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第62回おうちでレガシー カバレージ Round3 がんきゅー(ボロスイニシアチブ) VS ぴかいち(多色コントロール)

「Control is Dead」。最近のレガシーでよく言われている風説である。

当たり前と言えば当たり前である。何せ今最前線を走っているデッキはURデルバーとイニシアチブ・ストンピィ、そしてリアニメイトといった、相手の妨害をしつつ全速力でぶん殴ってくるデッキたちである。

基本的にギアがかかるまで数ターンかかるコントロールにとって、これらの速度が速いデッキの対応は難しいといっていいだろう。

更に問題となっているのがイニシアチブ・ストンピィの隆盛である。殴り掛かる手段に乏しいコントロールはイニシアチブの対処が難しく、一度《白羽山の冒険者》が出たが最後、延々とアドバンテージを稼ぎ続けられて死亡という展開は珍しくない。

以上のような観点から、現在レガシーでコントロールを使うのはよほどのコアなプレイヤーだけである。というのが筆者の思うところだったのだが、これに待ったをかけるプレイヤーがいる。

今回全勝卓まで勝ち進んだ「ぴかいち」、彼はなんとこの圧倒的向かい風の中「多色コントロール」を持ち込みここまで勝ち上がってきた。それも、天敵であるはずのイニシアチブを1回戦で斬って、今この場に座っているのである。

ここで勝てば、コントロールに対する大きな希望となりえるだろう。だが、それに待ったをかけるのが対戦相手の「がんきゅー」。彼が持ち込んだのは「赤白イニシアチブ」。既に再三書いている通り、コントロールに対して圧倒的な優位を持つデッキである。

「ちゃんと環境を知れば、コントロールで勝つことも出来るんですよ。」

ぴかいちはイニシアチブを前にそう嘯く。果たして、コントロールは現環境で輝くことができるのだろうか。

■Game 1

ぴかいちは《思案》スタートでゆっくりと立ち上がっていくぴかいちに対し、がんきゅーは《むかしむかし》を0マナでプレイ。《混沌の洞窟の冒険者》を手札に加える。

そして《裏切り者の都》と《睡蓮の花びら》から《エメリアのアルコン》をプレイ。多色土地で構成されているぴかいちの動きを大きく阻害していく。

が、がんきゅーの動きがおかしい。鈍ったぴかいちを《エメリアのアルコン》で攻め立てるが、後の土地が続かない。確かに序盤は強力な《エメリアのアルコン》だが、さすがにこれだけで勝てるほどレガシーは甘くはない。

ぴかいちは静かに土地を並べると、4マナ払い《時を超えた英雄、ミンスクとブー》を招聘。逆に動きが鈍り切ったがんきゅーを《ブー》で攻め立てる。

こうなると苦しいのはがんきゅー。何とか《エメリアのアルコン》で《時を超えた英雄、ミンスクとブー》の忠誠度を減らすが、ぴかいちは更に《Comet, Stellar Pup》を盤面へ呼び込む。

即座に忠誠度を起動。出目は2。速攻を持った1/1リスを2体盤面へ展開すると、《時を超えた英雄、ミンスクとブー》の能力でリスを1体4/4へ。そのままがんきゅーへ殴り掛かる。

何もできず、徹底的に小動物にかじられたがんきゅーは、白旗を上げることとなった。

がんきゅー0ーぴかいち1

■Game 2

先ほどは何もできなかったがんきゅー。しかし、2ゲーム目は牙をむいてぴかいちへ襲い掛かる。

1ターン目、まず《平地》《金属モックス》《猿人の指導霊》から《エメリアのアルコン》をプレイ。

そして、ぴかいちの行動を阻害した上で、《古えの墳墓》を展開し《練達の地下冒険家》をプレイ。イニシアチブを得て《地下街》へ潜る。

こうなるとコントロール側は打つ手がない。一応《渦まく知識》を唱えて回答を探すが、3枚ドローしたぴかいちはそのまま盤面を畳んだ。

やはり、コントロールではイニシアチブを越えることはできないのだろうか。

がんきゅー1ーぴかいち1

■Game 3

ラストゲームはぴかいちが先手。しかし、ゲーム開始時、がんきゅーは《別館の大長》を手札から公開。ぴかいちの初動に待ったをかけていく。

静かにぴかいちが土地を置く中、がんきゅーは《魂の洞窟》を置き《金属モックス》を設置。更に《猿人の指導霊》を追放すると、《エメリアのアルコン》をプレイ。これでもかとぴかいちの動きを縛り付ける。

このままイニシアチブ持ちのクリーチャーを展開し、あとは勝利へとひた走るだけ。がんきゅーの顔はさぞかし明るかったに違いない。


ラウンド後、がんきゅーは筆者にこう語る。

「何も引きませんでした…。」

初動に全力を注いだがんきゅーは、嘘のように後続の土地を引くことができず、ぴかいちに大きな猶予を与えることとなってしまった。

ここから先は1ゲーム目と同じである。《剣を鍬に》で《エメリアのアルコン》を処理しつつ、しっかりマナをためたぴかいちは《時を超えた英雄、ミンスクとブー》を招聘。

がんきゅーはそのまま何もできず、ターン毎に巨大化するハムスターにかじられ続けることとなった。

がんきゅー1ーぴかいち2

■デッキリスト

■対戦動画

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