おそとでガンスリンガー ~PC愛知でおうちでレガシー参加者と遊んできた報告~
「できればマッサンと遊びたいですね。というかそう考えている参加者、多いと思いますよ?」
こんなことをおうちでレガシーの参加者に言われたのは、いつの日だっただろうか。おうちでレガシーが軌道に乗り、参加者も増えてきてのタイミングだったと記憶している。
現状おうちでレガシーは主催のワンマン運営。特にフィーチャーを回している都合上、なかなか他のプレイヤーとレガシーを遊ぶという形で触れあうことは難しい。とはいえ、筆者もプレイヤーの端くれ、そりゃ仲良くなったコミュニティメンバーとレガシーを遊びたいよなと思うこともなくはない。
じゃあやればいいじゃん。筆者が非番の時に。
5月25日。プレイヤーズコンベンション愛知。日本を代表する大型MTGイベントだが、日本の真ん中で開催されたためか、日本中に散らばっているおうちでレガシー参加者の多くが参加していたのである。
このチャンスを逃すわけにはいかない。奮い立った筆者は、レガシーのデッキを片手にイベント会場へ赴いた…。
今回の記事は、日頃おうちでレガシーで熱い戦いを繰り広げている参加者と筆者の交流を記録するものである。記憶が怪しいところもあるが、よかったら読んでもらえれば幸いだ。
■使ったデッキ
今回おうち勢と交流するにあたり、主催である筆者が持ち込んだデッキはこちら、「多色コントロール」である。
手札を《渦まく知識》《思案》で整え、相手の行動は《意志の力》といった打ち消しや《剣を鍬に》《力線の束縛》といった除去でコントロール。頃合いを見計らい、《聖カトリーヌの凱旋》や《濁浪の執政》といったフィニッシャーを投下して勝利する。王道を征くコントロールデッキである。
このデッキの中核をなすのが《豆の木をのぼれ》。5マナ以上の呪文を唱えると1ドローオマケで付いてくるエンチャントなのだが、これが明らかにトチ狂った性能をしており、一旦出たが最後、ほぼ手札が尽きることなく走り切ることが出来る。
「多様性あふれるおうちのデッキに対してこんなコチコチのコントロールデッキで挑むのか。」「豆に付き合わされる相手がかわいそう。」という声が聞こえてくるかもしれないが、筆者は相手の出方を常にうかがうコントロールこそ、真に相手と対話するデッキだと心の底から信じている。従って、今回の企画に最もフィットしたデッキと言えるだろう。
なお余談だが、筆者はレガシーはおろか、最近MTGをとんとやっていない。最後に本腰を入れてやったのが、2月のPC横浜におけるチームモダンである。こんな状況で何故コントロールを握ろうとしたのか。真相は闇の中である。
■いざ尋常に始めッ!!
というわけでここからは、実際にプレイしたプレイヤーたちとの戦いを見直していこう。今回相手できたのは8名。どのプレイヤーも個性的かつ実力派のプレイヤーたちだ。果たして筆者の実力は?!
1人目 リクさん(赤単プリズン)
G1 〇
相手の置物を全て《力線の束縛》で吹き飛ばし、出てきたクロックを《剣を鍬に》でプチプチと潰していたらナチュラル奇跡で《聖カトリーヌの凱旋》が顕現。リクさんの「あんなもんどうしようもねえよ!!!!」という 心地よい 悲鳴を聞きながら完走
G2 ×
今度は向こうが初手《血染めの月》を展開してこっちが「こんなもんどうしようもねえよ!!!!」と吠える番。そしてドロースペルも《虚空の杯》で封じられ、あれよあれよという間に《舷側砲の砲撃手》と《ゴブリンの熟練扇動者》が出てきておうち大炎上。おうイベント運営に対してなんじゃその暴挙は!!!!
G3 〇
という家主の 怨念 願いが届いたか、最終ゲームはリクさんが序盤に何も動けず、こちらが準備を整えねっとりとコントロール。出てきた《未認可霊柩車》は《活性の力》で吹き飛ばしつつ、最終的には素で出した《聖カトリーヌの凱旋》をぶん投げて工事完了。長く苦しい戦いでした。
2人目 クララさん(ANT)
G1 ×
《思考囲い》を《意志の力》で打ち消すも、その後の手札は《剣を鍬に》×2と《力線の束縛》×2。こちらの手札を見透かされたか、続くターンでいきなり《水連の花びら》《ライオンの瞳のダイアモンド》を怒涛の勢いで展開。そして《冥府の教示者》。ここで自分の死を悟り自決を選びました。
G2 ×
なかなか仕掛けてこねえな…?と思ってたら《燃え立つ願い》で《精神の願望》をサーチされ、続くターンでプレイ。お祈りで《夏の帳》をぶん投げて「全部土地めくってくれ~頼む~!!!!」と願うも、めくれたカードがよりによって《むかつき》《暗黒の儀式》《思案》に土地2枚とこの世の終わりのようなラインナップ。
最終的に《むかつき》で手札を整えられ、ありったけのストームを稼がれた後に《燃え立つ願い》→《ぶどう弾》で乙。横でこの試合を見ていたえむたろうさんの「なんでこんなド不利な試合をやってるんですか?」というコメントが今でも忘れられません。俺も分かんねえよ!
3人目 オムニ太郎さん(《ドラゴンの接近》コンボ)
G1 〇
《ウルザの物語》でトークンを並べられ、《ドラゴンの接近》でライフを詰められそうになるも、何とかトークンを除去で一掃して《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を叩きつけて終了。ギリギリのタイミングで置かれた《罠の橋》にヒヤッとしましたが、運よく《力線の束縛》を引けて勝ち。
G2 〇
今度は《ゴブリンの技師》を展開され《罠の橋》をグルグルされそうになるも、除去でキッチリ足止め。後はしれっと出てきた《聖カトリーヌの凱旋》で勝利。2マナ5/5ってこいつ強すぎませんか?
4人目 しみさん(アルーレン)
G1 ×
コントロール相手にいきなりコンボブッパしてくるわけねえだろ~と高をくくっていたら手元に打ち消しがない状態でいきなり《魔の魅惑》が着地。そしてノーコストで飛び出す《護衛募集員》。後は皆様のおもちゃです。
G2 ×
続くゲームではサイドボードから入った《門衛のスラル》が炸裂。相手のEtBを全て封じて気分が良くなったか、ここで調子に乗って《門衛のスラル》を走らせる。
が、何も考えていないマッサンに対して天罰が。しみさんは《魔の魅惑》を展開すると、インスタントタイミングで《洞窟のハーピー》を展開。《門衛のスラル》が討ち取られると焦ったマッサンは《剣を鍬に》で除去に走る。しかし、ここでしみさんは《洞窟のハーピー》を手札に戻して再展開。
討ち取られる《門衛のスラル》。飛び出す《護衛募集員》。折れるマッサンの心。何故ブロック指定時に除去を撃たなかったのかは永遠に謎のままです。
5人目 ちよがみさん(ジェスカイ石鍛冶)
G1 〇
出てくる石鍛冶を《剣を鍬に》でプチプチし、そのまま展開が鈍ったところにクロックを投げ込むがちよがみさんも《剣を鍬に》で応対。しかし《豆の木をのぼれ》がある分こちらの方が若干有利に。
最終的に《同化の神盾》で奪われた《聖カトリーヌの凱旋》を《力線の束縛》で奪い返すことで完全に盤面がコチラに傾き終了。
G2 〇
な~んかちよがみさん基本土地しか持ってこないなぁ?と思っていたらおもむろに飛んでくる《血染めの月》。心臓発作を起こしかけるもこれは《意志の力》で処理して一安心。しかし、直後にお代わりと言わんばかりに2発目の《血染めの月》が。
通常ならもうお手上げの状態なのだが、幸い盤面には1ターン目に置かれていた《花の絨毯》が。これにより必要なマナを捻出しつつ、《ロリアンの発見》で《島》をサーチして最低限の色マナを確保。最終的には《力線の束縛》で《血染めの月》を吹き飛ばしてムチャクチャして勝利。色いっぱい出せる方が強い(暴論)。
6人目 えむたろうさん(ティムールデルバー)
G1 ×
なんかしれっと《探索するドルイド》が出てきたな…。→えっなんかものすごい速度で巨大化してませんか…?→ウァァ!!オレモイッチャウゥゥゥ!!!ウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウ!イィィイィィィイイイィイイイイイイイイイイイイ!!(死)
G2 ×
2ゲーム目は「いのちだいじに」を前提に《自然の怒りのタイタン、ウーロ》をプレイするも《紅蓮破》→《外科的摘出》で対策される。この際ライブラリーを全部見られるもその際に「うわあ全部デルバーが嫌なカードで構成されてるよ…。えぇ…?《害虫駆除》まであるじゃん…。俺どうなっちゃうんだよ…!」という最高のコメントを頂く。
ゲームは最後までシーソーゲームが続くが、ゲーム最終盤、調子に乗ったマッサンが序盤にサイクリング下《ロリアンの発見》を《神秘の聖域》で回収。そのまま次のターンでドローしてプレイ。一気にアドバンテージの差を見せつけたるわ!!死ねいえむたろう!!!
えむたろうさん「(序盤に《秘密を掘り下げる者》の誘発で見せていた)《紅蓮破》撃ちます。」
マッサン「あっ忘れてた(素)。」
俺の脳みそどうなっちゃうんだよ…!(その後しれっと出てきた《濁浪の執政》により撲殺)
7人目 ウルザさん(リアニメイト)
G1 ×
横に座っている今岡スピードフォルム監督から「ありえへんプレイ」「もう何が正解かわからん」「勝ちに行く気がない」というありったけの声援を頂き無事敗北。あまりにムチャクチャされ過ぎて記憶があいまいですが、《グリセルブランド》にボコボコにされたことだけかすかに覚えています。
G2 ×
序盤に《ダウスィーの虚空歩き》がしれっと登場。そのまま有効な手立てがないまま《実物提示教育》が。そして飛び出す《残虐の執政官》。
何とか巻き返しを図るも更に飛び出す《月の大魔術師》。これに対して《意志の力》を放つも、《ダウスィーの虚空歩き》に追放されていた《意志の力》が炸裂。なすすべがなくなり切腹。
8人目 DENSONさん(黒単)
G1 ×
何も考えずに1ターン目にフェッチを切ったら《暗黒の儀式》→《敵対工作員》が飛び出て試合終了。どうすればよかったんですか?
G2 〇
相手の《オークの弓使い》に一生苦しめられるも、何とか《聖カトリーヌの凱旋》が奇跡で駆けつける。ここに対しDENSONさんは《突然の布告》で処理。盤面の優位性を保とうとする。
しかしこの《聖カトリーヌの凱旋》、なんと死亡してもライブラリートップ7枚のうちに戻ってくれるという機能がついており、再度奇跡コストで唱えていく。
DENSONさんはありったけの除去を《聖カトリーヌの凱旋》に注ぎ込むも、こちらが《豆の木をのぼれ》を展開していたこともあり、最終的にこちらに盤面が傾き試合終了。いや君ホント強いな?!
G3 〇
最終ゲーム。《豆の木をのぼれ》を2枚貼り付け、そのままアドバンテージの暴力で封殺。《濁浪の執政》と《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を2枚出してムチャクチャやれるのは最高ですね。
■終わりに
結果4勝4敗!疲れた!!!日頃MTGをプレイしていない身には8戦は応えました。
久しぶりにレガシーをプレイした感想としては、やはり面白い!というのが噓偽りない感想である。気張らなくプレイできた相手だったからこそ、このような感想が出てきたのかもしれない。
デッキを使ってみた感想としては、強いカードをありったけ集めたデッキは楽しい~!!!!最高~!!!!というものである。無論強いカードを集めて勝てるほどカードゲームは甘くない。そこの駆け引き含め、非常に面白いデッキという印象である。競技イベントで回せと言われたら無理な類のデッキではあると思います。
改めて、今回筆者と遊んでくださったおうち勢の皆様に感謝を。また、今年はオフラインでイベントを開催する予定である。その際に機会があれば、ぜひ筆者と遊んでほしい。それではまた!