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The Process of Violin Making Ⅱ

内枠の中心線を確定したり、切れ込みやクランプ用の穴を加工する工程はすっ飛ばして、内枠が完成したら、、、

今度はそれぞれのコーナー部分にブロック材をくっつけていきます。ネックとの接合部、くびれ部分のそれぞれコーナー、エンドピンの全部で6か所。このブロック材はただくっつければ良いわけではありません。高さ方向の寸法をどうするかや、どの向きで切り出すかなどをしっかりと考えて取り付ける必要があります。この寸法が1mm違うと、出来上がりの楽器はまるで大きさの違うものが出来てしまうから慎重に。この寸法だけが重要というわけではなく、内枠の厚みも完成時の寸法を計算してそろえる必要がありますし、クランプ用の穴位置も適当にあけてしまうと接着が上手くいかなくなってしまうので大変です。兎にも角にもヴァイオリン製作は正確さが命(という感じでもないけど)。

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ブロック材をくっつけたら、TEMPに合わせて、これまた寸分たがわずアウトラインを切り出していきます。結局のところ、表・裏板や横板を接着すると外からは全く見えなくなってしまうブロック材ですが、家でいう基礎部分ともいえる重要なパーツだと私は考えています。

魂柱交換のときに内部を覗くことがありますが、音が良い楽器は見えないこのブロック材もきれいに加工・接着されているものばかりです。外見はキレイなのに何故か音がそんなに良くないとか、バランスがいまいちだなぁと思う楽器は、往々にしてブロック材や次に出てくるライニングの精度が、やはりいまいちなことが多いです。

ヴァイオリンも外見だけで判断はできないんですね~。神は見えないところや細部に宿るのです。

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