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第3回おうちでモダン カバレージ Round3 そらまめ(ウーズコンボ) VS Setoline(ブリーチシャドウ)

ここに《死の国からの脱出》というカードがある。脱出3という追加コストとそのターン限りの利用を条件に、墓地から呪文を唱えることができるようになるエンチャントである。

「墓地から無制限に呪文を唱えられる」という行為は、往々にして碌な結果を招かないことは周知の事実である。

この《死の国からの脱出》も例外ではなく、レガシーでは《ライオンの瞳のダイアモンド》《思考停止》との相性の良さを咎められ、パイオニアではこれにより大幅強化された「ロータスコンボ」を弱体化させる目的で、それぞれ禁止カードに指定されている。

となると、現状使うことができるフォーマットはモダンとヴィンテージなわけではあるが…。

「このカード、モダンでも十分『壊れて』ますよ。」

こう話すのは「Setoline」。先月開催されたモダン神挑戦者決定戦で、この《死の国からの脱出》を軸としたアグロデッキ「ブリーチシャドウ」を駆り、見事優勝を果たしたプレイヤーである。

彼に言わせると、墓地から圧倒的なアドバンテージを生み出すために禁止された《夢の巣のルールス》と同等、ひいてはそれ以上のアドバンテージをもたらすカードがこの《死の国からの脱出》という。

このデッキに対するは「そらまめ」。こちらも軸は違うが、墓地を利用する《壊死のウーズ》を利用したデッキ「ウーズコンボ」を持ち込んでのプレイとなる。

《壊死のウーズ》と《死の国からの脱出》。どちらが墓地を上手に使えるのか。その答えが今まさに出ようとしていた。

■Game 1

ゲーム開始、ゆっくり立ち上がるそらまめに対し、Setolineは《ドラゴンの怒りの媒介者》を展開。更に《ミシュラのガラクタ》へつなげていき、ドローの質を向上しつつそらまめのライブラリートップを確認していく。

そらまめは《致命的な一押し》で《ドラゴンの怒りの媒介者》を処理。《獣相のシャーマン》を展開。コンボの布石を打っていく。

Setolineはそらまめに《思考囲い》を打ち、今後のプランを立てようとする。公開された手札は《悪魔の職工》《献身のドルイド》と《飢餓の潮流、グリスト》が2枚。かなりカロリーが高い手札だが、土地がゼロ。ここは《献身のドルイド》を捨てさせ、マナソースを摘み取っていく。

そらまめは《縫い師への供給者》を展開するが、よりによって墓地に落ちるのは3枚とも土地。顔を覆うそらまめに対し、Setolineは《稲妻》を《獣相のシャーマン》へ撃ち込む。

対応してそらまめは《飢餓の潮流、グリスト》を《献身のドルイド》へ変換。そのままターンを貰い展開しようとするが、これは《湖での水難》で打ち消されていく。

そらまめがリソースを削られ、マナスクリューに陥る中、Setolineは《表現の反復》をプレイ。自身の手札を回復しつつ、《思考囲い》で残った《飢餓の潮流、グリスト》を捨てさせる。

そらまめは《悪魔の職工》を展開し、何とかしのごうとするが、Setolineの勢いを到底止められるものではない。

Setolineはターンを貰うと、2マナ払い、自身が「壊れている」と評した《死の国からの脱出》を盤面へ送り込む。その後、墓地から《ミシュラのガラクタ》を唱えてドローへ変換。更に《湖の水難》で《悪魔の職工》を処理し、更に再度《ミシュラのガラクタ》を唱えてドローへ変換。

都合2ドローと除去による爆発的なアドバンテージを得ていくSetoline。ここまでくるともう彼のペースである。Setolineは《帳簿裂き》を展開。これはそらまめの《致命的な一押し》で処理されるものの、再度《帳簿裂き》を展開。

そして《表現の反復》を唱えつつ、デッキの代名詞である《死の影》を展開していく。この時点でSetolineのライフは5点。都合8/8の巨大なアバターがそらまめを圧迫していく。

そらまめは《縫い師への供給者》を展開し、盤面を少しでも固めていくが、Setolineは更にダメ押しの《死の国からの脱出》をプレイ。手札から《稲妻》を唱え、再度墓地から撃ち直して盤面を更地にしていく。

その状態で《死の影》と《帳簿裂き》がコンバット。一瞬でそらまめのライフを3点まで詰め、再度墓地から《稲妻》をプレイ。アドバンテージの暴力に、終始そらまめは圧倒されるしかなかった。

そらまめ0ーSetoline1

■Game 2

2ゲーム目もSetolineは《ドラゴンの怒りの媒介者》を展開して圧力をかけていく。対するそらまめは《コジレックの審問》を唱えてSetolineの手札を確認していく。

公開された手札は、《帳簿裂き》《ミシュラのガラクタ》《邪悪な熱気》《汚染された三角州》、そして《稲妻》が2枚。

あまりに濃い手札にそらまめは気を失いそうになるが、ぐっとこらえつつ、《帳簿裂き》を捨てさせ、後続の展開を食い止める。

更に、そらまめは《致命的な一押し》で《ドラゴンの怒りの媒介者》を処理。盤面を一度平たくしていく。

一転して受けに回るSetoline。ここは《ミシュラのガラクタ》で自身のライブラリートップを確認しつつ、ターンをそらまめへ回す。

そらまめは再度《コジレックの審問》。手札は《稲妻》2枚と《邪悪な熱気》《思考囲い》《死の影》。ここは自身の妨害につながる《思考囲い》を捨てさせる。

その後、ドローゴーを選択するSetolineに対し、《不吉な儀式の僧侶》を展開してコンバットするそらまめ。しかしこれはSetolineの《稲妻》で処理される。

対するSetolineも《死の影》を展開するが、これはそらまめの《虹色の終焉》で処理。お互いに盤面のシーソーゲームが続く。

しかし、この均衡は長続きしない。Setolineは《未認可霊柩車》を展開。そらまめのコンボの核となる墓地を追放し始める。

更に、そらまめの展開する《獣相のシャーマン》も《稲妻》で処理しつつ、Setolineは3マナ払うと、相棒である《湧き出る源、ジェガンサ》を手札に加える。

そらまめが《療治の侍臣》を2体展開して殴り掛かる中、Setolineは《邪悪な熱気》で片方を処理しつつ、手札に加えた《湧き出る源、ジェガンサ》を展開。後続で出てくる《獣相のシャーマン》も《邪悪な熱気》で処理しつつ、都合8/8まで巨大化した《未認可霊柩車》に搭乗し、殴りかかっていく。

そらまめはたまらず《未認可霊柩車》に《致命的な一押し》を撃ち込むが、これは《湖での水難》で打ち消される。

一気にライフを削られ、窮地に立たされるそらまめ。ここは《漁る軟泥》を展開し、少しでもライフゲインに努めつつ、盤面を立て直そうとしていく。

が、Setolineはトドメと言わんばかりに《死の国からの脱出》をプレイ。墓地から《邪悪な熱気》を2回唱えて盤面を更地にし、更に墓地から《稲妻》を本体へプレイ。

その上で、墓地から《死の影》を展開し、即座に《未認可霊柩車》へ搭乗。《湧き出る源、ジェガンサ》と合わせて12点パンチをそらまめにお見舞いする。そらまめのライフは9点。

ここで試合終了。《死の国からの脱出》による圧倒的なアドバンテージを見せつけ、Setolineが全勝へ輝いた。

そらまめ0ーSetoline2

■デッキリスト

■対戦動画


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