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いい商品なのに売れないのは、顧客開発していないからだ!

みなさんこんばんわ😊

MORISISです!

今日はスティーブン・G・ブランク氏の「アントレプレナーの教科書」の内容を紹介します。

「数多くのお客様の要望に対応し、当社の技術を結集して開発した商品だ。絶対売れる!」

こうして鳴り物入りで売り始めたが、サッパリ売れずに人知れず消え去った「黒歴史商品」は、実は世の中には結構多いものです。

数多くの顧客からの要望に対応しているのに、なぜこんなことが起きるのでしょうか?

多くの企業は、「製品開発モデル」で商品開発を進めていきます。

「コンセプトをつくる→製品開発する→機能検証テストをする→販売開始する」

ブランク氏によれば、「そもそもこれは大間違い。顧客が買うか検証していない」

ブランク氏はアントレプレナー。つまり起業家です。

8社の起業に関わり、4社を株式上場させたという「伝説の起業家」の経験が凝縮されたのが、この著書です。

ブランク氏は「製品開発でなく、顧客開発をしろ」と言っています。

それは営業の仕事と思うかもしれませんが、そうではありません。

そもそも新商品の役割は「顧客に新しい価値を提供すること」です。

成功する商品は、顧客が価値を認識して買う。
失敗する商品は、誰も価値を認識せず、買わない。

数多くの顧客のニーズに対応するのではなく、本当に買う顧客が存在するのかを検証し、その顧客を開発する必要があります。
そこで次のことを考えます。

・自社商品が解決する顧客の課題は何か?
・顧客はその課題を重要で切実と思っているか?
・どうやればその顧客に到達できるか?

図のように「顧客開発モデル」という4ステップで、最初は徹底的に少数の顧客に絞り込んで進めていきます。
最初の段階では「顧客発見」と「顧客実証」のサイクルを回し続けます。

では、どのように進めればいいのでしょうか?

フィギュアスケートの浅田真央ちゃんが現役の頃、海外から帰国しテレビカメラに映る時、いつものスーツケースの上にロール状に大きく丸めた荷物を持っていました。
ベッドのマットレスの上に重ねる「エアウェーブ」というマットレスパッドです。
「よい演技の為に、睡眠で疲労を取りたい」と考える真央ちゃんは2009年から毎晩エアウェーブを愛用しています。

エアウェーブは元々、釣り糸などをつくるプラスティック成型機械の製造会社でした。
経営が悪化していたので、その技術を駆使し、法人企業向けにソファのクッション材をつくりました。

しかし売れませんでした。

そこで狙いを一般消費者向けの寝具に切り替え、マットレスパッドの試作品を200枚つくりました。
それを知り合いに使ってもらうと大好評だったのです。

そこで初年度は広告費4000万円を投入して販売を始めましたが、180枚しか売れずに売上は1000万円に留まりました。

そんな中、ある顧客から大きな反応があったのです。

アスリートです。

睡眠で疲れが取れるエアウェーブは、アスリートにとって競技で勝つための武器でした。

アスリートをターゲットに絞ってエアウェーブを提供し、改良を重ね、トップアスリートの課題に向き合い、試行錯誤を通して彼らから学びながら商品を育てていきました。

その後、エアウェーブは「一流の人が使う寝具」の定番に育ちました。

エアウェーブは試行錯誤を通して、アスリートという顧客を発見し、その顧客から学び続けて実証しながら商品を育てる「顧客開発モデル」を実践し、成長したのです。

ブランク氏は、このように顧客を発見し、見極める方法も紹介しています。

①課題を抱え、その顧客を理解している顧客がいること。
②その顧客が解決策を探していて、期限もあること。
③顧客が課題解決にお金を惜しまないこと。

そして最初の段階では、その他大勢の顧客についていったん忘れることです。

商品開発チームは、時間にもヒト、モノ、カネにも限りがあります。
だから徹底的に少数の顧客に絞り込み、彼らが「どうしてもほしい」と思える商品に仕上げることが必要です。

一方で、次のような従来の商品開発の常識は、顧客開発モデルでは間違っています。

間違い1.全ての顧客のニーズを理解しようとする
多数の顧客ではなく、絞り込んだ少数の顧客がどうしてもほしい機能を実現することです。
一般消費者に聞くと、「柔らかい寝具がいい」と言われがちですが、アスリートはそんなことは求めていません。

間違い2.顧客の機能要望リストを製品開発部隊にそのまま渡す
営業チームは顧客の要望リストをドサッと商品開発チームに渡しがちですが、これでは開発作業が増えるだけで顧客が買うかどうかは保証できません。
必要なのは少数顧客がどうしてもほしい必要最小限の機能です。
アスリートは「質の高い睡眠」が必要です。

間違い3.顧客を集めてインタビューして、買うかどうかを確かめる
インタビューで「ほしい」と言う回答者は、現実には買わないことも多いのです。必要なのは少数顧客がコミットして「実際に買う」という事実です。
アスリートは多忙にも関わらず、積極的に協力しました。

少数の顧客が唯一の選択肢として買うようになれば、新商品は売れます。

新商品を成功させるために必要なことは、素晴らしい製品を開発することだけでなく、顧客に幅広く意見を聞くことでもなく、「どうしてもその商品が必要だ」という少数の顧客を見つけ、唯一無二の選択肢になることです。

顧客の範囲を広げるのは、その後です。
必要なのは製品開発ではなく、顧客開発なのです。

切実な課題を持つ少数顧客を見極めた上で唯一無二の商品を育てよう!

最後までお読み頂き、ありがとうございます😊

では✋

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