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第99回おうちでレガシー カバレージ Round1 けんだま(エスパー石鍛冶) VS ちよがみ(セファリッド・ブレックファースト)

《石鍛冶の神秘家》。あらゆる装備品をサーチでき、更に2マナで装備品を手札から展開できるクリーチャーである。

このクリーチャーの有用性は非常に高く、特に生体兵器を内蔵した《殴打頭蓋》や《カルドラの完成体》を筆頭とした強力な装備品とタッグを組み、あらゆるフォーマットで活躍してきた。

それはレガシーでも変わらない。例えば「けんだま」の使う「エスパー石鍛冶」はその筆頭だろう。相手の行動を《思考囲い》や《意志の力》、《剣を鍬に》などで阻害しつつ、《覆いを割く者、ナーセット》《時を解す者、テフェリー》で《石鍛冶の神秘家》をバックアップして勝利するコントロールデッキである。

しかし、現在のレガシーにおいては、エスパー石鍛冶では行動が阻害できないデッキが多数を占めている。そのため、《石鍛冶の神秘家》を用いるデッキも様相が変わってきている。「ちよがみ」の持ち込んだ「セファリッド・ブレックファースト」は、そんなデッキの好例だろう。

根っこは《セファリッドの幻術師》によるセルフミルを内蔵したコンボデッキだが、ここに《石鍛冶の神秘家》の神秘家を追加することで、コンボパーツである《手甲》のサーチが可能になったり、また他の装備品をサーチすることで、フェアデッキ風に立ち回ることも可能となる。

エスパー石鍛冶を「受け」のデッキとするならば、コチラは「攻め」のデッキである。同じカードを使いながら、その方向性は全く違う。《石鍛冶の神秘家》に対して逆風吹き荒れるこの環境をうまく切り抜けていくのは、どちらのプレイヤーか。

■Game 1

けんだまは早速ちよがみに《思考囲い》をプレイ。公開されたちよがみの手札は《通り抜け》《コーの遊牧民》と土地4枚。コンボパーツがサーチ可能な《通り抜け》を捨てさせ、けんだまはターンを回す。対するちよがみは《コーの遊牧民》を展開してゴー。

続くターンでちよがみは《石鍛冶の神秘家》を展開。新セットで新たに追加された《謎めいた外套》をサーチし、けんだまに圧力をかけていく。対するけんだまは《剣を鍬に》を2枚使い、《コーの遊牧民》《石鍛冶の神秘家》を処理し、盤面を平らにしていく。

その上で、けんだまは《覆いを割く者、ナーセット》を展開。ちよがみのドローを制限しつつ、自身は-2能力で《虹色の終焉》を手札に加え、盤面を押し返していく。

しかし、ちよがみはひるむことなく2体目の《石鍛冶の神秘家》を展開。コンボパーツである《手甲》をサーチしていく。けんだまは先ほど手札に加えた《虹色の終焉》で《石鍛冶の神秘家》を処理しにかかる。

もちろん《石鍛冶の神秘家》が処理されることは織り込み済み。ちよがみはターンを貰うと、先ほどサーチした《手甲》、そして引いてきた《セファリッドの幻術師》を盤面に展開する。

打ち消しがなかったか、けんだまは苦い顔をしつつ「対応なし」の宣言。ちよがみは《手甲》の装備能力を《セファリッドの幻術師》に起動し続け、自分のライブラリーを全て削り切る。その上で、墓地に直接落ちた《ナルコメーバ》を3体盤面に戻し、それらの生贄をコストに《戦慄の復活》をフラッシュバック。

盤面に戻すのは《タッサの神託者》。特殊勝利条件を達成したちよがみがまず1本取っていく。

けんだま0ーちよがみ1

■Game 2

続くゲーム。ちよがみは1ターン目に《ウルザの物語》を展開。このまま《手甲》をサーチし、一気にコンボへひた走る構えを取っていく。

更にちよがみは2ターン目に《石鍛冶の神秘家》をプレイ。1ゲーム目同様《謎めいた外套》をサーチし、盤面でのやり取りも意識させていく。

…が、ここでけんだまが展開したカードを前に、ちよがみは頭を抱える。

けんだまが瞬速で展開したクリーチャーは《封じ込める僧侶》。唱えずに盤面に展開されるクリーチャーを追放するヘイトベアーであるこのクリーチャーは、本筋のコンボルートはもちろんのこと、先ほどサーチした《謎めいた外套》も機能しなくなってしまうのである。

その上でけんだまは《思考囲い》をプレイ。ちよがみの《虹色の終焉》を捨てさせ、《封じ込める僧侶》を確固たるものとしていく。

ちよがみは《ウルザの物語》で《手甲》をサーチ。その上で2枚目の《手甲》も展開し、両方を《石鍛冶の神秘家》へ装備して殴っていく。が、当たり前のように《剣を鍬に》で処理される。

ちよがみは何とか目の前の《封じ込める僧侶》を処理しようと《些細な盗み》でバウンスしていくが、焼け石に水の状況である。しっかりと時間を稼げたけんだまは、そのまま《濁浪の執政》を叩きつける。大きく育ち切った竜を前に、ちよがみは盤面を畳んだ。

けんだま1ーちよがみ1

■Game 3

1ターン目にちよがみが《コーの遊牧民》を展開する中、けんだまは《思考囲い》。コンボパーツである《セファリッドの幻術師》をはたき落とすが、公開された《ウルザの物語》を前に表情が硬くなる。

この《ウルザの物語》、先ほどは1ターン目に展開されたためそこまでの狂井ではなかったが、マナが出る状態で展開されると、無視できないサイズのトークン2体とアーティファクトを展開する、いわば1枚でパーマネント3枚を生成するカードなのである。

基本的に1対1交換を繰り返すエスパー石鍛冶にとっては、天敵ともいえるこのカード。あたりまえのようにちよがみはトークンを生成し《手甲》をサーチ。けんだまのライフを削りにかかる。

しかし、けんだまも黙ってはいない。けんだまは《オークの弓使い》を展開し、《コーの弓使い》を処理しつつ、《獅子の飾諸》を展開し、けんだまの土地を追放しつつ、ちよがみの構築物トークンににらみを利かせていく。

ちよがみに《剣を鍬に》で《オークの弓使い》を処理されるものの、そのまま早期にゲームを終わらせた方が良いかと判断したか、けんだまは《濁浪の執政》をプレイ。ちよがみの構築物トークン以上のクリーチャーを展開しつつ、圧力を強めていく。

が、ちよがみは冷静に《些細な盗み》で《獅子の飾諸》をバウンスすると、《濁浪の執政》を《剣を鍬に》で対処していく。けんだまも《剣を鍬に》でトークンを1体処理していくが、追い付かない。

更にちよがみは再展開された《獅子の飾諸》を《虹色の終焉》を処理し、残ったクリーチャートークンでコンバット。けんだまも負けじと《瞬唱の魔道士》を展開し、《剣を鍬に》をフラッシュバックしトークンを処理。まさかのカードにちよがみは色めき立つが、落ち着いて物語領域から《厚かましい借り手》をプレイ。けんだまのライフを継続して削っていく。

そして、彼がトドメと言わんばかりに展開したカードは《謎めいた外套》。盤面に展開することで偽装によりライブラリートップを裏向きの2/2クリーチャーとして生成。そのまま装備し、護法2アンブロッカブル3/2として盤面に叩きつけていく。さらに《手甲》も装備させ、4/2にした状態でけんだまにターンを返す。

この時点でけんだまのライフは4。リーサルともいえるクリーチャーを前に、ひとまず《瞬唱の魔道士》→《剣を鍬に》で《厚かましい借り手》を対処。

その上でターンを貰い、《渦まく知識》をプレイ。しばし悩んだ後、5マナ払いプレイしたのは《殴打頭蓋》。エスパー石鍛冶の象徴ともいえる装備品だが、これにより生み出された4/4警戒絆魂クリーチャーでは、目の前のアンブロッカブルクリーチャーを食い止めるには至らなかった。

けんだま1ーちよがみ2

■デッキリスト

■対戦動画


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