第119回おうちでレガシー カバレージ Round3 だばちゃん(ディミーアリアニメイト) VS スン(セファリッド・ブレックファースト)
「おうちでレガシー」。Discordを介して家にいながらレガシーを遊ぶことができるイベントである。その遊び方はさまざまであり、ユニークなデッキを持ち込んだり、あるいはメタデッキの調整であったり、プレイヤーの数だけ遊び方があるといっていい。
そして、その中でこの環境を最も謳歌しているといっていいのが、このイベントの名物プレイヤー「だばちゃん」である。彼の本イベントに対する姿勢は以下の通り一貫している。
「酒を飲みながら遊ぶカードゲームは最高や!」
…言われてみれば当たり前の話で、おそらく酒を飲みながらスイスラウンドを3回戦遊べるイベントはほぼ存在しない。いやあるにはあるだろうが、そもそも水分にデリケートなものを取り扱うというカードゲームの性質上、常に相手のことを気にする必要があるのは間違いない。
が、このイベントはDiscordを介して行うため、酒を粗相して相手のデッキにぶっかけるといったトラブルはまず起こりえない。泥酔してイベント進行に支障をきたさなければ問題はないという主催のスタンスのもと、彼はこの飲酒MTGを謳歌しているのである。
彼が今回持ち込んだのは「白ワイン」。すっきりとしたのど越しと、その味わいから、むっとした陽気の夏場にはうってつけの酒といえる。つまみは用意せず、酒のみを楽しむというストロングスタイルがだばの持ち味といえよう。いや手元にはよく見ると「ディミーアリアニメイト」が。これがつまみということだろうか。
この 酔っ払いの介護 プレイヤーの相手をするのはこちらもおうち名物プレイヤー「スン」。彼は今回「セファリッド・ブレックファースト」をチョイス。《セファリッドの幻術師》を軸としたセルフミルコンボに、《有翼の叡智、ナドゥ》を組み合わせ、アドバンテージも稼ぎ出すことが可能となった、今レガシーで脚光を浴びているコンボデッキである。
ワイングラスをくゆらせつつ、だばが席に着く。酒を片手に遊ぶMTG、その顛末を見ていこう。
■Round 1
だばは白ワインを呷ると、まず挨拶と言わんばかりに《悲嘆》を想起コストでプレイ。スンの手札を覗き見る。公開された手札は《時を解す者、テフェリー》《意志の力》《思案》《コーの遊牧民》そして土地。
だばはまず《意志の力》を抜き去ると、更に《再活性》で《悲嘆》を釣り上げ再度手札を覗き込み、コンボの起点となる《コーの遊牧民》を捨てさせる。
スンは《思案》で勝ち筋を探しに行く一方、だばは追加のクロックで《超能力蛙》を展開。なんとか除去を引き込みたいスンだが、ここは引き込めず、《喜ぶハーフリング》を展開しターンを返す。
が、ここでだばが大きく動く。《超能力蛙》で手札の《残虐の執政官》を捨てると、それを《再活性》で釣り上げる。一気に盤面とアドバンテージ差が崩壊する音が鳴り響く中、スンは頭を抱えつつも《時を解す者、テフェリー》をプレイ。ひとまず《残虐の執政官》を手札に返していく。
以前までのリアニメイトならどうにかなったかもしれないバウンス手段。しかし、だばはニコッと笑うと、先ほどと同様に《超能力蛙》の能力を起動。再度墓地に《残虐の執政官》を埋めると、今度はそれを《浅すぎる墓穴》で釣り上げる。
掟破りの《残虐の執政官》2度打ち。スンは盤面を畳んだ。
だばちゃん1ースン0
■Round 2
2ゲーム目、《思案》で手札を整えるスンに対し、だばは《思考囲い》で応じる。公開されたスンの手札は《外科的摘出》《虹色の終焉》2枚と先ほどと異なりだばの行動に対して有効に動けるラインナップ。
だばはまず《虹色の終焉》を捨てさせると続くターンで再度《思考囲い》。スンがデッキの上に忍ばせていた《剣を鍬に》も処理、じわじわとスンのリソースを削りにかかる。
スンはこの動きを覆そうと、強力なアドバンテージ源である《有翼の叡智、ナドゥ》をプレイ。しかし、肝心の《手甲》や《コーの遊牧民》という相方がいない。ひとまずターンを渡し、だばの出方を伺う。
だばが展開する《超能力蛙》は《虹色の終焉》で処理していくが、続くターンでだばは《アヴァシンの創造》をプレイ。じわじわと追い込められるスンの首筋を冷たいものが伝う。流石にここから何かを探さなくてはと焦ったスンは、ここで《渦まく知識》をプレイする。
しかし、この焦ったプレイに対し、だばは待ってましたと言わんばかりに《オークの弓使い》をプレイ。《有翼の叡智、ナドゥ》の2回分の誘発は許容しつつ除去し、ゲームの展開を再度引き戻していく。
《有翼の叡智、ナドゥ》を喪い攻め手を大幅に欠くスンに対し、《アヴァシンの創造》により追放された《偉大なる統一者、アトラクサ》が盤面へと躍り出る。これが決定打となり試合終了。マッチ終了後、だばはこう語った。
「いや~、飲みながらでも回るデッキは最高ですね!」
彼にとって深夜に遊ぶMTGは酒のつまみかもしれない。しかし、だからこそ、そこに満足のいくものを求めに行く。そんなだばの姿勢が垣間見えた。
だばちゃん2ースン0