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第44回おうちでレガシー カバレージ Round3  Kiyoaggro(URデルバー) VS たるもの(Canadian Threshold)


かつて、「Canadian Threshold」というデッキがあった。《敏捷なマングース》《タルモゴイフ》といった軽量かつ打点の高いクロックを設置し、これを《目くらまし》《意志の力》《もみ消し》といった軽量打ち消しで守って殴り勝つ、由緒正しきクロックパーミッションである。

「このデッキは相手に《稲妻》を6回当てれば勝つ。」、通称「ボルト算」という概念を生んだのもこのデッキである。強力ながら繊細な立ち回りを要求される、実に芸術的なデッキであった。筆者はそう思っている。

時は流れ令和4年。現在のクロックパーミッションはというと…代表格は「URデルバー」だろうか。

《ドラゴンの怒りの媒介者》《秘密を掘り下げる者》といった超高性能クロック、《表現の反復》といった尽きることのないアドバンテージ、そして何より《濁浪の執政》といった異次元サイズドラゴンで固められ、向かうところ敵なしである。

こんなものが暴れまわる令和においては、もはや先に挙げた「ボルト算」という概念は壊れて久しく、最近では「なんでもいいから巨大な《濁浪の執政》でポン」というのが世界の共通言語である。

そんな令和の共通規格を持ち込んだ「Kiyoaggro」と、かつての古代兵器を持ち込んだ「たるもの」。今回の全勝決定戦は、そんなレガシーの歴史を物語るようなデッキ同士の戦いとなった。

■Game 1

先手はKiyoaggro。Kiyoaggroは1ターン目に《ミシュラのガラクタ》を生贄に捧げて《秘密を掘り下げる者》を展開する傍ら、たるものは《思案》で受けの構えをとっていく。

Kiyoaggroはターンをもらうと、《不毛の大地》でたるものの土地を詰めていく。が、たるものもさらに土地を展開して《稲妻》で《秘密を掘り下げる者》を処理。盤面を更地にしていく。

だが、Kiyoaggroの攻め手は緩まない。ターンをもらったKiyoaggroが展開したクリーチャーは《ドラゴンの怒りの媒介者》。すでに昂揚を達成しており、3/3の飛行クロックがたるものに突き刺さる。

たるものは何とか打開策を講じようとするが、《ドラゴンの怒りの媒介者》を止められない。そうこうしている間に、Kiyoaggroは2枚目の土地をセット。《渦まく知識》2枚を含む墓地のカードを5枚追放し、《濁浪の執政》を5/5で展開する。

一応たるものは《目くらまし》で対処しようとするが、Kiyoaggroも《目くらまし》で対応。盤面に対処不能な飛行クロックが下りてきたところでたるものは投了を宣言した。

Kiyoaggro1ーたるもの0

■Game 2

先手はたるものだが、先に動いたのはKiyoaggro。相手の《目くらまし》をケアしつつ盤面に《秘密を掘り下げる者》を送り込む。更に、《ドラゴンの怒りの媒介者》も展開してくるが、これはたるものが《稲妻》で処理をしていく。

その後たるものも《秘密を掘り下げる者》を展開。互いににらめっこの状況に持ち込まれる。だが、これはKiyoaggroの《稲妻》で処理されてしまう。更にKiyoaggroは2体目の《ドラゴンの怒りの媒介者》を展開していく。たるものは一連の流れを静観。攻めに転ずるタイミングをうかがう。

が、次のターン、事態は風雲急を告げる。《秘密を掘り下げる者》で捲れたカードは《表現の反復》。《ドラゴンの怒りの媒介者》はたるものの《水流破》で処理されるものの、《秘密を掘り下げる者》が《昆虫の逸脱者》へ変身し、たるものに殴りかかっていく。更に《表現の反復》も唱えつつ、アドバンテージ差を生み出していく。

たるものはターンをもらうと、盤面に《敏捷なマングース》を展開。こちらも3点クロックを展開し、Kiyoaggroへ追いついていこうとしていく。

だが、Kiyoaggroは手を緩めない。ターンをもらうと《昆虫の逸脱者》で殴りつつ、2枚目の《表現の反復》を唱えてアドバンテージを確保。更に《沸騰する小湖》から《神秘の聖域》をサーチし、《表現の反復》を積み込んでターンを回す。次のターン、さらに《表現の反復》を唱え、アドバンテージ差を確固たるものとしていく。

たるものは2体目の《敏捷なマングース》を展開してクロックを高めていくが、これを嘲笑うかのようにKiyoaggroは《濁浪の執政》を7/7で展開。更に追加の《秘密を掘り下げる者》も展開していく。

この時点でたるもののライフは7点。地上戦力は《敏捷なマングース》で固めているとはいえ、相手のクロックはすべて飛行を持っている状況。たるものはターンをもらうが、さすがにすべてのクロックを同時に処理することはできず、盤面をたたむこととなった。

勝ったのはKiyoaggro。「これこそが令和の王道である。」といわんばかりに、URデルバーの強さを見せつける試合となった。

Kiyoaggro2ーたるもの0

■デッキリスト

(※たるもの氏はデッキリスト非公開です)

■対戦動画

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