見出し画像

大分前だが、横浜市等と共にさいたま市はリクルートと総務省が共催したエビデンスを踏まえたシティセールス推進の取組に参画をしたことがある。
その際には、SUUMOのマンションセールスの取組とも連携をさせていただいた。
その時のリクルートによる(資料)「住みたい街ランキングから読み解く『選ばれる街の条件』」を見直してみた。
ここで振り返るのは、その2016年当時のデータである。
各々の街には個性があって、選ばれる理由も様々であるとは言うけれども、「上位30駅の郊外系・住みたい理由(武蔵小杉、鎌倉、大宮、たまプラーザ、立川)」を見ると、住みたい理由としては、ほぼ共通して、交通利便、商業利便、洗練・高級、資産・発展が突出している。これは上位30駅の郊外系のみの特徴ではなくて、上位5駅(恵比寿、吉祥寺、横浜、武蔵小杉、自由が丘)の特徴でもある。
ただ、ここで注目したいのは、大宮の選ばれる理由だ。
交通利便や商業利便は、ほどほどの理由にはなっているが、他の街と比べると、自然身近、公共・文化も少ないが、洗練・高級、資産・発展が極端に選ばれる理由に上がっていないところだ。
僕が心配しているのはここの部分で、コロナウイルスの蔓延を契機として見直しが進むリモートの価値、リモートによる学びや仕事、買い物が進展すれば、おそらく今までは魅力と認識されていた交通利便と商業利便が街の選択理由から今後は徐々にはずれていくだろうと思うからだ。
そうなると今まで大宮(さいたま市)が街の強みとして頼っていた交通利便等の価値は下がり、ほぼ他に魅力の無いさいたま市は今後どんどんその魅力を失ってしまい、洗練・高級を選ばれる理由とする他の街に後れを取ってしまうことになるだろう。
今後、さいたま市は、他の関東在住者への意識調査結果においても、皆が“街としてのブランド”を認識する第一の根拠ともなると言われる、洗練・高級(おしゃれ)という魅力をどう手に入れるのかが大きな課題となる。
それは他の自治体も十分わかっている部分でもあり、さいたま市の近場でも、戸田市や松戸市など、おしゃれな街づくりに向けて施策を整理している自治体もある。
いや、もちろんコロナウイルスの蔓延を契機として、もう一方の魅力、それは高級志向とは真逆の方向性へ、例えば清貧とか、ミニマリストの言うようなシンプルな生活を送れるような街の魅力がその価値を増していく可能性もある。しかし、そういった魅力でさえ、今のさいたま市で実感するには、散策するような自然も文化も、歴史を感じる街並みも下町的な過ごしやすさ等も足りていないことから、今はまさに“さいたま市”は、今後の人口の伸びを占うならば崖っぷちにあると松井は思うのだ。
それでもここのところ、中山道の裏町や県庁の裏門通りは、コージーなコーヒー屋やドーナツ屋、ブランジェリーが増えてきた。休みの日にはこんな店で時間を潰そうかと、少し思えるようになってきた。😀

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?