第70回おうちでレガシー カバレージ Round2 ぺぽ（ナヤミッドレンジ） VS 夜光（ジャンド）
「強いカードを入れれば強いデッキになるんじゃないの？」
一見すると稚拙な理論に聞こえるかもしれない。だが、この理論を突き詰めるとあら不思議、デッキとして成立してしまうのが、MTGの面白い所である。
「強いカードで組まれたデッキ」。これを総称して「グッドスタッフ」「ジャンク」と呼ぶ。レガシーにも様々な種類のグッドスタッフデッキが存在しており、今なお強烈な存在感と独特の色気を放っている。
「ぺぽ」の今回持ち込んだ「ナヤミッドレンジ」は、グッドスタッフに分類されるデッキだろう。デッキリストを見ればわかるが、ありとあらゆる強力なカードが勢ぞろい。どこをどう切っても強力な戦い方ができる。
余りに色々入れ過ぎた結果、デッキリストが取っ散らかっているが、これはこれで味がある。例えるならば、レガシー界のラーメン二郎といったところだろうか。
対する「夜光」は「ジャンド」でこれを迎え撃つ。《思考囲い》《ヴェールのリリアナ》といったハンデスや、《突然の衰微》といったパーマネント破壊で消耗戦に引きずり込み、カードの質で勝負を仕掛けるタイプのグッドスタッフである。
コチラも《時を越えた英雄、ミンスクとブー》《黙示録、シェオルドレッド》といった強力なカードが多数そろえられており、カードの質とそのガッツリした味わいはぺぽのデッキに引けを取らない。取っ散らかったぺぽのデッキをラーメン二郎と例えるなら、ある程度方向性が確立しているコチラはさしずめ家系ラーメンとでもいうべきだろうか。
ハイカロリーVSハイカロリー。おうちでレガシーという舞台で、夜中にカロリーがぶつかり合う。
■Game 1
《平地》から《霊気の薬瓶》を展開するぺぽに対し、夜光は《思考囲い》でぺぽのデッキを確認する。公開された手札は《石鍛冶の神秘家》《スレイベンの守護者、サリア》《魂の洞窟》、そして《光輝王の野心家》が2体。
Death and Taxesにしても人間にしても少し異なる味わいに、夜光は首を傾げつつも、とりあえずは対処困難な動きをされる《石鍛冶の神秘家》を処理してターンを返す。
ぺぽはターンを貰うと、まず《スレイベンの守護者、サリア》をプレイ。夜光の動きに制限をかけていく。
そして続くターンで、《霊気の薬瓶》を絡めつつ、《光輝王の野心家》を2体展開。一気に《スレイベンの守護者、サリア》の打点を上げ、夜光に襲いかかる。
夜光はひとまず3マナで《突然の衰微》を《スレイベンの守護者、サリア》に浴びせるが、ぺぽの勢いを殺し切るに至らない。
ぺぽは更に《Taiga》から《下賤の教主》を展開。賛美をつけつつ、カウンターを乗せ強化された《光輝王の野心家》が夜光のライフを削っていく。
いきなりの《下賤の教主》に夜光は目を白黒させるが、《時を越えた英雄、ミンスクとブー》を招聘。カウンターの乗っていない《光輝王の野心家》に《ブー》をぶつけつつ、続くターンで《ブー》を再度展開し、壁を用意していく。
が、ぺぽはその上から《忍耐》をプレイ。この時点で夜光のライフは2点。《ブー》1体で2体のクリーチャーを止めきれないことを悟った夜光は盤面を畳んだ。
ぺぽ１ー夜光０
■Game 2
「何が飛び出てくるかわからないが、とりあえず片っ端から処理すれば息切れを起こすに違いない。」そう踏んだ夜光は、続くゲームでぺぽに消耗戦を仕掛けていく。
ぺぽの展開する《光輝王の野心家》に対し《稲妻》を撃ち込み、《貴族の教主》には《突然の衰微》、《辺境地の罠外し》には《稲妻》…といった形で、惜しみなく除去を撃ち込んでいく。
その上で、自身は《ミリーの悪知恵》を展開。ドローの質をぺぽより引き上げ、更なる消耗戦を挑もうとしていく。
消耗戦を仕掛けるにあたり、相手の一番強いクリーチャーを対処していくということが基本となる。いくらジャンドが消耗戦に強いとはいえ、自身の除去の枚数も限られており、真に対処すべきクリーチャーは何なのか、見極めが大切となる。
夜光が真に不運だったのは、ぺぽのデッキが余りに取っ散らかっており、何が入っているのか全く分からず、それゆえに見極めが困難を極めたという点だろう。
ぺぽは《再誕の刃、ラエリア》をプレイ。およそこういった類のデッキで飛び出てくることのないだろうカードに、夜光は顔を覆う。
先ほどまでに夜光が削ったリソースを、ぺぽの《再誕の刃、ラエリア》が取り返していく。ぺぽは更に《下賤の教主》《スレイベンの守護者、サリア》をプレイし、盤面を固めていく。
夜光は何とか《忍耐》を展開しつつ、《突然の衰微》で《再誕の刃、ラエリア》の対処をしていくが、ぺぽは更に《激情》をプレイ。夜光の盤面を更地にしつつ、一気にライフを削っていく。
夜光は苦し紛れに《疫病を仕組む者》を展開するが、ぺぽは《剣を鍬に》で対処。がら空きとなったボディに賛美の乗った《激情》を突っ込ませ試合終了。夜中のカロリー勝負を制したのは、二郎系グッドスタッフを組み上げたぺぽだった。
ぺぽ２ー夜光０
■デッキリスト
■対戦動画
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