第93回おうちでレガシー カバレージ Round3 ナコツコ(ゴブリン) VS Sator(《鏡に願いを》コンボ)
MTGはランダムが支配するゲームである。だからこそ、可能な限り再現性を高めるにはどうすればいいか?相手の展開に合わせて柔軟に対応する方法はないのか?という事を常に考える必要がある。
今回「ナコツコ」が持ち込んだ「ゴブリン」は、再現性を高める工夫がなされているデッキである。好きなゴブリンをサーチ可能な《ゴブリンの女看守》を活用し、必要なゴブリンをサーチ。最終的には《上流階級のゴブリン、マクサス》で一気にゴブリンを盤面に叩きつけ勝利する。部族でありながら非常に柔軟な動きが可能なデッキである。
他方「Sator」が持ち込んだ「《鏡に願いを》コンボ」は、《鏡に願いを》を軸とし、あらゆる攻め手を可能とした、もはや柔軟性のあるデッキというよりなんでもありのデッキである。ぶっちゃけ筆者もその全容はよくわかっていない。
そんな柔軟性に溢れるデッキたちが、全勝卓でぶつかり合う。果たして最後に立っているのはどちらか。
■Game 1
先手で《下賤の教主》を展開するナコツコに対し、Satorは《古えの墳墓》を展開し、《カザド=ドゥームのトロール》を2枚サイクリング。
怪しげな動きをするSatorに不信感を抱きつつも、ナコツコは《食物連鎖》を展開。後は手札にある《ゴブリンの女看守》を絡めつつ、一気にゴブリンを展開していきたいところである。
が、ここでSatorが動く。想起コストで《悲嘆》を唱えると、ナコツコの手札から《ゴブリンの女看守》を抜き去る。そして《納墓》をプレイ。《偉大なる統一者、アトラクサ》を墓地に埋めつつ、これを《動く死体》で釣り上げる。
Satorが公開し手札に加えたカード群は《苦悶の触手》《暗黒の儀式》《金属モックス》《嘆きの大霊堂》。あまりにかみ合わない盤面と手札に、ナコツコは頭を抱える。
が、現時点で目の前の《偉大なる統一者、アトラクサ》を抜く方法は存在しない。そのままターンを回すが、ここでSatorは《嘆きの大霊堂》《金属モックス》を展開し、《暗黒の儀式》をプレイ。そしてそのままキーカードである《鏡に願いを》をプレイしていく。
《金属モックス》を差し出しつつ、更に《鏡に願いを》サーチしてプレイ。ついで《動く死体》を差し出しつつプレイしたのは、《死せる生》。序盤にサイクリングしたクリーチャーと、《悲嘆》《偉大なる統一者、アトラクサ》を盤面に再び呼び戻す。手札を補充し、そして《悲嘆》でナコツコの手札を確認。
妨害手段がないことを確認したSatorはそのまま《金属モックス》《暗黒の儀式》をプレイして《苦悶の触手》をプレイ。十分量たまったストームがナコツコのライフを吸いつくし1ゲーム目終了。
「一体何が起きたんだ…?」
台風のようなゲーム展開に、ナコツコは目を白黒させるだけだった。
ナコツコ0ーSator1
■Game 2
次ゲーム、ナコツコは《ゴブリンの従僕》をプレイ。「このターンに回答が無き場合は手札から好きなゴブリンを展開して滅茶苦茶にします。」というメッセージを突き付けられ、今度はSatorが頭を抱える。
ひとまずSatorは《悲嘆》を想起コストで唱え、ナコツコの手札から《上流階級のゴブリン、マクサス》を捨てさせる。が、次のターン。ナコツコの《ゴブリンの従僕》が戦闘ダメージを与え、能力が誘発。盤面に《ゴブリンの首謀者》を送り込む。
ライブラリートップ4枚のうち、めくれたゴブリンは《ゴブリンの従僕》のみ。しかし、たったこれだけの動きでもSatorを圧迫するには十分である。群れを成すゴブリンを相手に危険と判断したか。Satorは《鏡に願いを》をプレイ。盤面に展開した《金属モックス》を差し出しつつ、《死せる生》をサーチしてプレイ。ナコツコの盤面を一度リセットしていく。
だが、いざプレイした段階でSatorは口を押さえる。そう、ナコツコの墓地にあるクリーチャーは《上流階級のゴブリン、マクサス》。およそ盤面に着地してはいけないゴブリンが、盤面に着地してしまう。
その後の展開は推して知るべしである。《上流階級のゴブリン、マクサス》の能力により、ライブラリートップ6枚から《ゴブリンの女看守》《ランドヴェルトの大群率い》を盤面に叩きつけると、《ゴブリンの女看守》から《投石攻撃の副官》をサーチ。そのまま盤面に展開し、自軍をゴブリンまみれにしていく。
その状態で殴り掛かる《上流階級のゴブリン、マクサス》を前に、流石のSatorもプランBは用意できなかった。
ナコツコ1ーSator1
■Game 3
最終ゲーム。ナコツコは《虚空の力線》を展開した状態でゲームスタート。そのまま流れるように《ゴブリンの従僕》を展開していく。手札に有効なゴブリンがいないためか、ここから大きな動きはできないものの、2枚目の《ゴブリンの従僕》と《ゴブリンのクレーター掘り》を展開。一気にSatorのライフを切り詰めていく。
何とかしてこの状況を切り抜けたいSatorは、《基板砕き》を想起コストでプレイ。ナコツコの《虚空の力線》を対処していく。ナコツコはこれを見た上で《食物連鎖》をプレイ。着々と盤面を形成していくが、ここでようやくSatorが動き出す。
Satorはターンを貰うと、《納墓》をプレイし《偉大なる統一者、アトラクサ》を墓地へ送り込む。その上で《動く死体》で墓地から釣り上げ盤面に展開。7点まで減少したライフを絆魂で回復する構えを見せつつ、そのままナコツコへターンを渡す。
一転して窮地に立たされたナコツコ。しかし、ここで引いてきたカードを見て、表情が変わる。ナコツコが引いてきたカードは《ランドヴェルトの大群率い》。ゴブリンのロードであり、かつ自軍のゴブリンが死亡した際にライブラリートップを追放し、ゴブリンであればそれがプレイできるクリーチャーである。
これを盤面に送り込んだナコツコは、そのまま《ゴブリンの従僕》2体と《ランドヴェルトの大群率い》でコンバット。ライフの過度な損耗を嫌ったか、Satorは《ゴブリンのクレーター掘り》を《偉大なる統一者、アトラクサ》でブロックする。
が、ここでナコツコは《ゴブリンのクレーター掘り》の能力を起動。自身を生贄に捧げ、《偉大なる統一者、アトラクサ》へダメージを与える。が、本命は「《ゴブリンのクレーター掘り》が死亡したことにより《偉大なる統一者、アトラクサ》の絆魂が立ち消え、かつ《ランドヴェルトの大群率い》の能力が誘発する」という事実である。
ライブラリートップを追放し、めくれたカードは《ゴブリンの首謀者》。ナコツコは《食物連鎖》に《ゴブリンの従僕》を2体投げ込みプレイし、緊張の面持ちでライブラリーを4枚めくっていく。
《虚空の力線》《樹木茂る山麓》《乾燥台地》。有効なゴブリンが引けず、万事休すかと思われたが…最後にめくれたカードを見て、ナコツコの顔が思わずほころぶ。
4枚目にめくれたカードは《ゴブリンの女看守》。好きなゴブリンをライブラリーからサーチできる、まさに今一番欲しいゴブリンが、駆けつけてくれたのである。
ナコツコは《ゴブリンの首謀者》を《食物連鎖》へ投げ込み、そのまま《ゴブリンの女看守》をプレイ。サーチするゴブリンは《投石攻撃の副官》。そして《ゴブリンの女看守》を《食物連鎖》に投げ込むことで展開。最後に残ったSatorのライフをきれいに削り切った。
ナコツコ2ーSator1
■デッキリスト
■対戦動画
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