恋愛詩:花と言葉と足し算と
私達は過去の恋愛で負った
傷心を舐め合うだけの
関係だったはずなのに…
イラストレーターの私は
一枚の作品を前に嘆息した
十七本のチューリップ
花言葉は『絶望の愛』
彼を励ます中で気づけば
本気で好きになっていた
裏切られた過去の傷が疼く
彼女の傷の裏側には誠実さと
秀麗な人柄が隠れていた…
時間の問題だったのだ
僕が彼女に真愛を抱くのは
また恋愛に裏切られるのは
怖いけれど寄った花屋の
人気の春花が語りかける
さぁ私を彼女に贈りなさいと
四本のチューリップを手に
彼女の元へ行く
「その新作にこの四本を加えて
足して二十一本を贈るよ君に」
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