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第98回おうちでレガシー カバレージ Round3 Nonka(Nic Fit) VS パトリオット杉井(ジュエルショップ)

「Nic Fit」。「レガシーのメタ上位デッキに基本土地は使われづらい」という事を逆手に取り、基本土地を多数採用。《老練の探検家》を生贄に捧げることで一方的にリソースを伸ばし、一気に相手に対する圧力を高めていくミッドレンジデッキである。

基本的な構造は基本土地+《老練の探険家》+それを生贄に捧げる手段だけ。なので、空いたスペースに何を入れ、勝利まで繋げていくかはそのプレイヤーのセンスが問われることとなる。

今回「Nonka」が組み込んだのは、先の日本レガシー選手権で話題になった「《煙霧の連鎖》コンボ」。《ウィザーブルームの初学者》がいる状態で《煙霧の連鎖》を自分に撃ち、無限に《煙霧の連鎖》のコピーを生成することで勝利するデッキである。

《悲嘆》《敵対工作員》も採用されていることから、この手のデッキにありがちな「コンボ相手に何も手が出せない」という状況もある程度改善されている。元々フェアデッキ相手にもがっぷりよつで対応できることから、幅広い相手に対応ができるデッキと考えていいだろう。

これに対するは「パトリオット杉井」。彼がチョイスしたデッキは「ジュエルショップ」。《厳かなモノリス》といったマナアーティファクトで一気に出力を上げ、《切望の宝石》や《一つの指輪》でドローを加速。あとは十分なマナ出力を確保出来たら、《大いなる創造者、カーン》で蓋をしてゲームを終わらせる、いわゆる茶単の系譜のデッキである。

ゲームレンジ全体はNic Fit有利。しかし一方で、初動の勢いはジュエルショップに分がある。第98回おうちでレガシー全勝決定戦、このマッチの行く末は。

■Game 1

1ゲーム目、さっそくNonkaが《陰謀団式療法》で杉井の手札を確認にかかる。公開された手札は《古えの墳墓》2枚と《水連の花びら》《厳かなモノリス》《実物提示教育》《意志の力》。

杉井がこの手札で何もできないと判断したか、Nonkaは続くターンで《オークの弓使い》を展開。そのまま生成した動員トークンをコストに《陰謀団式療法》をフラッシュバック。後々問題になってくる《実物提示教育》を捨てさせていく。

有効牌が引き込めない杉井に対し、Nonkaは更に《ウィザーブルームの初学者》も展開。いよいよ追いつめられた杉井は、ここで《一つの指輪》を展開するが、その顔色は芳しくない。このターンプロテクションすべてを得てはいるものの、目の前には《オークの弓使い》がいるため、続くターンで追加のドローが出来ないのである。

ひとまず杉井は《ファイレクシアの変形者》を展開。そのまま《ウィザーブルームの初学者》を落としにかかる。しかし、ターンを貰ったNonkaは除去された《ウィザーブルームの初学者》に対し《再活性》。盤面へと引き戻したうえで、隙あらばドローを決めていくぞと杉井に圧をかけていく。

追いつめられた杉井は《ディスプレイサーの仔猫》をプレイ。そのまま《金属モックス》をプレイし《ファイレクシアの変形者》をブリンク。《オークの弓使い》のコピーとし、Nonkaの《オークの弓使い》を処理。《一つの指輪》でドローが出来る状態に持ち直し、事態の立て直しを図る。

しかし、有効打に繋げられないか、ドローを進めていく杉井の顔は晴れない。これを好機と踏んだか、Nonkaは《煙霧の連鎖》をプレイ。対応が取れなかった杉井を、一瞬にして黒い霧が覆いつくした。

Nonka1ー杉井0

■Game 2

続くゲーム、杉井が《古えの墳墓》をセットする中、Nonkaが《意志の力》をコールし《陰謀団式療法》をプレイするところからスタート。公開された手札は《意志の力》《Copy Artifact》《一つの指輪》《大いなる創造者、カーン》《水晶鉱脈》と《意志の力》。1ゲーム目とは異なり、爆発力のある手札を前にNonkaの顔が険しくなる。

杉井はターンを貰うと《水晶鉱脈》をセット。そのまま引き込んだ《厳かなモノリス》を展開し、《一つの指輪》をプレイ。一気に自分のペースに引き込んでいく。

Nonkaは《老練の探険家》を展開。そのまま生贄に捧げ自分を対象に《陰謀団式療法》をフラッシュバックし、《老練の探険家》の能力で土地を増やしていく。公開する手札は《煙霧の連鎖》《紅蓮破》《夏の帳》《陰謀団式療法》と、相手の妨害には長けているものの、これと言って攻め手に欠ける手札である。

これを好機ととらえたか、杉井は《一つの指輪》でドローを加速すると《大いなる創造者、カーン》を展開。ひとまず+1能力で様子を見る。Nonkaは《陰謀団式療法》《煙霧の連鎖》で手札を捨てにかかるが、時すでに遅し。

ターンが返ってきた杉井は《大いなる創造者、カーン》の-2能力を起動。当然サーチするカードは《マイコシンスの格子》。完全に動きを封じられたNonkaを前に、杉井は《大いなる創造者、カーン》の+1能力で《マイコシンスの格子》をクリーチャー化。一気にNonkaのライフを削り切り、杉井が2ゲーム目を勝ち取っていく。

Nonka1ー杉井1

■Game 3

最終ゲーム。ダブルマリガンを強いられ苦しい立ち上がりとなる杉井に対し、Nonkaは《悲嘆》を想起コストでプレイ。公開された手札のうち、脅威となる《実物提示教育》を対処していく。更に2枚目の《悲嘆》を想起コストでプレイし、今度は《意志の力》もはたき落す。

全く何もできない状況に追い込まれる杉井に対し、Nonkaが送り込んできたクリーチャーは《老練の探険家》。普段はこの後《陰謀団式療法》のコストに充てたり、《ファイレクシアの塔》で生贄に捧げ、土地を伸ばしていくのがNic Fitの戦い方である。

が、Nonkaはターンを貰うと、更に2枚目の《老練の探険家》を展開。そのまま2体の1/1クリーチャーで杉井のライフを削りにかかる。

Nonkaは土地を伸ばすと、引き込んだ《陰謀団式療法》をプレイ。杉井の手札を確認し、そのままフラッシュバック。土地を伸ばしつつ、手札に引き込まれた《意志の力》を対処していく。

伸びた土地でNonkaは《ウィザーブルームの初学者》をプレイするが、これは杉井の《四肢切断》により対処される。しかし、ファイレクシアマナの支払いにより、杉井のライフは危険な水準まで落ち込んでしまう。

Nonkaはこの機を逃さず、残った《老練の探険家》でライフを削りつつ、更にダメ押しと言わんばかりに《緑の太陽の頂点》をX=2でプレイ。杉井にとって天敵たりえる《溜め込み屋のアウフ》を盤面に展開する。

打つ手なし。杉井は右手をNonkaへ差し出した。

Nonka2ー杉井1

■デッキリスト

■対戦動画


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