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TellMeSomethingGoodの拍が取れない!&テンポマップ作成と解析

Tell Me Something Good

この曲はルーファスとチャカ・カーンによる1974年のヒット曲ですが、遅ればせながら昨年初めて聞きました。スティービー・ワンダーによる提供曲です。

聞いてみるとわかると思いますが、レゲエの様な裏打ちのギターに歌が乗ってきますが、サビに入る前になんかリズムがズレます。サビが終わるとまたリズムがズレる。
検索すると、サビの方の拍でとるのが正しく、イントロ最初のクラビネットは4拍めの裏で、ギターは表拍で演奏されているとのこと。頭ではわかっても、聞くとギターが裏拍にしか聞こえない。
プレイヤーがどんな風に聞こえて演奏しているのか理解したいのに。

ライブ演奏ではいくぶん拍が取りやすい模様ですが、それでも見失いがち。

土を耕すリズムをルーツに持つ農耕民族である日本人にはこの様な裏のリズムは合わせにくい様な気がしますが、以下のビデオが投稿されているところを見ると、欧米の人でも拍がとりにくい人がいるのでしょう。

Thanks to woodondrums for the great video.

これを見ると、en-1-en-2-en-3-en-4-en と、裏をenとして取っていますね。多分こういうリズムのとり方がいいのでしょうけれど、やっぱり私には難しい。


拍認識練習用の音源作成

そこで、正しく感じるべき拍のリズムを追加し、リズム感覚を矯正してみることにしました。
まずイントロ前に、正しい拍を感じやすいようにドラムを入れてみたのですが曲が始まると裏打ちに戻っちゃう、曲中まで入れてみても同じ。原曲のドラムは正しい拍認識で叩いていて、他の楽器音が認識の妨げになっている様です。
そこで小節頭を強調する様なフレーズでベースを打ち込んでみて、やっと正しく拍を認識することができました。
※こんなことをするとノリというか曲変わっちゃうじゃないか、別なリズムにしてしまってるじゃないかと嘆く人も出てきそうですが、正しい認識への手段なのでご理解ください。

追加した音は左CHのみに入っているので、右CHだけにすれば原曲のみになります。
※テンポ表示が倍になっていますが、入れた音は原曲のテンポ、つまり2小節単位になっています。この方がテンポを合わせやすかっただけなので気にしないでください。



付録:テンポマップの作成

この曲は古い録音なので、レコーディング時にクリックなど使っておらずテンポがヨレまくりです。
LogicPro のスマートテンポでテンポ解析を試してみましたが、プログラムでもうまく認識できないんですね、小節の判別がうまくいかずテンポが変になり修正が面倒だったので、拙作 MapTempo プログラムを使いテンポマップを作成しました。

このプログラムを使ったテンポマップの作り方ですが、まずはテンポは適当に設定(今回は154)し、以下の様に4/4での1拍頭を示す BassDrum(マーカーノート)を打ち込んでいきます。まだテンポが合っていないので、グリッドを無視してタイミングを合わせます。
小節のグリッドが信用できないのに全小節打ち込むのは面倒ですが、リアルタイム録音して波形を見ながらエディットする形なら多少楽かと。まぁ今回は拍の認識ができないため、そのリアルタイム録音ができなかったんですけどねw。
※今回は Studio One Prime を使いましたが、Artist 以上のグレードなら、トランジェント検出機能があるのか、楽できそうな。。。。


Studio One でのマーカーノート入力

全部の小節を打ち込んだら、Standard MIDI File でエクスポートし、そのファイルを MapTempo プログラムにドラッグ&ドロップします。
※ Studio One での MIDICH の設定が良くわからなかったのですが、MapTempo の方の設定を 1CH に設定しておけば面倒が少ない様です。

MapTempo 出力画面

マーカーノートの時間間隔から、1小節のテンポが設定された「XXXXX_Tempo.mid」ファイルが作成されるので、それを Studio One で読み込めば、テンポマップが反映されます。
※Studio One でテンポマップを設定するには、[ファイル]-[開く]メニューよりStandard MIDI File を読み込ませる必要がある様です、ファイルのドラッグ&ドロップでは不可。確か Cakewalk でも同じだった様な。

Studio One テンポマップ

テンポ変化も演奏表現

しかしヨレてますね、今回は倍で打ち込んでいて実テンポは半分なので、71~79くらいです。打ち込み誤差もあるので細かいところは除くと、早くなっている山が3箇所(41,89,137付近)ありますが、ここはサビ前の変な喘ぎ声とか入っているところで、ドラムのフィルインなど手数が多いところは早く、その他のところは遅くなっている様。クリック無しで演奏するとそうなる様です、確か山下達郎もそう言ってた様な。
逆に言うと、これも演奏表現の一種とも言えるでしょう、細かいところはより細かく聞かせたい的な。しかし一時的に早くなっても次には戻っているので、当然でしょうけれどテンポ感覚が鋭い。ちょっと私には真似できないです。
そして、曲の進行に従い次第に遅くなっています、最初は76だったのが、最後は73になっています。TOTO の Rosanna を解析した時も同様に遅くなっていました。演奏に従いテンポ感覚がゆっくりの方にずれるということなんでしょうけれど、多分意識的では無い気がしますがよくわかりません。

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