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第114回おうちでレガシー カバレージ Round3 えむたろう(グルールイニシアチブ) VS なかみ(リングフォージ)

モダンホライゾン3は、間違いなくレガシーにも影響を与えている。考えてみれば当たり前の話で、元々モダンやレガシーに多大な影響を与えることを前提として作られているセットなのだから、それはそうだろう。今回全勝卓に勝ち進んだ「なかみ」の持ち込んだ「リングフォージ」も、そのモダンホライゾン3による影響を多分に受けたデッキである。

元々は《一つの指輪》《神秘の炉》を軸とするピーキーなデッキなのだが、マナ基盤兼フィニッシャーとしての《まばゆい肉搔き》、相手のピッチカウンターを阻害する《苛立たしいガラクタ》などにより安定性が向上。以前とは比べ物にならないくらい強力なデッキになっている。

…が、「モダンホライゾン3のカードがないとレガシーは遊べない」と言い切るのは少し早合点かもしれない。

今回全勝卓に勝ち進んだもう一人のプレイヤー「えむたろう」。彼の持ち込んだデッキは「グルールイニシアチブ」。イニシアチブを持ったクリーチャーを高速展開して《地下街》へ侵入し、それによるアドバンテージで相手を倒す、ある種レガシーでお馴染みになったストンピィデッキである。

本来であれば、デッキを補強するべく何かしらモダンホライゾン3のカードが入っていてもおかしくないのだが、なんとえむたろうのデッキにはそれが一枚も含まれていない。

モダンホライゾン3という劇薬に慣れた我々に対し、かなり挑戦的な構成をしているデッキを突き付けるえむたろう。これは今の風潮に対するアンチテーゼなのだろうか。


■Round 1

えむたろうは先手を取ると《むかしむかし》により《裏切り者の都》を手札に加える。そのまま展開し《水連の花びら》と併せ《鏡割りの寓話》を展開。理想的な滑り出しを見せていく。

対するなかみも《古えの墳墓》→《厳かなモノリス》→《まばゆい肉搔き》とプレイ。えむたろうに対しモダンホライゾン3の洗礼を浴びせるとメッセージを突き付けていく。

しかし、続くターン。えむたろうは《猿人の指導霊》を追放しつつ《舷側砲の砲撃手》をプレイ。そのままゴブリントークンと共になかみに襲い掛かる。生成した宝物トークンを《まばゆい肉搔き》にぶつけ、なかみの行動を挫きつつライフを削っていく。

初動を挫かれたなかみだが、ここは落ち着いて再度《厳かなモノリス》を展開。更に《通電式キー》も展開しつつ、4マナ捻出し《大いなる創造者、カーン》を展開。能力により《罠の橋》を手札に加えつつ、えむたろうにターンを渡していく。

えむたろうはまず《大いなる創造者、カーン》を討ち取ると、そのまま《アンダーマウンテンの冒険者》を展開。《罠の橋》により攻撃が通らないのであれば、《地下街》の能力によりライフを失わせていく方を選んでいく。

ターンを貰ったなかみは《罠の橋》を展開するが、その顔は渋い。えむたろうの《地下街》探索を止めるためにはクリーチャーでコンバットし、えむたろうの持つイニシアチブを奪還する必要がある。

しかし、元々殴れるクリーチャーがカーンフォージには少ないうえに、《罠の橋》でクリーチャーの攻撃が阻害されており、なかみのイニシアチブ奪取のハードルは極めて高くなってしまっているのである。

果たして、なかみがイニシアチブ奪取を出来ることはなく、そのまま残りのライフをえむたろうが《地下街》探索により奪い去りゲームが終了した。

えむたろう1ーなかみ0

■Round 2

イニシアチブで痛い目を見たか、なかみは開幕《倦怠の宝球》を展開し、えむたろうの行動を阻害していく。えむたろうが攻めあぐねている間に、なかみは更に《まばゆい肉掻き》《多用途の鍵》と展開していく。

が、えむたろうはここで《活性の力》をプレイ。なかみの《倦怠の宝球》および《多用途の鍵》を破壊していく。その上でターンをもらい《月の大魔術師》を展開。なかみの暴力的なマナ加速に待ったをかける。

本来であればこのまま走り切れる力がグルールイニシアチブにはあるのだが、盤面には《まばゆい肉搔き》が。なかみは先に生成した落とし子トークンと併せて2体目の《まばゆい肉搔き》を展開。えむたろうのスピードに食いついていく。

しかし、えむたろうはここで《舷側砲の砲撃手》。更に《水連の花びら》を展開し、殴りつつ《まばゆい肉搔き》を処理していく。対するなかみは《玄武岩のモノリス》を展開してターンを渡す。

盤面が膠着することを嫌ったか、ここでえむたろうは《混沌の洞窟の冒険者》をプレイ。イニシアチブを獲得し、1ゲーム目同様の状況に持ち込もうとする。

このままではマズいと判断したか、ここでなかみが大きく動く。《玄武岩のモノリス》《厳かなモノリス》を展開し、落とし子トークンと併せて10マナを捻出し《歩行バリスタ》をプレイ。えむたろうの《月の大魔術師》《混沌の洞窟の冒険者》を討ち取っていく。

そのまま《まばゆい肉搔き》でコンバットするなかみ。えむたろうのイニシアチブを奪取し、ひとまずは流れを取り返していく。

しかし、ここでえむたろうはターンを貰うと、《むかしむかし》から《月の大魔術師》を展開。そのまま《舷側砲の砲撃手》で攻撃しイニシアチブを再奪取し、《月の大魔術師》を強化していく。

追いつめられたなかみ。手札は先ほどの《歩行バリスタ》の動きでゼロ。何とかなれとカードを引いたなかみ。カードを確認すると、勢いよく土地と落とし子トークンからマナを捻出し、引いたカードを叩きつける。

なかみがこの重要な場面で引いてきたカードは《神秘の炉》。ライブラリートップの無色呪文を唱えられるようになる、このデッキのエンジンである。

更に脇には無色呪文を唱えるたびに落とし子トークンを生成する《まばゆい肉搔き》も。これはまだチャンスがある!なかみはそう喜び勇み、ライブラリートップを確認する。1枚目は《多用途の鍵》。これは先ほど生成された落とし子トークンから展開。さらに2枚目のライブラリートップを確認する。

が、ここでなかみの表情がこわばる。《神秘の炉》をタップし追放したカードは《大いなる創造者、カーン》。現状唱えられないカードを捨て、3枚目のカードに望みを託していくが、3枚目のカードを確認したなかみの表情は、目に見えて引きつったものとなった。

そう、いかに《まばゆい肉搔き》が入って安定化したとはいえ、ライブラリーの並び方次第では、展開がストップしてしまうのも、この《神秘の炉》というカードの欠点である。

失意の表情を浮かべターンを渡すなかみ。えむたろうはターンを貰うと、2体目の《舷側砲の砲撃手》を展開。そのままうなだれるなかみを介錯し試合終了。持たざる者、えむたろうが本日の全勝に輝いた。

えむたろう2ーなかみ0

■Round 3

■デッキリスト

■対戦動画


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