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音でわかる風景

パシャっ!

 
この擬音語で今回のテーマはもうお分かりだろう。そう、写真です。

 僕の趣味は鉄道に乗って旅行をすること。列車に揺られて物思いにふけり、旅先で地元の方と交流をしたり美味しいものを食べたりする。幸せなひと時です。そして、旅先では必ずスマホで写真を撮るようにしている。

 最近視覚障害者でも写真を楽しむ人が増えてきた。ネットで検索すると、視覚障害者の写真教室や展覧会もあるらしい。このような場所に参加している人たちが写真をどのように楽しんでいるのかはわからない。あくまで僕の話ですが、写真を撮ることを楽しんでいるわけではないんです。構図には拘らず、目線の高さにスマホを持って、対象物が最低限入ることを意識しながらシャッターボタンを押す。ただそれだけ。

 写真を撮る目的は、主に2つあると思うんです。思い出として残すこと、友達などに見せること(SNSでのシェアも含めて)。僕の場合は自分では写真を見て思い出を振り返ることはないので、目的は後者の方に偏っている。そう言った意味では報道写真に近いのかもしれませんね。こんなに素敵な処があるんだよ!ここの名物はこんなもので、めちゃくちゃ美味しいんだよ!旅の良さを伝えたい、小ぢんまりとした観光地にもたくさんの魅力や地域色があることを共有したい、って言う感じで撮っています(もちろん、自慢もしたいからですが!)。

 でも、思い出として残す目的がまったくないかと言うと、そうでもないんです。僕だって、スマホの写真フォルダーを開いて、そう言えばこんな処に言ったなあって思い出を振り返ることもあります。絵っ?写真を見ずにどうやって振り返るのかって?それは、写真と一緒に記録されている、撮影地と撮影時間から脳内アルバムを呼び起こすんです。例えば、こんな感じ!

**  「八戸、3月28日、5時30分」**

 写真をタップすると、スマホの画面読み上げ機能がこう言ってくれる。すると、僕の脳は3月28日の午前5時30分に八戸で何をしていたかを思い出す。そう、あの日は前線が開通したばかりの三陸鉄道に乗りたくて、その始発駅である久慈駅に行くために、眠い目をこすりながらホテルを朝5時にチェックアウトして、5時35分に出発する八戸線の久慈行きに乗るために、八戸駅にいたんだ。とすると、この写真は乗り込む前にプラットホームで撮影した八戸線の車両だ。朝早くて寒かったけど、車内は空いててボックスシートを独り占めできたんだっけ。これから三陸鉄道に乗れるかと思うと、わくわくしてたなあ。

 こんな感じで思い出を振り返っている。旅行の思い出は僕の脳がしっかりと記憶してくれている。でも、その記憶は何かきっかけがないと引き出せないことがある。そんな時は、日時と場所を下に脳内アルバムを検索すればいいんだ。スマホの写真フォルダーは友人とかに思い出をシェアするためのサブフォルダ―。本体は、僕の頭の中にしっかり存在する!

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