第115回おうちでレガシー カバレージ Round1 アサカワタキ（ディミーアミッドレンジ） VS えむたろう（青単テンポ）
ここに《知りたがりの学徒、タミヨウ》というカードがある。安定したアドバンテージの確保、そして裏返った際の圧力の高さを買われ、発売前からその活躍を約束されたカードである。
現にモダンでは各種コントロールデッキの中核として運用されており、いかにそのカードパワーが高いかを知らしめているが、ことレガシーにおいても、これを採用したデッキがちらほらと現れ始めている。
「アサカワタキ」の持ち込んだ「ディミーアミッドレンジ」はその最たるものだろう。《致命的な一押し》《喉首狙い》《トーラックへの賛歌》といった繰り返し使うことで真価を発揮する呪文を採用。更に脇を《超能力蛙》《ネザーゴイフ》《濁浪の執政》で固めた、強力なデッキである。
対する「えむたろう」の持ち込んだ「青単テンポ」も、この《知りたがりの学徒、タミヨウ》を採用し、強化を図ったデッキである。相手の動きを各種カウンターでさばき、足りないアドバンテージは《知りたがりの学徒、タミヨウ》で回収。最終的に《濁浪の執政》で勝利を目指すデッキである。
どちらが《知りたがりの学徒、タミヨウ》を上手く使えるか。新時代のレガシーを占う戦いが、今火ぶたを切ろうとしていた。
■Round 1
えむたろうが《地底街の下水道》でライブラリーを整えていく中、アサカワは《ミシュラのガラクタ》を展開。そこから《知りたがりの学徒、タミヨウ》をプレイする。このカードの危険性を把握しているえむたろうは《目くらまし》で処理していく。そのままえむたろうは《不毛の大地》でアサカワの初動を挫いていく。
が、ここでアサカワは2体目の《知りたがりの学徒、タミヨウ》をプレイ。これはえむたろうが《四肢切断》で対応していく。順調にアサカワの動きに対応していくえむたろうだが、まだクリーチャーを展開するに至らない。
その隙に乗じ、アサカワは《トーラックへの賛歌》をプレイ。えむたろうの《虚構漂い》《疑念の影》を捨てさせていく。えむたろうのリソースを削っていくアサカワ。
しかし、ここでえむたろうは墓地を使って《濁浪の執政》をプレイ。一気に7/7の飛行クリーチャーを叩きつけ、ゲームを終わらせにかかる。
アサカワは《超能力蛙》を展開しつつ、更に《ネザーゴイフ》を展開するが、目の前の《濁浪の執政》を止めるには至らない。ここで勝負あったか。
が、アサカワは3体目の《知りたがりの学徒、タミヨウ》をプレイ。飛行を持つクリーチャーを《濁浪の執政》のブロックに回しつつ、ダメージ解決前に《渦まく知識》をプレイ。《知りたがりの学徒、タミヨウ》を《老練の学匠、タミヨウ》へ変身させていく。
その上でターンを貰ったアサカワは《シェオルドレッドの勅令》をプレイ。順調と思っていたえむたろうの首筋に冷たいものが流れる。ひとまずは《緻密》をプレイし、これを《シェオルドレッドの勅令》の生贄に充てていく。
しかし、えむたろうの目の前には《超能力蛙》が。この蛙、普段は飛行を持たないが、墓地のカードを3枚追放することで、飛行を得ることが出来るクリーチャーである。
そして更に目の前には「墓地のインスタント・ソーサリーを手札に戻すことが出来る」と書かれている《老練の学匠、タミヨウ》。つまり、このターンを《超能力蛙》でしのがれると、続くターンで《シェオルドレッドの勅令》が再び降ってくるというわけである。
流石に2枚目の除去をしのぎ切ることは出来なかったか、ここでえむたろうは盤面を畳んだ。
アサカワ１ーえむたろう０
■Round 2
2ゲーム目は先手を貰ったえむたろうが《知りたがりの学徒、タミヨウ》を展開。続くターンで《渦まく知識》を撃ち込み、さっそく《老練の学匠、タミヨウ》へと変身させていく。
アサカワは《ダウスィーの虚空歩き》を展開し、えむたろうの《濁浪の執政》を阻害していく。しかし、ここでえむたろうの《不毛の大地》がアサカワに突き刺さる。アサカワは2体目の《ダウスィーの虚空歩き》を展開しようとするが、これは《目くらまし》で打ち消される。
えむたろうは残った《ダウスィーの虚空歩き》を《些細な盗み》でバウンスしていく。アサカワは再度《ダウスィーの虚空歩き》を再展開していくが、ここで《老練の学匠、タミヨウ》の忠誠度に視線が向く。+2能力を繰り返し起動していた《老練の学匠、タミヨウ》の忠誠度は8。《老練の学匠、タミヨウ》の奥義である-7能力に手が届く値である。
「あなたのライブラリーにあるカードの枚数の端数を切り上げた半分に等しい枚数のカードを引く。あなたは「あなたの手札の上限はなくなる。」を持つ紋章を得る。」
つまるところ、決定的なアドバンテージ差を突き付けると書かれた奥義を前に、心が折れかかるアサカワ。更にえむたろうは《不毛の大地》でアサカワの行動を制限していく。
最後の抵抗として《シェオルドレッドの勅令》をプレイすべく、アサカワは《ダウスィーの虚空歩き》を生贄に捧げ、えむたろうの使用した《汚染された三角州》を展開。そのまま起動して2枚目の土地を探しに行こうとする。
が、ここでえむたろうは《疑念の影》をプレイ。アサカワの最後のあがきもキッチリ対応し、えむたろうが1本取り返していく。
アサカワ１ーえむたろう１
■Round 3
最終ゲーム。えむたろうはアサカワの《知りたがりの学徒、タミヨウ》を《意志の力》で打ち消しつつ、自分は《知りたがりの学徒、タミヨウ》を展開。アサカワは《思案》で手札を整えつつ、《致命的な一押し》で処理しにかかるが、これは《目くらまし》で対応していく。
アサカワは《トーラックへの賛歌》でえむたろうのリソースを削っていく。えむたろうはこれに対し《渦まく知識》をプレイ。《老練の学匠、タミヨウ》へ変身させていく。
2ゲーム目同様、ここでゲームの主導権を握ろうとしていくえむたろう。しかし、ここでアサカワは《濁浪の執政》を叩きつけ、えむたろうに圧力をかけていく。
圧力をかけられたえむたろうも《濁浪の執政》を展開。アサカワの《オークの弓使い》は《意志の力》を打ち消しつつ、アサカワの《濁浪の執政》を討ち取っていく。
盤面をフラットにし、悠々と《老練の学匠、タミヨウ》の忠誠度を上げていくえむたろう。しかし、アサカワは更に《超能力蛙》と《知りたがりの学徒、タミヨウ》を盤面に投下、えむたろうに食いついていく。
こうなると厳しいのはえむたろう。アサカワの《超能力蛙》はアドバンテージを確保するクリーチャーであり、クリーチャーの除去手段に乏しいえむたろうにとってはかなり厳しい展開である。
アサカワは《渦まく知識》で《老練の学匠、タミヨウ》へ変身させていくと、《超能力蛙》でえむたろうに圧をかけていく。一応《些細な盗み》で抵抗を試みるが、根本的な解決へは至らない。
えむたろうは《厚かましい借り手》を展開し、アサカワの《老練の学匠、タミヨウ》を処理していくが、目の前の《超能力蛙》が止まらない。アサカワは更に《濁浪の執政》を展開し、えむたろうに圧をかけていく。
えむたろうはこの展開を覆すべく、とっておきの《精神を刻む者、ジェイス》をプレイ。-1能力で《濁浪の執政》を手札へ戻していく。
が、アサカワは負けじと《濁浪の執政》を再展開。更に《ネザーゴイフ》も取り出し、一気に波状攻撃をかける。
ギリギリの攻防戦。しかし、ここでついにえむたろうが力尽きる。続くターン、なすすべもなく《精神を刻む者、ジェイス》《老練の学匠、タミヨウ》を討ち取られるに至り、完全に盤面が傾いたことを確認したえむたろうは、アサカワに右手を差し出した。
アサカワ２ーえむたろう１
■デッキリスト
■対戦動画
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