第66回おうちでレガシー カバレージ Round3 はむすたぁー(セファリッド・ブレックファースト) VS Kevin Hsu(青黒リアニメイト)
「アンフェアデッキの春」。現在のレガシーを一言で表すならば、この言葉がしっくりくるだろう。
《完全なる統一、アトラクサ》の登場、《表現の反復》禁止によるデルバーデッキの弱体化、そして、それによる《ウルザの物語》の相対的な地位の向上などなど、様々な要因が考えられるが、事実として、現在レガシーには数多くのアンフェアデッキがあふれかえっている。
そして、そういうメタゲームで勝ちあがってくるデッキは何なのかというと、「干渉手段を取りそろえたアンフェアデッキ」だろう。相手の行動を《意志の力》などで捌き、こちらの勝ち筋を叩きつければ勝てるというわけである。
今回全勝決定戦に残った「はむすたぁー」と「Kevin Hsu」の両名は、そんな干渉手段を取りそろえたアンフェアデッキを使っているプレイヤーである。
はむすたぁーのデッキは「セファリッド・ブレックファースト」。対象に取ることでライブラリーを切削することができる《セファリッドの幻術師》に対し、「0マナで対象に取ることができる起動型能力」を持つ《コーの遊牧民》《手甲》などを展開。ライブラリーを全て墓地に送り込み勝利するデッキである。
基本構造はこれだけなので、空いた枠には相手の妨害を無効化する《時を解す者、テフェリー》などが採用されているほか、《手甲》と相性のいい《ウルザの物語》《石鍛冶の神秘家》といったプランBが搭載されているという強みがある。
一方のKevinが持ち込んだデッキは「青黒リアニメイト」。元々は《信仰無き物あさり》との兼ね合いで、赤黒の組み合わせで組まれることが多かったリアニメイトだが、《完全なる統一、アトラクサ》の登場で事情が一変。
「無理なく青いカードを4枚詰むことが可能」ということから、《意志の力》を採用することが可能となり、これにより相手のコンボや打消しを妨害して勝利する事が可能となったのが、この青黒リアニメイトである。サイドボードから《実物提示教育》を採用できるようになり、墓地対策に一層強くなったというのも評価が高い。
互いに妨害手段込みのアンフェアデッキ。激しい攻防が予想される最終戦だが、その結末は。
■Game 1
はむすたぁーは先手を貰うと、《セファリッドの幻術師》を展開。早くもコンボに王手をかけていく。対するKevinは想起コストで《悲嘆》を展開。はむすたぁーの手札を確認していく。
手札は《意志の力》2セットと《セファリッドの幻術師》《コーの遊牧民》《ウルザの物語》。Kevinはこの中から、コンボパーツとなる《コーの遊牧民》を処理していく。
その後、《ウルザの物語》を展開するはむすたぁーに対し、Kevinは《納墓》をプレイ。ライブラリーから《グリセルブランド》を墓地へ埋めていく。
Kevinはその後、《動く死体》をプレイ。これははむすたぁーの《意志の力》にかき消されるが、続く2枚目の《動く死体》は無事解決され、盤面に《グリセルブランド》が躍り出る。早速7枚ドローするKevinだが、思うようなカードが引けず、そのままクリンナップを解決してターンをはむすたぁーへ回す。
そして、Kevinがここで動けなかったことが、このゲームの勝敗を決定づけることとなる。
はむすたぁーは《ウルザの物語》からトークンを生成しターンを貰うと、第三章を迎えた《ウルザの物語》から《手甲》をサーチ。
「装備0」のテキストが燦然と輝く装備品を前にしたはむすたぁーは、さっそく《セファリッドの幻術師》を対象に装備能力を起動。あっという間にライブラリーを切削して空にする。
切削の過程で墓地に落ちた《ナルコメーバ》が盤面に帰り、そのままはむすたぁーはフラッシュバックで《陰謀団式療法》をプレイ。《意志の力》をコールしてKevinの手札を確認する。
Kevinの公開された手札に《意志の力》はなかったことを確認したはむすたぁーは《戦慄の復活》をフラッシュバック。墓地から《タッサの神託者》を釣り上げる。
勝利条件を満たしたはむすたぁーが、1本目を取っていく。
はむすたぁー1ーKevin0
■Game 2
続く2ゲーム目、ゆっくり立ち上がるはむすたぁーに対し、Kevinは《悲嘆》をプレイ。公開された手札は《思案》《手甲》《目くらまし》《ウルザの物語》《島》《Underground Sea》、そして《外科的摘出》。Kevinはもちろん《外科的摘出》を捨てさせてターンを回していく。
その後、はむすたぁーは《思案》で手札を整えつつ、《ウルザの物語》をセット。コンボではなく、構築物トークンによるビートダウンに舵を切る。
対するKevinは《入念な研究》をプレイ。《エメリアの盾、イオナ》を墓地に送り込み、これを《動く死体》で釣り上げる。はむすたぁーは引いてきた《外科的摘出》による妨害を試みるも、これは《意志の力》により阻まれる。
Kevinが《エメリアの盾、イオナ》により封印した色は「白」。セファリッド・ブレックファーストに採用されている《石鍛冶の神秘家》を嫌っての選択だろうか。確かに、この後負けうるとしたら《石鍛冶の神秘家》から《カルドラの完成体》をサーチされることくらいだろう。
しかし、はむすたぁーは不敵に笑い、《ウルザの物語》からトークンを生成しながら土地を増やす。
そして5マナたまった段階で、はむすたぁーは《通り抜け》をプレイ。普通はウィザードである《セファリッドの幻術師》サーチのために入れられているカードだが、この盤面では《エメリアの盾、イオナ》に触れることができる、最も強力な一打である。
盤面が空になったKevinに対し、先に展開した構築物トークンが容赦なく襲いかかり試合終了。柔軟な攻め手を見せたはむすたぁーが、今週の全勝プレイヤーに輝いた。
はむすたぁー2ーKevin0
■デッキリスト
■対戦動画
よかったらサポートして頂けると幸いです。MTGアリーナの活動などに充てたいと思います。