【オタク雑記】オタクが演者にできることとは

6月25日、楽しみにしていた中島愛ちゃんのライブがあった。
2019年夏ぶり、4年ぶりのスタンディングでなおかつコロナ禍になって初めての声も出せる中島愛ちゃんのワンマンライブだったのですごく楽しみにして行った。

ライブがはじまって数曲して明らかに普段の本人の調子と比べると違うなっていうのが誰が見てもわかった。
曲中に軽く咳をしてたり、曲中に飲み物を飲んだりすることや、気持ちが込み上げすぎて歌えなくて何度かやり直したことはこれまでもあったけど、体調が悪くてまともに歌えなくなって本編中に本人が捌けるのは多分ずっと見てきてた中で初めてだったから、やっぱりステージ脇から聞こえるキツめに咳き込む音を聞くと結構ショックだった。

自分もそこそこ長くライブに行くタイプのオタク生活を続けてきたので、ライブ中や公演前後でのトラブルは何回も見てきた。
でもその度にこういうときに直接的に客側が演者に対してなにかをやってあげられることってないんだなって痛感させられた。
気持ちとしては自分がやってあげられることならなんでもやってあげたいんだけどね。

ライブを中断して小休止した後に、本人が「やれるところまではやりたい」と言ってライブを再開した。
やれるところまではやるなんて言わずに今すぐ終わって休んで欲しいという気持ちと、本人が選択して続けるんなら最後まで付き合ってあげるのが筋だろという気持ちと、何が良いのかよくわからないという気持ち、いろいろな気持ちが入り混じっていた。
そこから5曲はステージに立つ愛ちゃんをいつもよりも真っ直ぐに見ていたと思う。
思うように声が出ずにいつもと違った表情で歌っている愛ちゃんに対して、たぶんちゃんと見てあげることがその時の自分にできる精一杯の唯一のことだったので。

再開してからの4曲はミディアムテンポのナンバーであったり、落ち着いた曲が多かったのだが、一度中島愛ちゃんが活動休止して、そこから活動再開したときに出した「ワタシノセカイ」というアップテンポなナンバーでも微動だにせずに見てる自分がいてなんだか少し申し訳ない気持ちになってきた。
別にライブはどう見ても良いと思うし、ペンライト振ってても地蔵してても変な動きしてても飛んでても、本人が楽しんでて周りの人に迷惑じゃないならそれで良いと思ってる。
でも普段から中島愛ちゃんのところに通っていて1人だけ周りに比べてよくわからない謎の動きを曲中にしてるオタクがこれで良いのかよ!という気持ちと、これってステージから見たら自分は楽しくなさそうにしているように見えているのかなっていう気持ち、これまたいろんな気持ちが入り混じっていた。

そんな気持ちでいたら次の曲のイントロが流れてきた。
普段とは違う特殊なイントロではじまったが、さすがにすぐに次の曲が中島愛個人名義でも特に激しい曲「サタデー・ナイト・クエスチョン」だと理解した。
特に好きな曲が来ると理解した次の瞬間にはごちゃごちゃになってよくわからない気持ちだったそれまでの気持ちや、いろんな難しい気持ちが全て取り払われて「今ここで自分が出来るのは本人が続けると決意して再開されたこのライブを最後まで楽しむことだ」と決心した。
そしてさっきまで微動だにしてなかった身体が宙に浮いていた。
この辺書いていて自分でも自分に対して笑ってしまうけど、たぶんあの時に身体がちゃんとイントロの音に反応して動いてくれたことを一晩経って考えてもやっぱり嬉しく思う。

ある時期以降、いろんな現場でライブ中にジャンプしてるオタクを目立ちたいだけの厄介として過度に排斥したがる人がいたけど、飛んでる自分達からしたらこの行為は曲と向き合った上でその曲を楽しむための感情の発露でしかないので、目立ちたいという気持ちは飛んでるオタクには全然ないと思う。
まあこれは今回の話とは別の話ですね。

その曲以降見てる側の自分の気持ちが立ち直ったのもあるんだけど、中島愛ちゃん本人もなんの曲からかは忘れたけどちょっとずつ声も回復というか、その時にやれる最大限のことがやれるようになっていったように見えてたし、やっぱり後半にかけて固かった表情とかも少しずつ柔らかくなっていったように感じれて嬉しかった。
やっぱり好きな演者は笑っていてくれた方が嬉しいので。

そしてライブが終わり、普段のライブとは違う気持ちで会場を後にした。
普段のように「楽しかった!最高!イェーイ!」という気持ちではなかったけど、それでもこれからも中島愛ちゃんが活動し続けてくれるうちはずっと着いていくんだろうなと再確認した1日だった。


めんどくさいオタクなのでライブ後にもやっぱりいろんなことを考えていた。
常日頃からオタクと演者の関係性とは〜とか、オタクが演者にやれることとは〜とか、なんかそういうどうしようもなくしょうもないことだけど、普段の生活とは別の世界でのことだからこその話はやっぱり好きなので。

演者の人生に乗っかるな!演者とオタクは所詮他人だ!みたいなタイプの人いるけど、さすがに15年以上中島愛ちゃんのファンを続けていると、その時々によって本人との関わり方は違ってるけど、こっちからしたら中島愛ちゃんの存在が人生の一部になってるんですよね。
愛ちゃんが昨日「お芝居をすることと歌うことは自分にとって好きなことであり、自分が生きていく上で必要なこと」みたいな話をしてくれたんだけど、何かを表現して演者で居続けるためには見てくれる人がどうしても必要だと思うので、野球のピッチャーとキャッチャーの関係性くらいとは言わないけど、本人が歌やお芝居で表現したものを、こっちが受け取ってどういう感情になってどう楽しんだかをちゃんと感想として伝えていき続けられる関係性ではこれからもありたいなって今回のライブで思いましたね。

そんな感じです。

まるっ!

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