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第69回おうちでレガシー カバレージ Round3 シェリ(ヴァラクート) VS スン(Doomsday)

今、「Doomsday」がアツい。レガシー全体の話ではない。このイベント、「おうちでレガシー」においてである。

元々「自分がやりたい事をやりたい」という欲望に忠実なデッキを各々が持ち込んだ結果、アンフェアデッキが横行している環境ではあるのだが、ここ数回持ち込まれたデッキの傾向を見ると、何故かDoomsdayを持ち込むプレイヤーが多い。

パイルの妙に惹かれたプレイヤーが多いのか、はたまたアンフェアデッキに強く出られるアンフェアデッキであるからか、様々な理由が考えられるが、何が正解なのかは一切不明である。

今回全勝に勝ち上がってきた「スン」も、そんなDoomsdayを使うプレイヤーの一人である。先週Doomsdayで全勝した際に「《親身の教示者》も《ライオンの瞳のダイアモンド》もいらない」と言い放った割には、今週はしっかりと2種類とも採用されての全勝決定戦となる。安定性という誘惑には勝てなかったのだろうか。

対する「シェリ」は「ヴァラクート」を使用。メインボードに打ち消しを持たないタイプのフェアデッキであるこのデッキにとって、一見Doomsdayは天敵かもしれない。しかし、メインボードの《忍耐》、サイドボードを含めると《精神壊しの罠》が採用されているため、完全に不利とも言い切れない。むしろ、分かりやすい妨害が採用されていない以上、他のデッキよりも相手にしづらいだろう。

果たしてスンは、このデッキを下し、無事全勝することができるのだろうか。

■Game 1

《Underground Sea》《島》をセットし、《思案》《定業》で手札を整えたスンは、《暗黒の儀式》を経由して《最後の審判》をプレイ。ライブラリーを積み込んでターンをシェリへ回す。

対するシェリは《耐え抜くもの、母聖樹》の魂力能力を起動。スンの《Underground Sea》を割っていく。手なりでライブラリーを探したスンははたと手が止まる。そう、別に《耐え抜くもの、母聖樹》のサーチ能力は必須ではなく、積み込んだライブラリーの中にはそもそも土地はなく、探したことにより積み込んだライブラリーの並びが一気に崩れるハメになったのである。

頭を抱えるスン。しかし、何とか引いてきた《考慮》をプレイしつつ、うまくつながった《秋の際》《通りの悪霊》をサイクリングしてライブラリーを掘り進める。

そして、ライブラリーを空にしたスンは《魂の洞窟》をセット。マーフォークを指定して《タッサの神託者》をプレイ。危うげな展開を見せながらも、何とか1本目を取っていく。

シェリ0ースン1

■Game 2

先手を貰ったシェリは《思考囲い》をプレイ。スンの手札を確認していく。スンの手札は《親身の教示者》《渦まく知識》《暗黒の儀式》《最後の審判》《沼》《汚染された三角州》。シェリはコンボパーツである《最後の審判》を捨てさせ、ターンを渡す。

対するスンのターン。確かに《親身の教示者》で2枚目の《最後の審判》は持ってこられるのだが…プレイせず。ここは慎重にドロースペルを撃ち、手札を整えていく。

慎重な打ちまわしを見せるスンに対し、2枚目の《思考囲い》がスンに突き刺さる。が、これは《意志の力》で処理される。そして、ここらが限界と考えたか、スンは《親身の教示者》をプレイ。《最後の審判》をライブラリーの上に積んでいく。

そして、スンは《最後の審判》をドローしてプレイ。ライブラリーを積み込み、続くターンで勝利せんと、ターンをシェリに返す。

ターンを貰ったシェリは《老練の探険家》を展開。即座に《悪魔の意図》で生贄に捧げ、土地を伸ばす。そして《悪魔の意図》でサーチされたカードを前に、スンは顔を覆う。

シェリが持ってきて唱えたカードは《漂流自我》。指定は当然《タッサの神託者》。勝ち手段を全てはぎ取られたスンは膝から崩れ落ちた。

シェリ1ースン1

■Game 3

ラストゲーム。スンは相手の出方を伺うべく《強迫》をプレイしていくが、シェリはそれを《狼狽の嵐》ではたき落す。

続いてシェリは《陰謀団式療法》をプレイ。これと《老練の探険家》とで相手の手札をズタズタにし、自身は土地のアドバンテージを得ていくというプランである。

それを見越したうえで、スンは《否定の力》をピッチコストでプレイ。《陰謀団式療法》を追放することで、シェリの展開を大きく遅らせる。シェリは《老練の探険家》を展開するも、何もできずにターンをスンへ返す。

スンは満を持した状態で《暗黒の儀式》から《最後の審判》をプレイ。先ほど見えた《漂流自我》がちらつく都合上、さっさとゲームを決めに行きたいが、ドロースペルが手札にないスンはシェリにターンを渡す。

シェリはターンを貰うと、スンの墓地の《最後の審判》を対象に《外科的摘出》をプレイ。スンの手札、ライブラリーを確認する。

手札は《意志の力》《トーモッドの墓所》。ライブラリーは上から《通りの悪霊》《秋の際》《秋の際》《タッサの神託者》《島》。これらをシャッフルさせ、スンの目論見を完全に狂わせ、ターンをスンへ返す。

スンは大きく頭を抱えつつドロー。引いたカードは《島》。ひとまずセットしてターンを返す。

そして続くターン。引いたカードは《通りの悪霊》。この時点でスンのライフは4。相手の手札にあるであろう《忍耐》、《通りの悪霊》で《タッサの神託者》を引いたときの裏目、このままターンを渡したときに飛んでくる可能性のある《漂流自我》…。様々な要素が交錯し、長考を挟む。

永遠とも思える長考の末、スンが出した結論は…。

「間違いなく、シェリさんは《忍耐》か除去は持っている。しかし、両方は持っていないはず。そして、Doomsday相手に直接の効き目が薄い除去は、サイドボードの《漂流自我》などと入れ替わっているはず。つまり、シェリさんの手札にある干渉手段は《忍耐》のみである。」

考えがまとまったスンは、深呼吸し、大きくうなずく。

「それならばこの勝負、俺の勝ちだ。」

スンは手札の《トーモッドの墓所》を展開。更に《通りの悪霊》をサイクリングしてドロー。引いたカードは《秋の際》。即座にサイクリングに変換していく。

ここでもう一枚の《秋の際》にアクセス出来れば、悩む必要はなかっただろう。しかし、ここで運悪く、《タッサの神託者》を引いてしまう。残りライブラリー1枚の状況だが、既に考えがまとまっているスンに迷いはない。そのまま展開し、シェリに問う。

「あなたが《忍耐》を持っているならば、私の《トーモッドの墓所》で自分の墓地を吹き飛ばせるので、ライブラリー枚数が青信心数を下回り、《タッサの神託者》が特殊勝利条件を満たすため、私の勝ちです。しかし、《突然の衰微》などの除去があるなら、ライブラリー枚数が青信心数を上回り、私の負けです。」

そして、こう続ける。

「ですが、私の予想では、あなたは除去を持っていません。違いますか?」

シェリは一呼吸置くと、手札を公開する。シェリの手札に握られていたカードは《狼狽の嵐》《緑の太陽の頂点》、そして…《忍耐》。

シェリはスンを祝福するかのように右手を差し出す。壮絶な読みあいの末、勝利をつかんだのはスン。Doomsdayを使い、2週連続の全勝に輝いた。

シェリ1ースン2

■デッキリスト

■対戦動画


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