第66回おうちでレガシー カバレージ Round2 Sator(ディスプレイサー・コンボ) VS Kiyoaggro(ティムールデルバー)
コンボデッキには大きく分けると2通り存在する。
1つは、「デッキ全体でコンボを達成するデッキ」だ。多数の呪文を唱えて《苦悶の触手》のようなストーム呪文につなげるストームデッキや、墓地に多数のカードを叩き落とし、そこから勝利を狙うホガークヴァインやドレッジなどはこれに分類されるだろう。
もう1つは、「核となるパーツが限定されており、それをサポートするカードで残りを構成するコンボデッキ」だろう。《実物提示教育》《騙し討ち》などで高マナ域のカードを叩きつけるスニーク・ショーや、《丸砥石》と《絵描きの召使い》でライブラリーをすべて削り切るペインターが代表的だろうか。要はコンボをドロースペルで安定化させたり、打ち消しで保護したり、《ウルザの物語》などの第二の勝ち筋を用意するタイプのデッキだ。
「Sator」が持ち込んだ「ディスプレイサー・コンボ」は後者に該当する。コンボを構成するカードは《ディスプレイサーの仔猫》と《時を解す者、テフェリー》、そして0マナのアーティファクトである。なので、後の構成は人に寄りけりなのだが、Satorは今回、相手の行動を阻害しつつコンボを狙いに行くデッキにしたとのことだ。
対するはコンボの天敵であるクロックパーミッション「ティムールデルバー」。《表現の反復》を失いこそすれ、《意志の力》《目くらまし》といったコンボへの干渉力はいまだ健在。クロックも従来のデルバーに《タルモゴイフ》を加えてかなり圧の高いものとなっている。
これを握るのはレガシーデルバー界の雄「Kiyoaggro」。相手にとって不足なしと、武者震いをしながら席に着くSator。緊張の中、二回戦が幕を開ける。
■Game 1
Kiyoaggoが《ドラゴンの怒りの媒介者》を展開し、攻めの姿勢を取る中、Satorは土地を並べると《支配の片腕、ドビン》を展開。まさかのカードにKiyoaggroは面食らうが、インスタントとソーサリーに対するマナ増量、およびクリーチャーの与えるダメージを軽減する能力が地味に突き刺さる。
苦労してこれを処理しにかかるKiyoaggroに、更にSatorは《覆いを割く者、ナーセット》を追加。Kiyoaggroの追加ドローを防いでいく。
Kiyoaggroは2体目の《ドラゴンの怒りの媒介者》を展開し、何とか《支配の片腕、ドビン》を処理する。その後、《濁浪の執政》《秘密を掘り下げる者》を展開し、一気に圧力を高めていく。
しかし、ここでSatorが展開したカードは、よりによって攻撃クリーチャーから完全に身を守ることが可能な《罠の橋》。打ち消しが用意できていなかったKiyoaggroはこれの着地を許してしまう。
こうなるとKiyoaggroに残された手段は1つ。うまくクロックを並べ、デッキに唯一入っている《厚かましい借り手》を引き込み、《些細な盗み》で《罠の橋》を手札に戻させるしかない。
なのだが、既にドローを阻害する《覆いを割く者、ナーセット》は盤面に展開済み。結果、Kiyoaggroは《厚かましい借り手》を引き込むことができず、Satorのコンボ完遂を見届けることしかできなかった。
Sator1ーKiyoaggro0
■Game 2
2ゲーム目は、Kiyoaggroの攻めが炸裂する。
まず《ドラゴンの怒りの媒介者》を展開し《ミシュラのガラクタ》をプレイ。ドローの質を高めつつ、次のターンに展開したクリーチャーは《タルモゴイフ》。
一気に高打点のクリーチャーを展開されたSatorはたまらず《意志の力》。しかし、Kiyoaggroもこれに応じる形で《意志の力》を撃ち込み、巨獣を盤面に送り出す。
Satorは《罠の橋》で引きこもろうとするが、手札が消費しきれておらず、Kiyoaggroのクロックを抑え込むに至らない。
続くターン、Satorは手札を減らして引きこもりを図るが、勢いは止まらない。Kiyoaggroは《稲妻》を撃ってSatorのライフを減らしつつ、《些細な盗み》で《罠の橋》をバウンス。昂揚を達成した《ドラゴンの怒りの媒介者》と《タルモゴイフ》でSatorのライフを1点まで削り取る。
Satorは苦い顔をしつつ《罠の橋》を再展開するが、デルバー相手にライフを3点以下に割り込んだプレイヤーの行く末は言うまでもない。
Kiyoaggroは《思案》をプレイ。シャッフルしてドローすると、続いて《渦まく知識》。ドロースペルを2回撃った後、Kiyoaggroは《稲妻》をSatorへプレイ。2ゲーム目はKiyoaggroが取り返す形となった。
Sator1ーKiyoaggro1
■Game 3
《トーモッドの墓所》を置いて墓地を咎めるSatorに対し、Kiyoaggroは《秘密を掘り下げる者》を展開。墓地を経由せずとも攻めていけると主張していく。
対するSatorは《支配の片腕、ドビン》をプレイ。これはKiyoaggroの《意志の力》が突き刺さる。再度《支配の片腕、ドビン》をプレイするが、これも2枚目の《意志の力》でさばかれる。
そうこうするうちに、Kiyoaggroの《秘密を掘り下げる者》が変身。《昆虫の逸脱者》になりSatorのライフを削り始める。変身の際に公開したカードは《削剥》。先のゲームで煮え湯を飲まされた《罠の橋》を処理できるカードである。
マウントを取っていくKiyoaggroだが、Satorはそのマウントを跳ねのけようと《時を解す者、テフェリー》を展開。Kiyoaggroの《昆虫の逸脱者》を手札に戻していく。
更に、Satorは《罠の橋》を展開。先のゲーム同様引きこもりを図っていく。これに対し、Kiyoaggroは《削剥》をプレイ。ゲームの主導権を譲らない姿勢を取っていく。
が、これに対し、Satorは《意志の力》。乾坤一擲の《削剥》がさばかれたKiyoaggroは渋い顔をする。なんせこのカード、サイドボードから1枚しか入っておらず、これ以外で盤面に定着した《罠の橋》を処理しようとすると、もうあとの手は《溶融》くらいしかないからである。
この時点でKiyoaggroは2回《意志の力》を撃っており、もはや青色吐息同然。ここまでされたSatorに対してついていくことができず、1ゲーム目同様、Satorのコンボを完遂するところを見届けゲームセット。
勝者Sator。苦手なクロックパーミッションを跳ねのけ、勝利をつかみ取った。
Sator2ーKiyoaggro1
■デッキリスト
■対戦動画
(※運営の都合上、3ゲーム目が全て映されていません。ご了承ください。)
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