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第70回おうちでレガシー カバレージ Round3 てんし(Elves) VS ぺぽ(ナヤミッドレンジ)

「エルフ」という単語を聞いて、読者諸兄は何を思い浮かべるだろうか?

本邦におけるエルフ観を語るには、「ロードス島戦記」を外すことは出来ない。同物語に登場した可憐なエルフ、「ディードリット」こそが、本邦におけるエルフの描写に強く影響を与えていることは、よく論じられていることだろう。

では、翻って海の向こうのエルフ観はというと…どちらかというと「ロードス島戦記」というよりJ.K.ローリング御大の「指輪物語」に準拠していると考えたほうがいいだろう。確かに優雅ではあるのだが、そこに儚さだとかいうセンチメンタルは一切感じられず、しなやかで、力強い印象である。

それがMTGというゲームになると、一体どうなるのだろうか。「てんし」の持ってきた「Elves」を見てみよう。その名の通り、エルフを主体に組み上げられたデッキなのだが、その戦術は至って簡単。「並べて巨大化して殴れば人は死ぬ」である。そこにはもう、上で挙げたような優雅さは微塵も感じられず、もはや蛮族と言っても過言ではないだろう。

この暴力デッキに対し、立ち向かうのは「ぺぽ」。彼の持ち込んだ「ナヤミッドレンジ」も、ありとあらゆる強力なクリーチャーを詰め込んだデッキであり、暴力に訴えつつ勝利するという類のデッキである。

おうちでレガシー全勝決定戦。この暴力のぶつかり合いを制し、最後に立っているのは果たしてどちらだろうか。

■Game 1

てんしは《耐え抜くもの、母聖樹》から《緑の太陽の頂点》で《ドライアドの東屋》をサーチ。続くターンで《エルフの幻想家》を展開。

更にてんしは《イラクサの歩哨》を2体展開。盤面でぺぽを圧倒する形で好調な滑り出しをしていく。

対するぺぽは《光輝王の野心家》を展開。続くターンで《練達の地下探検家》を展開。イニシアチブを得つつ、コチラもプロテクションを《光輝王の野心家》へ付与しつつ、てんしのライフを削っていこうとする。

互いに盤面を取り合う展開。しかしここで、てんしが大きく踏み込んでいく。

てんしは2マナ払い《緑の太陽の頂点》をX=1でプレイ。サーチしたクリーチャーは《遺産のドルイド》。エルフ3体のタップで緑3マナを得られるクリーチャーである。

そして、すべてが整ったてんしは《イラクサの歩哨》2体と《遺産のドルイド》をタップ。緑3マナを捻出し《垣間見る自然》をプレイ。更に余ったマナで《アロサウルス飼い》を展開し、《イラクサの歩哨》をアンタップしつつドローしていく。

展開したエルフと《イラクサの歩哨》2体からマナを出し、エルフを展開。《イラクサの歩哨》をアンタップしつつドロー。この工程を繰り返し、手札を切らさずマナプールに8マナを流し込む。

そして、得られた8マナを全てつぎ込み、《孔蹄のビヒモス》を叩きつける。この時点でてんしのクリーチャーは9体。都合+9/+9の修正を受けトランプルを得た《イラクサの歩哨》2体と《エルフの幻想家》、そして《孔蹄のビヒモス》がぺぽへと襲い掛かる。

43点ダメージを受け顔面が吹き飛ぶぺぽ。後には何も残らなかった。

てんし1ーぺぽ0

■Game 2

クリーチャーでの殴り合いは不利と判断したか、ぺぽは相手のクリーチャーの対処に切り替えていく。

展開されるコンボパーツである《イラクサの歩哨》《樺の知識のレインジャー》へ《剣を鍬に》を投げ込みつつ、盤面を更地にして《練達の地下探検家》を展開していく。

対するてんしは《エルフの幻想家》をプレイ。更に《ワイアウッドの共生虫》も展開し、アドバンテージを切らさない構えを取っていく。

しかし、この時点で盤面を圧倒しているのは間違いなくぺぽ。《地下街》の能力で《練達の地下探検家》へカウンターを乗せつつ、更に《再誕の刃、ラエリア》を展開。

更に、《再誕の刃、ラエリア》でめくれた《石鍛冶の神秘家》を展開、《カルドラの完成体》をサーチ。一気に圧力を増しつつ、てんしへターンを渡す。

てんしは《緑の太陽の頂点》から《遺産のドルイド》をサーチ。更に《ガイア揺籃の地》を置くと、更に《緑の太陽の頂点》をプレイし《イラクサの歩哨》をサーチ。

その上で《ワイアウッドの共生虫》で《エルフの幻想家》を手札に戻し再プレイ。手札を引きつつ、余ったマナで《飢餓の潮流、グリスト》まで繋げる。-2能力でプロテクション付与が可能な《練達の地下探検家》を処理し、ターンをぺぽへ返す。

ぺぽはターンを貰うと、《地下街》の能力でてんしのライフを7点に。更に《カルドラの完成体》を《石鍛冶の神秘家》から盤面へ展開すると、《再誕の刃、ラエリア》と共に殴り掛かる。

てんしは《再誕の刃、ラエリア》を《エルフの幻想家》でブロック。更に《ワイアウッドの共生虫》の能力で手札に返しつつ、追いつめられつつも、ライフを2点残すことに成功する。

そして、ギリギリ稼いだこのターンが、てんしに勝機をもたらすことになる。

てんしはターンを貰うと、まず手札に戻した《エルフの幻想家》をプレイ。その状態で《遺産のドルイド》の能力で3マナを供給。《ワイアウッドの共生虫》の能力で《エルフの幻想家》を手札に戻しつつ再展開。更にカードを引いていく。

てんしはしばしここで悩むと、《飢餓の潮流、グリスト》の+1能力を起動。1/1昆虫トークンを生成し、ライブラリーを切削。運よく昆虫である《ワイアウッドの共生虫》が切削されたことにより、再度+1能力が起動され、トークンが2体盤面へ送り込まれる。

その状態で《ガイア揺籃の地》を起動。6マナを供給し、更に《遺産のドルイド》から3マナを起動。あふれんばかりのマナから、《緑の太陽の頂点》をX=8で起動する。

探してくるクリーチャーは当然《孔蹄のビヒモス》。+7/+7修正がつき、トランプルも得た《ワイアウッドの共生虫》《イラクサの歩哨》《孔蹄のビヒモス》でてんしはコンバットを仕掛ける。

試合終了。ギリギリの攻防戦を制し、てんしが全勝に輝いた。

てんし2ーぺぽ0

■デッキリスト

■対戦動画


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