第103回おうちでレガシー　カバレージ　Round1　オムニ太郎（《ドラゴンの接近》コンボ） VS ガイ（《人道に対する膿》コンボ）

2024年4月6日 20:03

ここに《ドラゴンの接近》というカードがある。通常は3マナ3点火力なのだが、唱えた際に墓地にある《ドラゴンの接近》を4枚追放することで、ライブラリーから好きなドラゴンを盤面に呼び込むことが出来る。

ここに《人道に対する膿》というカードがある。こちらは唱えると墓地と追放領域の《人道に対する膿》というカードの枚数+2のパワータフネスを有するウーズトークンを生成するカードである。

一見すると、取り立ててカードパワーが高くないこの2枚のカードだが、実はとある共通項がある。これらのカードは、好きなだけデッキに入れることが出来るのである。

このMTGのルールを根本から否定する挙動に魅せられるプレイヤーも多い。今回フィーチャーテーブルに着いた「オムニ太郎」「ガイ」はそんなプレイヤーである。オムニ太郎は《ドラゴンの接近》を軸に、対するガイは《人道に対する膿》を軸にデッキを用意してきた。

怪しげな魅力を放つこれらのカードを軸に、果たして両者どのような戦いを見せてくれるのだろうか。

■Round 1

オムニ太郎が下準備を進める中、ガイは早速《人道に対する膿》をプレイ。盤面をウーズトークンで埋め尽くしていく。

しかし、オムニ太郎がここで取り出したのは《罠の橋》。基本的に《ドラゴンの接近》による3点火力を当てにするデッキであるため、相手の高速クロックをこれで封じる目論見だろうか。

おそらく時間稼ぎに入れたであろう《罠の橋》。だが、ガイにとってはこれが致命傷となる。なんせガイのデッキは「クリーチャーでコンバットして勝利する」ことを根底に作られており、メインボードから《罠の橋》に触れる手段は持ち合わせていないのである。

全く身動きが取れなくなったガイに対し、容赦なく突き刺さる《ドラゴンの接近》。1ゲーム目は、オムニ太郎がきれいに制していくこととなった。

オムニ太郎１ーガイ０

2ゲーム目、先ほどと同様に《人道に対する膿》でトークンを呼び込むガイに対し、オムニ太郎は《ゴブリンの技師》をプレイ。墓地に《罠の橋》を埋め込むと、更に《キャンディーの道標》をプレイ。占術によりドローの質を高めつつ、《ゴブリンの技師》により《罠の橋》を盤面に呼び込んでいく。

これに対しガイが取った行動は…《変身》。自身のトークンを破壊し、ライブラリーからクリーチャーを呼び込んでいく。呼びこまれたクリーチャーは《引き裂かれし永劫、エムラクール》。よりによって《罠の橋》が無い状態ではゲームが終わりかねないカードを前に、オムニ太郎は顔を覆う。

しかし、これはこのデッキのコンセプトの一端でしかない。ガイは着実にマナを貯めると、このデッキの真のコンセプトを唱える。

彼が唱えたカードは《アミナトゥの占い》。ライブラリーのトップ8枚を追放し、土地および異なるカードタイプのカードをノーコストで唱えることが可能となるカードである。

ガイがこのカードから唱えたのは《鏡割りの寓話》《水連の花びら》そして《陰謀の解明者》。序盤にサイクリングしていた《ロリアンの発見》を2枚追放し、手札から唱えるのは《偉大なる統一者、アトラクサ》。

手札に更に《アミナトゥの占い》を加えると、それを《陰謀の解明者》から再度唱えていく。めくれたカードの中には《呪文織りのらせん》の姿が。

ガイはこのアーティファクトをプレイすると、《変身》と《人道に対する膿》を刻印していく。そう、このデッキの《人道に対する膿》は、クリーチャー生成であると同時に、高コストカードの踏み倒しにも使えるパーツなのである。

次のターン《人道に対する膿》を唱え、《変身》のコピーによりオムニ太郎の盤面のクリーチャーを除去にかかるガイ。盤面にアクティブなクリーチャーがいないことを確認した上で、《活性の力》により《罠の橋》を粉砕。盤面に溜め込まれたクリーチャーが、堰を切るようにオムニ太郎へとなだれ込んだ。

オムニ太郎１ーガイ１

最終ゲーム。オムニ太郎は《ゴブリンの溶接工》をプレイ。更に《ゴブリンの技師》を展開し、墓地にアーティファクトを埋めていく。前ゲームと同様、埋めるカードは《罠の橋》…と思われたが、ここでオムニ太郎が用意したカードは《織端の石》。全ての呪文に波及4を付与するカードである。

「デッキの大部分を《ドラゴンの接近》で構成し、その上で波及を持たせられれば一気にライフを削ることが出来る。」

アドバンテージを意識した構築をするガイとは異なり、オムニ太郎はあえてのシンプルな攻め手である。しかし、シンプルだからこそ、一度決まってしまえばもう止まらない。

《ゴブリンの溶接工》により盤面に《織端の石》を呼び込むと、オムニ太郎はすかさず《ドラゴンの接近》をプレイ。その炎は波及により瞬く間に嵐となり、ガイの身を焼いた。

オムニ太郎２ーガイ１

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