます。


ーーー 音を重ねてうるさくする

「繰り返し部分を活かす」がよく使える箇所です。

最低でも2トラック分は重ねないとだんだん寂しくなって来ますので、ドラムやコーラス、そして主旋律をうまく使い分けて重ねましょう。

なおごく一部分だけゴリ押しパートを作る際は、カオスゾーンのところをみましょう。

ここで注意なのがゴリ押しを続ける場合、重ねるトラック数をだんだん増やすことを心がけたほうが良いと思います。変化が無くて飽きられやすいのはゴリ押しの宿命です。

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ここで注意なのが、音割れしすぎないように音量を調節するということです。

音割れはあんまりしすぎるとちょっとアレですし(音割れポッターとかを除く)、そもそも音圧を高めたいために音割れさせるのは本末転倒です。

ここでは一度全体的に音量を下げて、コンプレッサーとかで一番最後に音圧を上げましょう。


ーーー カオスゾーンを作る

カオスゾーンは曲や動画のクライマックスになるべき部位に当てて作ります。もちろん最初からクライマックスと言う例でもいいですし、だんだん盛り上げてクライマックスを迎えるというのでもいいでしょう。

思いつく限りのトラックと音合わせ、リズム合わせ、音の加工とか今まで説明してきたものを全部盛りします。存在しない伴奏に合わせたメロディなどを入れても良いですが、諸刃の剣になりかねないですので注意です。

めちゃくちゃうるさいどころか音割れ上等レベル、聞きすぎると耳へ悪影響を及ぼします。当然ですね。(ちなみにカオスゾーンは最低でも+5dBくらいは出るように作ってます。)

そして、高音部から優先して引き算します。ここで音量MAXになるように作ってるのでそんなにひどいことにはならないはずです。

なぜ高音部から引くの?って質問があると思うんですが、高音は耳に刺さって不快感を起こしやすくなります。低音だったら驚くだけですし音圧にも寄与してくれるからあまり引く必要はなさそうです。まあ引くときは引きますけど。

またどう引き算するかというと、

・ノートの音量を下げる
・トラックごと削除する
・音が短くなりすぎてるときは音の長さを長くする
(ここでは16分音符→8分音符にするという感じの意味)
・減衰を早くする

って感じで引き算します。

あとは先程も言いましたが音割れには注意です。ノリノリになって大音量で作っている時こそ気になりませんが、後で気づいて困ります。


・元素材を活かす

さて、突如話が変わりまして元素材をそのまんま活かすということです。

※動画1:55~あたりを参照

実際、素材を垂れ流しにするのも一つの手となります。

静かなところや一度盛り下がったところに使うといい感じになります。あまりにもゴリ押ししすぎると視聴者も飽きますしね。

素材を宣伝することもできますし、動画に緩急つけることで盛り上がりのための助走をすることができます。

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こういう、盛り上がりの波の直前あたりで使うのが良いと思います。もちろんデビルマンで「まあそれはそれとして」とか言わせとけばいつでもいけそうですけど。


・課題曲をぶちこむ

※動画1:46~参照

「元素材を活かす」と同様に少し盛り下がったところにハンマー状態であったり、ナイトオブナイツとかを入れます。

たべるんごとかならたべるんごのうたを入れたりとかでしょうか。

ほのぼのした曲を入れるよりは、激しい曲を入れたりするとかテンポを早めるとかすると良いと思います。

とにかく、その分野で定番・基本とされる曲を入れたりすると良いです。そしてかなり時間が潰れるほか緩急も付けられて便利です。

入れる際には、リズムだけはきっちり合わせましょう3拍子とかだったら悲惨です。


・テンプレに従う

※ここではテンプレを「動画を作る際にある雛形やそれが定着したもの」という言葉の定義にしたいと思います。

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まあたべるんごの中で定番とされる「りんごろうを紹介」とかありますよね。

いわゆるノルマ達成となるやつです。

きちんと従ってこそノルマですし、厳密にノルマ達成しなくても変化球を加えやすくなります。

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※変化球を加えた例。投稿時点ではノルマに絡めて辻野あかりを紹介する動画は少なかったです。みんなりんごろうばっかり紹介してたもん…


あくまでテンプレに従うと楽であるということを示したいだけであって必ず従う必要はないのですが、これが定番に変わると一転して武器に変わります。

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※これは引き継いだ形なので例外ですが… ボンバー囃子の笛太鼓という定番があります。



それをわかりやすく示してくれたのはんギョPこと八倉うのさんですね。

んギョPはコンギョという題材で動画を作るという事自体がもはや定着しています。

題材の時点ですでに攻撃力が強い(そりゃあ「攻撃戦だ」だし…)上に、動画も音声も非常に丁寧ですから動画もかなりヒットしやすいです。ものすごい武器を持ってますね。


そして製作者と動画の傾向がテンプレート化されると凄まじい爆発力を持ちます。

全ての元凶、A(pple)級戦犯とまで言われたメカPです。

ネタ人力はおろか、その高い技術力でビリーバンバンをニコニコに呼び込んだバケモンです。ヤバい。

基本的にメカPはアイマスという(かなり大雑把な)テンプレートを持ってると考えられます。

一発の衝撃はバチPのほうが強いですが、メカPはあれだけのものを連続して出せるのがすごいです。

持っているテンプレが大きいとここまで来るのかという、考えれば考えるほど恐ろしい製作者であるという解釈もできそうです。


さて、話がそれましたが以上がテンプレの説明になります。(途中から説明になってないだろオイ!)


■ 締め

さてここまでに様々なアイデアを載せてきましたが、作ったところでやっぱり動画制作の数がものを言いやすいんですよね。

もちろん初めて投稿したって人でもときにすごい動画を上げる方もいますが…

ですから、ここに書いてあることを応用してまずはたくさん作ってみるのが良いと思います。

めんどくさいしモチベも上がりにくいですけど、一度6桁再生レベルまでいけば自分なりの動画の作り方がわかってくるはずです。

6桁再生なんて無理やろ、って自分でも思っていましたが動画投稿歴8年目にしてようやく成し遂げられました。(2019年)

継続すればいつかはできるんです!
ここでのアイデアを使って音MAD制作を省力化し、旬の素材を使って旬のうちに調理できるようになれば、投稿間隔が狭くすることができるはず。

まずは、温めてたけどいまいち使いみちのなかったアイデアを使ってやってみましょう!!!!!!



あと辻野あかりは女神。讃えよ



誤字脱字、おかしな点、ここをいじってみては?という提案、質問などがありましたら@masteralice3104へご連絡ください。マシュマロにも入れてくれると嬉しいです。次のパートはあるかもしれないしないかもね?


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